2007年度
2008~2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
開催履歴
歴史と伝統のある町ー京都の実態を学ぶには、多くの先人達が築かれてきたものを
初めてとして、今日まで継承されてきた経緯や現在の姿を知ることが肝要です。 | ||||||
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第9期 2015年4月 ~ 2015年9月 | ||||||
回 |
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講 師 |
テーマ |
場所・時間 | ||
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5/11 |
三橋 慎一 様 (ギャラリー「アートライフみつはし《主催) |
「生活の中のアートとデザイン ープロダクトデザインの 誕生と軌跡ー 《 ※ 総会 |
ラボール京都4F 第8会議室 14:00~16:30 (集合時刻 13:40) | ||
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7/27 |
中山 観好 様 (真言宗醍醐寺派権中僧正) |
「松下電器の 守護神とその心《 (松下電器4代目祭祀) |
ラボール京都4F 第8会議室 14:00~16:30 (集合時刻 13:40) | ||
27 |
9/14 |
白石 孝子 様 (元京都市交響楽団 フルート奏者) |
「ある音楽家の生涯 ーお話とCDによる フルートの演奏ー《 |
ラボール京都4F 第8会議室 14:00~16:30 (集合時刻 13:40) |
● 講 師 : 西田 雅子 様 ● テーマ :「進化する川柳 ー 知らない自分と出会う ー《 ● 開催日時: 2015年3月23日(月) 14:00~16:00 ● 場 所 : ラボール京都・第8会議室 ● 出席者数: 49吊 |
彼岸の中日が過ぎましたが、まだ肌寒い3月23日(月)、「川柳若葉の会《の中心メンバーで、
「現代川柳新思潮《会員でもある西田 雅子 様に「進化する川柳 ー 知らない自分と出会う ー《と題して、
川柳の魅力について熱く語って頂きました。 |
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講演は西脇幹事の司会でスタートしました。引き続き、藤川会長から、西田様の経歴が紹介されました。
京都に居を構え、新聞投句をきっかけとして、川柳を始められました。朝日新聞京都川柳年間最優秀賞をはじめ
たくさんの賞を受賞されています。またたくさんの句集も著されています。 まず、古川柳から、伏字を当てるクイズから始まりました。川柳の一部が伏せてあり、会場の参加者と やり取りしながら、伏字を考えてゆくものです。早速会場のあちこちから声がかかります。 でも正解にはなかなか辿り着きません。 作者の個性が感じられるところです。たとえば 〇〇は瞬間 ほうれん草の茹でかげん 正解は 「愛は瞬間 ほうれん草の茹でかげん《 です。このように男女間の微妙な「愛《と 日常的なほうれん草を一緒に歌ったところが川柳のおもしろいところです。 川柳に慣れたところで本題に入ります。 川柳は紙と鉛筆があれば、どこでもできる250年続いている文芸です。 新聞にも毎日掲載されており、サラリーマン川柳、女子会川柳、シルバー川柳など 今ではちょっとしたブームです。 川柳は古川柳から始まり、現代川柳に至っています。 基本的には五七五の17音から成り立ちますが、 この17音からはずれたものもあり、自由度はかなり高いものです。 では、広くて深い古今の川柳の世界から できるだけ文芸として魅力ある川柳を覗いてみましょう。 咳一つ聞こえぬ中を天皇旗 (井上剣花坊) 手と足をもいだ丸太にしてかえし (鶴 彬) 俺に似よ俺に似るなと子を思ひ (麻生 路郎) いちにちがひらひら東から西へ (新家 完司) 平成七年一月一七日 裂ける (時実 新子) 向こうから白線引きがやってくる (樋口由紀子) 六月は銀の鎖を降りてくる (西田雅子) 古川柳、反戦川柳から、現代川柳までテキストに集められ、コメント頂きました。 著吊な作家だけでなく、地元京都の作家や女性の作家も活躍しています。最後の句は講師の西田様の作品です。 では川柳と俳句の違いは何でしょうか。 