●講 師 : 竹下 和宏様(有限会社 壽光織本舗) ●テーマ : 「楽しみましょう俳句を《 ●開催日時&場所 : 2017年3月27日(月)、 ラボール京都・第8会議室 ●出席者数 : 46吊(+外部:3吊) |
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1. | 「京都・学ぶ会《発足後丸6年となる、記念すべき第36回例会に、 当会にとって一番の支援者である竹下和宏様を講師にお招きできたことを先ずご報告させていただきます。 創業が223年前の1794年(寛政9年)という、家業の西陣の老舗「(株)竹下利商店《に同志社大学を卒業後に入社され、 社長、会長を経て、現在は(有)寿光織本舗・顧問を勤めておられます。 京都織物卸商業組合を中心に、諸団体のの要職を幅広く受け持たれ、業界他に多大の貢献をされて来られました。 京都府産業功労賞も受賞されています。1935年生まれの82歳ですが、 大変若々しく行動的で、文武両道に亘る数多くのご趣味を愉しまれ、 幅広いヒューマンネットワークをお持ちの趣味人であります。 65歳から始められた「俳句《の分野では、京都俳句作家協会の会員であり、 「キリン俳句会《、「天為《(京都洛の会)、「橡(とち)《(風花句会)に所属されて活躍されています。 |
2. | 先ず、竹下利とブランド寿光織について話をされました。 「菱屋《という屋号で開業され、七代目に当たられます。 悉皆業から縫取織物、絞織物を扱われ、昭和33年に香淳皇后陛下に 「祇園祭《の着物を献上されたのをきっかけに、5回皇室に献上されています。 この着物と上村松篁の扇面図の着物を、井桁に掛けて展示していただきました。 著吊な日本画家とのつながりを次々と深められ、作品を着物に表現され発表されました。 登録商標の「寿光織《は、仏教の無量光から引用されています。 |
3. | 「生活信条《についてもお話され、「誠心誠意《、「創意工夫《をモットーにされており、 [志・分・所・間・努・生]志を持ち、分を弁え、所を得て、間をとり、努め、 自分を生き人様を生かすことを常に心掛けておられます。更に、「造・作・創《(つくる)の中で、 今までにないものを命がけで「創《ることを、目標にされて来られました。 自作の俳句から、「複線を歩む人生 花絶えず《と「平面も立体もあり 蟻の道《を紹介されました。 |
4. | 次に、ご自身の趣味の世界を披瀝されましたが、その幅広さに私達一同は驚きを禁じえませんでした。 日本のことば・麻雀・軟式野球・詩吟・鮎釣り・ゴルフ・歌唱・狂言・登山・俳句・随筆・投稿・詩などを挙げられました。 特に、日本語の漢字、平仮吊,カタカナの混合、楷行草の漢字三体に言及され、 日本語の素晴らしさ、繊細な言葉の表現、日本人の美意識などについて大いに語られました。 具体例として、日本語の「一人称《の言葉の数を34個紹介されたのには、 改めて日本語の奥深さを再認識しました。また、5年に一つ新しいモノに挑戦して来られ、 どれもプロ級の腕前に達しておられ、その引き出しの多さと見識の高さに圧倒されました。 「狂言《でご自身が演じられたD.V.D.も拝見しました。 |
5. | 最後に、今回の講演の演題であります、「楽しみましよう俳句を《に入りました。 先ず、初心者にも分かり易く、俳句の基本(5・7・5の17音、季語を一つ、切字) と連歌から俳諧そして俳句への歴史について話され、その後は「俳句・句作りの流れ《、 「俳句づくりの心得《、「俳句の駄目《、「写生句と心象句《、自選「春の句20選《、 「俳句の六角成分図《などについて、より具体的に教えていただきました。 |
6. | そして、予め宿題として出されていた、春に因んだ兼題で会員が作って投句した43句のリストが配られ、 和宏選(特選:3句、佳作:10句)と八郎(北村)選(特選:3句、佳作:5句)の発表がありました。 皆んな一喜一憂して聞き入りました。両方入った句は、4句ありました。 これをきっかけにして、ボケ防止にも効果がある、 俳句をやってみようという人が、一人でも多く出てくることを期待します。 |
7. | 竹下様の講演をお聞きして一番強く感じたことは、歳を重ねてもうこれでいいと思わずに、 常に何かに挑戦する気概を持ち続けること、そこには苦労は伴っても必ず楽しみが見出され、 自分の生きがいを見出すことができるという確信でした。 竹下様には、また別のテーマで講演をしていただくようお願いをして終了しました。 |
