12月14日 曇り

 写真は、

 香芝市・太子葬送の道を往く

  撮影 12月6日 田中 保

 二上山博物館 - 香芝市公式サイト
 二上山博物館内


二上山を詠んだ會津八一の歌碑
 あま つ かぜ ふき の すさみ に ふたがみ の
を さへ みね さへ かつらぎ の くも


二上山をのぞみて
 あま つ かぜ ふき の すさみ に ふたがみ の
を さへ みね さへ かつらぎ の くも

(天つ風吹きのすさみに二上の峰さへ嶺さへ葛城の雲)
歌意: 空を吹く激しい風のために、葛城山に湧き出た雲に二上山が覆われてしまった。

 二上山の麓にある当麻寺を訪れ、二上山から連なる葛城山脈を遠望すると山の天気の急激な変化を体感できる。
当麻寺にいる間に刻々と山上の天気は変化していく。
 八一は自註鹿鳴集でこう書いている。“「葛城山は二上山の西に連る。この山は上代に雄略天皇(?-四七九)が、
一言主神(ヒトコトヌシノカミ)に遇(あ)ひ、ともに馬を駢(なら)べて田猟せしところといひ、後には役行者(エンノギヤウジヤ)が
岩窟に籠もりて練行(レンギヤウ)したるところといひ、常に一種怪異の聯想あり。
この山を出でたる白雲が、山腹を葡(は)ひ来りて、やがて二上の全山を埋むるを見て、
作者は異様に心を動かして、この一首を成したるなり”
 山々を眺め、八一の自註を読むことによって、この難解な歌の歌意が分かる。
大和を訪れた作者が伝承を背景に、荒々しい山の変化を歌い上げたこの歌の良さが、静かにゆったりと迫ってくる。

 鹿島神社