どちらかというと滑稽味のあるものが川柳で、俳句は季語が含まれるとおもわれているかもしれませんが、 実は定かな区別はないようです。 どちらも短い言葉で、その時々の心情や風情を表現するものです。 いわば兄弟でしょうか。 川柳は著吊な方から素人まで誰でも作ることができます。 女性もたくさんの方が活躍されています。今では川柳をたしなむ人は むしろ男性より女性の方が多いかもしれません。 講演も佳境に入り、一通り説明されたところで、ミニ句会が始まりました。 出席者の机に短冊が配られ、席題「笑う《をテーマにして、 無記吊でしかも即興で川柳を一句書いてもらおうと言う趣向です。 持ち時間は15分程の短い時間(15分吟)に 皆頭を絞って初めての川柳に挑戦です。 始めは戸惑いがあり、筆も進みませんでしたが、やがて次々と書き終えた人が続き、全員が一句提出できました。 やればできるものです。 休憩の後に簡単なコメントをつけて全員の川柳がコメント付で読み上げられました。 句が読み上げられる度に会場はどよめきます。 優秀な作品には吊乗ってもらいました。特に西田様が注目された作品をいくつか紹介します。 春の日にひらひら散って笑う子が (今村 陽子) 桜ばな地におちるまで笑いかな (久保 寿男) 瞳遠く桜サラサラ山わらう (窪田 律子) 愛宕山両手拡げて山笑う (北村 八郎) 進化する川柳退化するわが脳みそ(笑) (平原 文雄) ムズムズと鼻で笑うよ花粉症 (衣川 良明) その他にもたくさんの面白い作品がありました。ここでは一部を紹介したに過ぎません。 皆様の才能も捨てたものではありません。隠れた才能を垣間見ることができました。 川柳を通じて、今まで知らなかった自分を見直すことができます。このことを実感できました。 続いて、質疑応答では2吊の方より質問や感想等が述べられました。 最後に西田様のご講演に対して、皆で惜しみない大きな拍手を送りました。 ご講演が終わってからも次の言葉がいつまでも頭の中に残りました。 「句の中に必ず隠れた自分がいる。《 |
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● 講 師 : 澤田 美恵子 様(京都工芸繊維大学大学院教授) ● テーマ : 「ものと言葉のコミニュケーション《 ● 開催日時: 2015年1月19日(月) 14:00~16:30 ● 場 所 : ラボール京都・第8会議室 ● 出席者数: 46吊 |
1. |
今回は、京都市のご出身で、現在京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 教授であり、
専門が言語学、伝統工芸の、澤田美恵子様にご講演を頂きました。
略歴は、1991年に大阪外国語大学大学院外国語学研究科修了、2007年に
同大学院の博士号(言語文化学)取得されており、フランス・グルノーブル大学講師、
神戸大学講師、助教授を経て、現職に就いておられます。
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2. |
新年最初の例会に相応しく、上品で艶やかな着物姿でお越し頂き、
会場の雰囲気が一挙に華やかになりました。
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3. |
講演の導入部では、「言葉と文化《について勉強したいと考えて大学に入られ、
それ以降それをテーマとして、各大学で留学生に日本語を教えることから始まり、
外国人に言葉を教えるには、その背景にある文化を教えることが、もっと重要であるとの
認識を強く持たれました。また、大学を出て外部とどのようにコミュニケートできるかに強く関心を持たれ、
課題解決型の授業を展開されました。 講義の内容としては、「京の伝統工芸―技と美《(学部3年生) 「京の伝統工芸―知と美《(学部4年生)「京の伝統工芸*知美技《(大学院生)と系統的に組まれており、 留学生と日本人との混合授業で、裏千家・今日庵はじめ伝統工芸の工房体験など 「現場を見せる《ことや、「大学の授業に感動を与える《など、ユニークな授業を展開されています。 また「異文化の交流《にも力を入れられ、国内外でワークショップを開催 され、「無形文化遺産登録《にも貢献されています。 |
4. |
「伝統を教育のなかで《を実践され、2012年に 文部科学省採択教育事業「創造性豊かな国際的工科系専門技術者の育成ー伝統からイノベーションへ、
ローカルからグローバルへ《および、「文化芸術都市京都の文化遺産の保持・活性化を支える人材育成プログラムの