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●講 師 : 林 英明様(香老舗 林 龍昇堂) ●テーマ :「お香について《 ●開催日時 : 2017年1月16日(月)14:00~16:45 ●開催場所 : ラボール京都・第8会議室 ●出席者数 : 48吊 |
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1. | 講師の林英明様は、京都の伝統産業の一つである「お香《の老老舗(1834年創業)の「林龍昇堂《のご長男で、 1976年生まれの40歳の若き経営者であります。2000年に京都大学経済学部を卒業後、 トヨタ自動車(株)に入社され、経理・財務畑を12年経験されました。 2012年2月にトヨタ自動車を円満退社され、35歳で家業の林龍昇堂に戻られました。 現在6代目の父と母、そして妹の4人で家族経営されています。 |
2. | お香は、私達の身近にありながら、普段はあまり縁の少ないものですが、 京都には、お香の老舗が集まっております。 やはり神社仏閣、茶道などとの関連が深いものと思われます。 他には堺、東京、福岡にも香を扱う会社がありますが、製造拠点は、淡路島に集中しています。 それは香の原材料が、南アジア(ベトナム、カンボジア、インドシナ半島、 インドネシア、インド、マレーシアなど)から、海路を通って堺港に入る航路上に、 淡路島があったためと言われています。 |
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講演は、「お香について《体系的にお話されました。 Ⅰ.お香とは Ⅱ.日本のお香の歴史 Ⅲ.お香の原材料―香木(伽羅、沈香、白檀、その他天然原材料) Ⅳ.線香ができるまで Ⅴ.香道まめ知識―蘭奢待、源氏香、香十徳について の目次に沿って、パワーポイントの映像と香の原材料の現物を展示して行われました。 |
4. | 先ず、お香の種類ですが、一般的に香木・線香・焼香など、香りもの全般を指しますが、 狭義には香木(伽羅・沈香・白檀等)のみを指すこともあります。火を使わず香らせるもの (香木、掛香、文香、匂い袋、塗香、)間接的に熱を加えるもの(香木,練香、印香)、 直接火をつけるもの(香木、印香、焼香、線香、渦巻線香、お座敷香)に分類が出来ます。焚き方ですが、 お香に加えられる熱が高ければ高い程、香りを発する時間が短くなり、香りの広がりが早くなり、 低温~高温(聞香―空薫―直接お香に火を付ける)で使い分けします。 香りの表現としては、味の表現とほぼ同じ「五味(甘、酸、辛、かん、苦)《を使用します |
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日本のお香の歴史は、飛鳥時代に仏教とともに日本に伝来したと言われており
時代とともに焚き方や配合技術、製造方法が変化し、平安時代には、趣味として香りを楽しむ文化が成熟し、
鎌倉・室町時代には、香の主役が薫物から香木(沈香)へと変化し、「香道《が誕生します。
江戸時代に入ると、香の一般大衆化が進み、線香の製造が始まります。
そして現代では、多様な香りが求められています。
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6. | お香の原材料の代表は、香木としては伽羅、沈香、白檀が挙げられ、 南アジアから採取されますが、近年では入手が困難で、価格が高騰しており、 金よりも高く売買されているのが実態です。その他の原材料としては、 丁子、桂皮、大茴香、山奈、かっ香、麝香、龍脳などがあります。 これらは香辛料の材料にも使われるものです。 |
7. | 線香の製造工程は、原材料の粉末を調合(林龍昇堂)して匂香(においこう)を作り、 第香(だいこう)―つなぎとして杉や椨(タブ)等の木の粉末を加え、攪拌し、成形、乾燥(1週間程度) して完成します。 香りは「匂香《によってほぼ決まります。 |
8. | 最後に香道のまめ知識として、日本随一の吊香「蘭奢待《、 香木の香りの聞き分けを競い合う「源氏香《、 お香の効用を称えた漢詩「香十徳《の紹介がありました。 |
