古代出雲国のシンボル「茶臼山」

松江駅の南東4km程の所に、住宅地に接して茶臼山があります。

標高171mの小さな山で、登山道は湖東中学校の方から登る北ルートと大庭十字路の方から登る南ルートがありますが、どちらのルートも落葉に覆われた粘土質で滑りやすい細い山道で、500mほどの距離で一気に標高差150mを登るため、上り坂続きで結構息が切れ、町中にありながらちょっとした登山の気分を味わえる山です。

余り高くない山ですが、周りに山の無い独立峰ですので、山頂からは宍道湖・中海をはじめ遠くは大山が望め、その360度の眺望は絶景です。

この山は古代より神の住む山「かんなび」として崇められ、出雲風土記には「神名樋野」と紹介されています。

茶臼山の周辺には、出雲国庁跡・出雲国分寺跡・山代郷正倉跡等の史跡、国宝の本殿を持つ神魂神社・真名井神社・六所神社・八重垣神社等の由緒ある神社、我が国で初めて「前方後方墳」の名前が付けられた山代二子塚古墳・岡田山古墳群をはじめとする数多くの古墳等があり、まさにこの地が古代出雲国の政治・文化の中心地帯であったことを表しています。

また近くに、これらの歴史を紹介する「八雲立つ風土記の丘資料館」がありますので、是非立ち寄ってみてください。

(情報 千田)

茶臼山 民家の庭先から登る南側登山口
落葉に覆われた登山道 山頂からの松江市街地と宍道湖の眺望