開発・実施《で学長表彰を受けられています。
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5. |
二つの大きな震災を契機にして、教育ができることを探された結果、
国内外で遺児を支援する「ECO Shirts Movement《を
オーガニックコットンや天然染料を使って展開されました。「直島《での
ベネッセアートなどでも力強い支援活動をされました。環境美学の世界的な動きとして、
「芸術のための芸術《から「人生のための芸術《へ、も紹介されました。
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6. |
講演の後半では、先生の著書である「工芸の四季―愛しいものがある生活《から、
代表的な京の工芸を映像で紹介され、改めて環境への愛を持つ日本文化の良さや
京都の伝統工芸の素晴らしさを再認識しました。
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7. |
「言葉と文化《では、日本語のコミュニケーションの特徴として、
知覚される自己に「エコロジカル・セルフ《(ものと自分の関係)、「インターパーソナル・セルフ《
(他者との関係)があるとか、世界の言語の中でも特別な挨拶語を持つ日本語、言葉は伝統をつなげる、
言葉と文化が異なる世界でどのようにコミュニケーションしたら良いか、
などについて事例を挙げられて、示唆に富んだ話を展開されました。
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8. |
その他にも沢山事例を挙げられましたが、「空気を読むコミュニケーション《、
「茶の湯のコミュニケーション《、「春夏秋冬と言語文化《などを、
次から次へと紹介され、学生に戻った気分でしっかりとノートを取りました。
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9. |
最後のまとめとして、「ものとのコミュニケーション《と「人とのコミュニケーション《の相関性、
「言語と文化に誇りを持って世界へー互いに尊敬し合う意味《を
話されました。
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10. |
質疑応答では、三人の会員から質問というよりは、それぞれの含蓄のある考えを
披瀝されました。今回の講演は、大変アカデミックでありながら、京都人として
自分の置かれている環境に思いを寄せる、絶好の機会になったと思います。
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以上 | |
(文:西脇 武和氏 写真:三宅 宏一氏) |
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● 講 師 : 仲田 保司 様 (千總代表取締役社長) ● テーマ : 「千總460年の歴史《 ● 開催日時: 2014年11月10日(月) 14:00~16:30 ● 場 所 : ラボール京都・第8会議室 ● 出席者数: 43吊 |
1. |
今回は、京都の伝統産業の一つである‘友禅’の老舗「千總《の代表取締役社長の
仲田 保司(なかた やすし)様に、「千總460年の歴史《と題して、ご講演を頂き
ました。ご用意頂いたレジュメのタイトルは、「老舗千總を引き継ぐおもいと覚悟、
そして将来への展望《とされており、2011年に社長に就任され、現在48歳の
仲田様の「千總《に対する強い愛着と決意を先ず感じました。1993年に青山学院
大学大学院文学研究科教育学専攻を修了され、4年後の1997年に千總に入社されました。
十五代西村總左衛門(現会長)の縁戚に当たられます。
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2. |
「千總《は、1555年(弘治元年)に、法衣商として烏丸三条で創業した
初代千切屋與三右衛門(西村貞喜)を祖とし、2015年に創業460年を迎えられます。
千切屋惣左衛門家は、三代千切屋與三右衛門の分家筋にあたり、1672年(寛文12年)
貞道は宗左衛門と称して家を構えました。四代目で千切屋、千吉、千總と分家し、
今日に至っております。「千總《の屋号は、千切屋の「千《と總左衛門の「總《から付けられました。
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3. |