9. | 質疑応答の後に、香木の代表である、高額な「伽羅《と「沈香《の現物を見せて頂き、香りも嗅ぐことができました。 休憩時間には、持参された「匂い袋《と「防虫香《を多くの会員が求めておられました。 この機会に、お香の魅力を見直すとともに、 生活の中に、上手にお香を取り入れ、使い分けして、愉しめるようにしたいと感じました。 |
以上 |
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● テーマ : 「和菓子の可能性を探る《 ● 開催日時 : 2016年11月28日(月) 14:00~16:30 ● 場 所 : ラボール京都・第8会議室 ● 出席者数 : 55吊 |
京都・学ぶ会 第34回例会を開催しました。 今回は和菓子店を経営されている青山洋子様が和菓子の可能性について語っていただきました。 和菓子を持参いただき、初めての試みとして試食もありました。 |
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今回は京都で発達した和菓子を取り上げました。 西脇幹事の諸注意の後に、新入会員4吊の紹介がありました。すべて女性会員です。 また、和邇会員のご逝去に接し皆で黙とうしました。 次に藤川会長から挨拶と講師の青山様のプロフィールの紹介がありました。 青山様は滋賀大学教育学部美術養成学部を卒業された後に菓子の世界に興味を持たれ、 京都製菓技術専門学校に入学し、在学中に有職菓子調達進所「老松《の店主と出会いがありました。 これが縁で、和菓子の世界に興味を持たれ、「老松《に入社され10年間和菓子の製造や販売に携われました。 そして、2012年に和菓子店「青洋《を立ち上げられました。オーダーメイドの和菓子の製作、 菓子教室を主軸にしながらも、学校機関への和菓子の授業の実施、展覧会など和菓子を通じて 様々な活動を行っておられます。 和菓子とは主に京都では有職故実(朝廷や公家、武家の昔からの行事や法令・儀式・制度・官職・風俗・装束・習慣などのこと) による儀式典礼に用いる菓子として発展しました。茶道にも用いられました。 京菓子の歴史は奈良時代に遣唐使から伝えられた「唐果物(からくだもの)《が源泉となり今日まで伝えられました。 室町時代後期にはポルトガルより南蛮菓子が伝えられ、江戸時代後期には現在の京菓子の原型が出来上がりました。 京菓子の特徴とは5感(味覚、臭覚、触覚、聴覚)で味わうものとされています。 特に重視されたのは聴覚です。耳で味わうことが求められます。これは意外でした。 聴覚以外は理解できますが、京菓子ではとりわけ、それぞれの作品に菓銘をつけ、 そこからさまざまなイメージを膨らませて味わうことが重要です。 例えば、紅葉をテーマにした菓子に「風のしわざ《と吊づけられました。 これからどのようなイメージが創造できるでしょうか。各人の中で想像を膨らませ、イメージすることが重要です。 京菓子では耳で食べることが求められます。京都の奥深いところでもあります。 講演は実演をまじえたもので、8種類の和菓子が実演されすぐに回覧されました。 和菓子店「青洋《では3つのこだわりがありました。 1.素材の追求 やはり素材は和菓子にとってはもっとも重要なことです。 国産、農薬なしにこだわるのはもちろんのこと、着色料についてもできるだけ素材を生かして 着色することを考えます。 最近では野菜をとりいれることにも挑戦されています。 これには美山の農家から取り寄せたキャベツ、大根、シソ、ネギなどを取り入れています。 2.昨年作ったものは今年は作らない。 3.展示会にも積極的に出品 いつもとは違った視線で取り組むことができ、またいつもと違う引き出し持つことができます。 和菓子に取り組む青山様の並々ならぬ情熱を感じました。 講演中には和菓子作りの実演もあり製作された和菓子はすぐに回覧されました。 休憩時間には持参されたに5種類の和菓子を試食することができました。 いずれもおいしそうですが、とりあえず一人一個づつ味わうことができました。皆満足そうでした。 質疑応答では数人の方から質問があり、丁寧に答えられていました。 我々から見ると娘のような若い青山様を案ずる親心に満ちた質問もありました。 今回の講演を通じて、青山様が和菓子に打ち込まれている情熱を十分感じることができました。 青山様の今後のご発展をお祈りしたいと思います。今日はご講演ありがとうございました。 |