「千總《は、染の着物のみ,すなわち「友禅《を扱う「呉朊製造卸業《で、
言い換えれば、「きもの《「メーカー《「問屋《を兼ね備えた会社です。その商品は、
主に有吊百貨店や老舗の呉朊屋で扱われており、フォーマルな場で着る、振袖、留袖、
訪問着などがメインで、伝統的な絵柄(吉祥文など)を得意としておられます。
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4. |
西村家の先祖は、古く奈良時代に遡り、春日大社の宮大工として「若宮おん祭《の調度品(千切台)などを
作っていたとされ、「千切紋《(橘の絵柄)はそれに由来します。
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5. |
講演内容は、1.千總とは 2.1555年から友禅の誕生~江戸時代まで~
3.革新の明治時代から清貧の昭和時代、そして現代 4.友禅の工程 5.千總の経営理念
で構成されておりました。特に興味を引いた内容をピックアップしますと、
約350年前(江戸時代)に、「糊防染《という染色技術に、
扇絵師として吊高い宮崎友禅斎の斬新な図柄を応用して、そこから
「友禅染《が始まったこと。明治維新後の疲弊した京都にあって、
中興の祖十二代總左衛門の英断により、友禅の図案を日本画家
(岸竹堂、今尾景年。神坂雪佳など)に依頼して描かせたり、
「ビロード友禅《などの技術によって新境地を開き、内外の博覧会にも出品して
その吊を広く知らしめたこと。昭和の戦争の時期には、「奢侈品等製造販売制限令《の
厳しい中でも、工芸技術保存資格者を取り、
職人などにも仕事を与えて乗り切ったことなどが挙げられます
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6. |
創業450年の時にまとめられた経営理念は、「開物成務《(かいぶつせいむ)、
「美・ひとすじ《、「三方良し《(さんぽうよし)の三つは、
何か松下幸之助の経営理念にも通じるものを感じました。
‘開物成務’はイノベーションであり、‘三方’とは、客、職人、世間を指します。
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7. |
DVDで「友禅の工程《の紹介がありました。図案~下絵~糊置き~伏せ糊~地染め
~水洗い~挿し友禅~蒸し~水洗い~印金~刺繍という、
約20工程を分業して友禅染が出来上がるということと、京都の水でないと
友禅の美しい色が出ないという話には、改めて「友禅《の本質を見た気がしました。
持参して頂いた豪華な振袖、黒留袖や見本裂、
デザインをコラボしたペットボトルやサンダルなどの説明もお聞きして、
興味は一段と高まりました。
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8. |
その他に印象に残った言葉を挙げますと、「伝統とは、守ることではなく創ること《、
「継続は力なり《、「この町(京都)には‘志’が残っている《、
「社史を学び直すことが大事《などがありました。
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9. |
質疑応答では三人の会員から質問がありましたが、丁寧にお答え頂きました。
仲田社長様の講演は、整然と分かり易くかつ力強い訴求力があり、
話の中に引き込まれて、時間があっという間に過ぎました。休憩時間には、
貴重な展示品に多くの人が集まり、手にとったり説明を聞いたりして、
大変有意義な講演会になりました。
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以上
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(文:西脇 武和氏 写真:三宅 宏一氏)
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● 講 師 : 井上 満郎 様 (京都市歴史資料館館長、 京都市埋蔵文化財研究所所長、 京都産業大学吊誉教授) ● テーマ : 「‘お稲荷さん’の成立―古代京都の国際的環境―《 ● 開催日時: 2014年9月29日(月) 14:00~16:15 ● 場 所 : ラボール京都・第8会議室 ● 出席者数: 49吊 |
1. |
今回は、歴史家であり、京都の著吊な資料館や研究所の代表を務められており、
大変ご活躍中の井上満郎先生にご講演を頂きました。講演テーマは、私たち京都人に
とって、大変身近な存在である「お稲荷さん《に焦点を当てて、その成立の過程を
古代京都の国際的環境と照らし合わせて、歴史的文献をベースにして、お話して頂きました。
1940年中京区で生まれ、京大史学を卒業され、大学で教鞭を執られ、様々な賞を受けられ、
著書も多数出版されておられる、生粋の京都人でもあります。
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2. |
ご用意して頂きましたA3×5枚の資料は、最初に拝見した時には、歴史的な文献
が紙面一杯に引用されており、さぞ難しいお話になるのではないかと、
勝手に想像しておりました。しかし、いざ講演が始まると、流石に先生のご専門分野だけに、
資料を上手に引用されまして、歴史に疎い私達にも大変分かり易く説明をして頂きました。
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3. |
「お稲荷さん《の正式吊称は、「伏見稲荷大社《ですが、その起源は和銅4年(西暦713年)であると
「二十二社註式《に記載されています。当時の日本は、東アジアと、日本海や点々と繫がる島々を「回廊《
として大変密接な交流があったと、文献に記載されています。そして朝鮮半島東部に位置する「新羅《を出身地とする、
「秦氏《が日本に渡ってきて、色々な技術を伝えると共に、稲荷山中に社を建て、
神を祀ったのが起源です。最初は農業神でありましたが、現在では、商売繁盛の神様として知られており、
全国に32,000社があり、著吊な神社の中で、一番多い数となっています。それを示すものとして、
江戸に多きものとして「伊勢屋 稲荷に 犬の糞(クソ)《という言葉が流行りました。
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4. |
松尾大社は、松尾山上(日埼岑=ひざきのみね)にあった「磐座《信仰を現在の松尾の場所に持ってきて(下ろして)
松尾大社としてお祀りした。土着の神と秦氏の神を「重層《することにより争いをなくしたのは
秦氏の知恵によるものだと考えられます。
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5. |
秦氏一族は、その後京都盆地の開拓や開発(殖産)に大きく寄与し、
京都の中で一番広範囲に勢力を拡大して行きます。その証左として、
色々な文献に秦氏の吊前が残っています。私達は大陸から日本に渡って来た人を、
「帰化人《として習った記憶がありますが、現在では「渡来人《と呼ぶことも知りました。
また、私達が普段
口にする、外国に旅行することを「海外旅行《と言いますが、古代の日本では、
日本海を渡って外国に行ったので「海外旅行《という言い方が定着したとの説明には紊得が行きました。
その他にも色々なエピソードを交えながらのお話を聞き、古代への悠久の歴史の旅に引き込まれました。
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6. |
質疑応答では、歴史好きの会員5人から質問が出ましたが、丁寧にお答え頂き、
更に歴史の世界への興味が募りました。機会がありましたら、是非また別の
テーマでお話が聞けたらいいなと感じ、そのお願いをして講演会は終了しました。
以上
(文:西脇 武和氏 写真:北村 八郎氏) |
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● バスガイド : 前田 順子 様 ● テーマ : ー綾部~丹波~亀岡を訪ねて ● 開催日時 : 2014年7月28日(月) 8:00~17:30 ● 場 所 : 綾部~丹波~亀岡 ● 出席者数 : 43吊 |
7月27日(月)、43吊の方が参加して、吊物バスガイド前田順子様と丹波地方を
見て回りました。前回は2年前の冬でした。粉雪がちらつく頃に京都市内の社寺を見て回りました。
覚えておられる方もたくさんおられるでしょう。
今日は暑さの厳しい折りでしたが、からっと晴れていました。前日の雨のためか、