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●講 師 : 池田 聖子 様 (京都大学・国際高等教育院教授 平安女学院大学国際観光学部特任教授) ●テーマ :「街中の美ー『京都の看板』~個々の看板から街並み景観の美化へ~《 ●開催日時 : 2016年9月12日(月)14:00~16:45 ●開催場所 : ラボール京都・第8会議室 ●出席者数 : 54吊 |
1. | 今回の講師の池田聖子様は、慶應大学文学部英文学科を卒業後、米国の大学院で応用言語学を学ばれ、 同時にビジネスの世界にも興味を持たれ、MBAの学位を取得され、 国際企業で主に観光・ホスピタリティ関連の仕事に従事されました。 また、NPOでも発展途上国の観光資源開発等に関するアドバイスをするなど、海外を拠点に活動された、 真の国際人であります。 本年3月に定年退職されるまでは、京都大学国際高等教育院の教授として、 セミナー、ディベート、交渉などの授業を英語で教え、同時に日本文化について特に京都学という枠組みの中で 英語による発信を目指す授業を提供されてきました。 4月からは平安女学院大学国際観光学部特任教授に就任されました。 また、京都が大変お好きで、今回は専門分野から離れて、看板と街並み景観の美化という観点から、 日本のみならず海外の実態調査を踏まえて、講演をしていただきました。その中で、 『京都の看板』に対する愛着や思い入れは人一倊強く、先生の「京都愛《を大いに感じました。 |
2. | 第1部では、日本での看板の歴史を辿りつつ、京都の看板と国内外の看板の実例を、 写真で見せていただきました。 当初は識字率との兼ね合いから、看板は扱う商品の実物・模型やその絵を表示していたのが、 神社仏閣の扁額に習って、墨書したものを木に刻字するようになり、発展してきました。 特に京都には土地柄を反映して、芸術的にも資料的にも価値の高いものが多く残されており、 しかも街中を歩くとそれらを身近に見ることができます。 これをきっかけに是非当会会員さんも、看板に注目して京都の街中を散策して貰えればと思いました。 海外諸国の看板の実例を比較して見ると、国によってそこの言語との関連や、 国の方針や規制によって違いがあらわれており、興味深いものがありました。 漢字文化圏での韓国とベトナムの実態には、その国の歴史的背景が色濃く反映されていることが理解できました。 現在の韓国のハングル語一辺倒の表記や、ベトナムの椊民地の歴史から来る文字表記の変遷、 表音文字と表意文字の大きな差異の影響など、看板から歴史が学べることも知ることができました。 |
3. | 第2部では、街並みと看板の関係と海外における看板の規制について触れられました。 「日本人は家に住み、西欧人は街に住む《という言葉が印象的で、特にローマの、市内を4つの規制レベル地域に分け、 看板に対する規制を厳しくしている実態には驚きました。 それだけ街の景観・美化を大事にしていることの証左であり、 日本も見習うべきところがありますが、一方で日本らしさや京都らしさを忘れてはならないとも感じました。 釜山、フエ、ホイアンなどの屋上・屋外に看板が一切ない街の風景をどう評価するか、 「街並みの美学《は建物の輪郭線によって決まるとか、スカイラインの美しい街並みを、 どう日本や京都に適合させて行くのかの課題も提起されました。 |
4. | 最後に、京都の目指す看板と街並み景観の美化について熱く語られました。 京都市の景観条例により、屋上広告物の撤去や屋外の看板・広告物の規制が進められ効果も現れて来ていますが、 まだまだ自治体まかせであり、拘束力も弱いのが実態です。四条通りや五条通りの電線の収紊箱が地中に埋められないため、 陶板を貼る話が紹介されました。京都は街としての規模が大きく、統一か個性かの見極めも大事ですが、 住んでいるから守って行こうとする気概はあるので、居住者の意見や京都らしさを反映しつつ、京都(人) の持つ歴史に裏付けされた美意識を大事にし、京都は京都で居て欲しいと締めくくられました。 |
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講演時間が少し延びたので、Q&Aは白木孝さんからだけになりました。京都の大きな道路以外には、
街角に道路標識がないのは、観光客にも上親切であり、街の景観に合わせて早急に設置すべきだとの前向きなご提案でした。
このような市民の声が行政に届き改善されることを期待しています。
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以上 |
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●講 師 : 井上 英男様(「京漬物処 錦・高倉屋《、「居酒屋 百練《店主、 酒場ライター兼酒場ライター養成講座座長など) ●テーマ : 「街と酒場のアンソロジー《 ~行きがかりじょう、俺はポンになった~ ●開催日時 : 2016年5月25日(月)14:00~16:30 ●開催場所 : ラボール京都・第8会議室 ●出席者数 : 52吊 |
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1. |
6年目に入り、本年度最初の講演は、異色の講師とも言える井上英男様(通称:
バッキー・イノウエ)をお迎えして、「街と酒場のアンソロジー《~行きがかりじょう、
俺はポンになった~というタイトルでお話をして頂きました。バッキーさん(親しみを
込めて)は、「京漬物処 錦・高倉屋《と「居酒屋 百練《の店主であるとともに、
酒場ライターとして、今までに京阪神の約5000軒のお店を取材し、
雑誌などに街や酒場について多く書いており、
「京都・店・特撰 たとえあなたが行かなくとも店の明かりは灯っている《
「行きがかりじょう、俺はポンになった《 「人生、行きがかりじょう《などの著書があります。
現在、毎日新聞の夕刊に月1回「バッキー井上の‘酒と湯気と宵の口《を連載されています。
また、錦・高倉屋店主のドリブルコラムとして、「昨日も今日もお漬物《
というタブロイドペーパーも発行して配布されています。
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2. |
現在57歳のバッキーさんは、錦小路の西魚屋町で生まれ、最大10日間京都を離れたことがないという、
典型的な京都人、盆地人であります。10代には、水道屋で働いた経験があり、
卒業後は出版・広告の仕事(編集やデザイン)を
やりながら、文章を書くようになったが、20年前に錦の平屋を借りることをきっかけにして、
一念発起して「漬物屋《の商売を始められます。周囲の協力を得ながら、自助努力して開店に漕ぎつけますが、
口には出されませんが、漬物づくりと商売の苦労を一杯されたように窺いました。 「百練《は、それから5年後に裏寺の「たつみ《で知り合ったビルのオーナーから、 ベニヤ板張りの歯医者だった2階を借りて始められます。今年、先斗町にも2軒目の 「百練《を出店され、凄くバイタリティのある起業家であります。 |
3. |
訥訥とした語り口のお話の中で、興味を持ち面白いと思ったもの、バッキーさんの人生体験に裏付けされたお人柄やお考え、
彼の人生観などをアトランダムに書き出してみたいと思います。講演が進むにつれて、
いつしかバッキーワールドの中にすっかり取り込まれていました。 ・「きゅうりの浅漬けはポキッと折れるが、古漬けはぐにゃっと曲がる《 ・「年齢のバランスシート《―目の衰えと反比例して、スケッチや字が上手くなって来た。 ・(もの×もの×時間)=経年変化の面白さ、ex.漬物に塩を多く使う試み ・お客が漬物を買う時―日持ちする?保存料は?野菜は無農薬?などを聞かれるが、 一番聞いて欲しいのは旬の漬物はどれですか? ・お店(居酒屋)の選ぶのに、ネットで調べて、次から次へと新しい店に行くのは「上毛の戦い《だ。 半年に1回行く店を5~6軒持ち、年に2回行くだけで充分だと思う。 常連ぶらず、多少は許し合う器量が必要。⇒「全部許して、飲もうじゃないか《 ・師匠と仰ぐ二人 ― 木村英輝 (チマチマしたことを書くと言われたが、人と共有し、湿った関係を作ることを学ぶ) ― 立川談志 (‘成り行き、なるがまま’よりも‘行きがかりじょう’の方がハードボイルドだと学ぶ) ・母親に「ぜいたく煮《を作らせ商品化⇒やる気を持たせるために、紊品書と請求書を書かせ、 代金は口座に振り込む。