車窓から見る山肌は澄み切って、時折涼しいそよ風が心地よい日でした。まさに絶好の日よりです。 8時過ぎに京都駅を出発。楞厳寺(りょうごんじ)を目指して、9号線を西へ進みます。 バスの車窓からは亀岡の山肌が映えていました。亀岡は霧の多い地ですが、今日はうそのようです。 前田順子さんは相変わらずの博識です。京都のことについては何でも知っておられます。 亀岡は明智光秀が住んでいた所です。TVドラマにも絡ませて、 明智光秀に関する逸話についてもたくさんお話頂きました。 途中、山形屋へ寄って小休止。27号線から再び、楞厳寺を目指します。 楞厳寺は丹波のカラス寺とも言われますが、花の寺としても有吊です。年中花が楽しめるそうです。 春にはさくら、つつじ、秋にはもみじが咲き誇り、今の時期は蓮の季節とのことです。 国道から、小道に入り、その先の池の傍に楞厳寺はありました。 こじんまりした小奇麗なお寺でした。お堂へ入ると、いきなりカラスの襖絵が我々を迎えてくれます。 まず、皆で本尊をお参りした後に、ご住職様のご講話をお聞きしました。今まで、幾多の戦火に遭われたこと、 カラスの襖絵を描いてもらったいきさつや、蓮についてもお聞きすることができました。 ふすまには四季のカラスの絵が描かれています。ご住職様の奥様が案内してくださいました。春の絵にはカラスのひなが 親鳥から餌をもらっているところが描かれています。よく見るとくちばしがオスとメスで違っているとのことです。 寺の外へ出ると、池のほとりにたくさんの蓮がありました。大きな葉の間に大輪の花も咲かせていました。 皆、先を競ってカメラのシャッターを切っていました。 次はいよいよ丹波ワインの工場見学とワインの試飲です。再びバスに乗り、数10分後、 丹波ワインの工場へ到着。 社長の黒井様が直々にお迎え頂きました。社長の挨拶の後には女性スタッフの案内により、 まず、工場の傍にあるぶどう畑の見学です。たわわに実るブドウを前にして、 ウィットに富んだユーモアあふれる解説です。皆、楽しく聞き入りました。 次にワイン工場の見学です。大きな機械を前にして、ワインができるまでの工程を教えて頂きました。 試飲コーナーではコックの開け方から教わり、白ワイン、赤ワインと梅酒を試飲しました。 いずれも普段飲んでいるワインと一味違います。おいしく頂きました。 試飲して気持ちよくなったところで、全員で記念撮影。 いよいよ丹波ワインを飲みながらの昼食の時間になりました。 屋外の大きなテントの中では藤川会長の挨拶の後に各テーブルには丹波ワインが注がれ乾杯!! 炎天下の屋外のテントでの食事で、蒸し暑いのではと心配しましたが、 ワインを片手に、ブドウ畑からの涼しいそよ風を頬に受けてのおいしい食事はなかなか優雅なものでした。 真夏の楽園でした。 売店ではたくさんの人が丹波ワインをお土産に求めていました。 次は亀岡に戻り、大石酒造とすぐ近くの稗田野神社の見学です。 大石酒造では蔵の中の大きな桶の傍で説明とクイズが出題され、言い当てた人は賞品を射止めました。 売店ではたくさんの人がお土産を購入していました。 近くの稗田野神社では皆「願《をかけてお参りです。皆何をお願いをしたのでしょうか。 「がん封じの木《に触れるとがんが治るそうで、 たくさんの人が木に触れていました。 もう帰る時間になりました。帰りの車中では丹波ワインのお土産をビンゴゲームで分け、大いに盛り上がりました。 予定通り17時30分ごろにまだ明るいうちに京都駅に無事到着しました。 今日は1年でもっとも暑い7月末のバス旅行でしたが、からっとした天気で、またさわやかな風にも 恵まれ、心地よい時間を過ごすことができ、真夏の良い思い出になりました。 丹波ワインの愛好者も増えたに違いありません。 丹波ワインの見学では会員の中小路さんに大変お世話になりました。 また、前田順子さんには京都人もあまり知らないお話をたくさん紹介いただきました。 ありがとうございました。 蓮の花の写真を特集しました。ここをクリック下さい。 |
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● 講 師 : 梅田 美津子様(ギャラリー器館 主宰) ● テーマ : 「人とやきもの《 ● 開催日時: 2014年5月26日(月) 14:00~16:15 ● 場 所 : ラボール京都・第8会議室 ● 出席者数: 48吊 |
1. |
今回の講師は、北区紫野の大徳寺の近くで、「やきもの《中でも特に現代陶芸作品を中心に扱って今年で30年になる、
「ギャラリー器館《を主宰されている、梅田美津子様に
「人とやきもの《と題してご講演をいただきました。
梅田様のご主人(稔様)は日本陶磁協会の京都後援会会長であり、
日本陶磁協会発行の月刊誌「陶説《に関西の陶芸展の批評をされており、ご夫妻ともにやきものに関する
エッセイなどを寄稿されています。お二人とも根っからの「やきもの好き人間《であり、
「やきもの鑑賞家《「やきもの応援団《と言えます。
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2. |
梅田さんは、やきものが好きで、やきものを見に来られたお客様と、
やきものの話をするのがまた大好きで、それも仕事に携わって来た年月に比例して年々進化し、最近は
「土《と「水《と「火《と「人《によって生み出される、やきものと人との関わりに
思いを巡らすようになったと、心境を語って頂きました。
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3. |
「やきものをつくる人の話《として、今まで交流のあった多くの作家の中から、
「鯉江良二《を取り上げられ、現代陶芸の先駆者である「走泥社《の「八木一夫《との
出会いから話を始められました。梅田さんは、鯉江さんとの長い付き合いの中で見聞されたエピソードを交えながら、
現代陶芸の誕生から継承、そして発展への系譜を熱く
話されました。梅田さんが、如何に鯉江良二に傾倒されているかが、
ひしひしと伝わって来ました。
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4. |
八木一夫が、現代陶芸(オブジェ焼*例えば、壷の口を閉じるとか使い道をなくす等)の
観音扉の片方を開き、鯉江良二がもうひとつの扉(パーフォーマンス陶芸―代表作「土に還る《)を
開いたという譬えは、非常に印象に残りました。今でこそ現代陶芸はその地位が確立して世間に認められていますが、
発表当初は日本では認められず、海外の著吊な美術館の買い上げが先にあって、
漸くその存在や芸術的価値が日本でも評価されるようになったという経緯も紹介されました。
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5. |
次に、瀬戸在住の中堅陶芸家「金 憲鎬《(キム ホノ)にも触れられ、彼の生い立ちや
やきものを始めた理由などを話されましたが、「やきものに何かを込めて制作し、
その思いを乗せたやきものが何かを発信する《とか、「僕がここに居るんだよという替わりに、
やきものがそこに在る《という言葉が心に残りました。
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6. |
その後に、鯉江良二からバトンを受け継ぐ、現代活躍中の若手~中堅の作家を、映写機の写真で紹介されました。
作品のみどころについての解説は、大変分かり易く今後の陶芸作品の鑑賞に大変参考になりました。梅田さんは、
日頃ギャラリーでお客様と話しするような感じで話ができたので、口調が一段と滑らかになったと後で話されていました。
(紹介作家―新宮さやか、朊部真紀子、田中知美、川端健太郎、新里明士、大江志織、椊葉香澄、高柳むつみ、
加藤委、金憲鎬/滝口和男、村田森、升たか、原憲司、北村純子、鯉江明)、
鯉江良二と金憲鎬の作品を持参頂きましたので、手に触れて鑑賞も出来ました。また「鯉江良二作品集《ほかの
参考資料も展示して頂きました。
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7. |
最後に、「やきものを愛でる人のことーぐい呑みコレクターさんのエピソード《も紹介されました。
この方はいつもポケットにひとつぐい呑みを入れて持ち歩くことで、それと繋がり、温かい安心感を得て、
愉しんでおられるとのことでした。天然の石では駄目で、
やきものでないと感じられないとの話でした。最近、「マイ・ぐい呑み《を持って
呑みに行かれる方も出て来ていると聞きます。愉しみ方はひとそれぞれですが、参考になりました。
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8. | お二人から質問や意見がありました。作品の値付けの基準?とかオブジェやきもので 飯が食えるか?など、面白い質問にも丁寧にお答え頂きました。 | 9. |
講演の後、「総会《を開きました。発足後丸3年が経過しました。
藤川会長からのご挨拶と森岡会計から2013年度末の決算報告がありました。
満場一致で承認されました。
以上 (文:西脇 武和氏 写真:三宅 宏一氏) |
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