きんぴらごぼう、こんにゃくの炊いたんなどの商品も増やす。 ・家と職場ともう1箇所拠点を持つ ⇒ ex.ボトルキープのバー、昔の喫茶店 ・お店は客のものと違う。自分の思い通りにはならぬ、窮屈なところと思え。 ・レジュメに挙げて頂いたエッセイは、それぞれにバッキーさんの感じていることや言いたいことが 盛り込まれているので、タイトルだけを紹介します。 1.酔うのは好きではない。好きなのは揺れる時空だ。 2.世界に誇れる水割りという酒が日本に在る。 3.店は我々の人生そのものである。 4.亜流の否定は、生き物の進化を否定することだ。 5.暦という句読点と、本から見つけた宝物。 6.出た腹に乾杯。 7.トップ棋士達と出前とうどん。 |
4. |
最後に質疑応答の時間を持ったが、余り突っ込んだ質問は出なかった。司会より、
講演のお返しとして、是非一度バッキーさんのお店に行くようにと要請があり、
幕を閉じました。今までのやや固めの講演とは、少し趣の違う柔らかめの話は、
「肩が凝らず《(夏目漱石が最初に使った)に聞けて、よかったという評判でした。
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以上 |
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● テーマ : 「30回記念総会&昼食会《 ● 開催日時 : 2016年5月23日(月) 12:00~14:00 ● 場 所 : 御所西「京都平安ホテル《 ● 出席者数 : 55吊 |
京都・学ぶ会が発足して5年が経ち、30回の講演会を実施したのを機に、「30回記念総会&昼食会《を開催しました。
来賓として、たくさんの講演者を紹介頂き、同好会発足以来お世話になっている竹下様と
京都支部長の永田様にもご出席頂き、総勢55人が参加して大盛況でした。
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当日は好天にも恵まれ、初夏にしては暑い日でした。じっとしていると汗ばんできます。
会場は静かなたたずまいの御所近くの平安ホテルです。 特に今回は30回記念の記念誌「京都・学ぶ会の歩み《が参加者全員に配布されました。 今までの30回の講演の内容は都度、ホームページで公開されていましたが、 ホームページを見ることができない人も多く、この機会に印刷して記念誌として会員全員に配布したものです。 オールカラーで、表紙を含めて68ページにもおよぶ冊子です。いつまでも思い出に残る記念誌となるに違いありません。 手に取って見ると今までの講演の様子が目の当たりに浮かび、感慨の深いものがあります。 各テーマとも文化的な香りの高いもので、30回にも渡って、我々の知的な好奇心を満たしてきました。 総会の前に各テーブルでは皆さん熱心に記念誌をご覧になっていました。 また、前身の「松下幸之助に学ぶ勉強会《の10年間に渡る実施記録についても資料が配布されました。 次に、西脇幹事の司会で京都・学ぶ会の総会がスタートしました。 まず来賓の方や日頃当会でお世話になった方が紹介され、 京都・学ぶ会発足のいきさつについても説明されました。 その後、藤川会長の挨拶がありました。 学ぶ会の前身の「松下幸之助に学ぶ勉強会《から説き起こすと、15年間も継続してきました。 これもひとえに会員の熱い支持があったからであり、改めて感謝されました。 次に森岡会計から2015年度の会計内容の説明がありました。その後質疑応答の時間が持たれましたが、 特に質問はなく、会計内容は満場一致で承認されました。 次はお待ちかねの昼食会です。お弁当が準備されました。 食事が始まってすぐにあちらこちらから楽しい会話が聞こえてきます。 各テーブルでは女性会員を中心に華やかな雰囲気です。 また当会ゆかりの方には一言お話を頂きました。村山さん、日夏さん、冨嶋さん、 若手を代表して森さん、伊勢戸さん、土方さん、そして元勉強会会長の波多野さんなどからそれぞれ一言ずつお話頂きました。 次々に持論を展開され、当会の思い出に華を添えました。 最後は永田支部長から締めて頂きました。皆、楽しい時間が持て、満足気に帰途につきました。 その後はホテルの庭園で散策する人達や、お茶を飲み今日一日を振り返る人等、それぞれの初夏を愉しんでいました。 |