地域への恩返し
 松愛会 交野支部  松本 信義(マツモト ノブヨシ)さん     郡津
                                              2018年2月10日 掲載

  今回の夢中人は、地域への“恩返し”と言う自らの強い想いから積極的に地域活動に取り組ん
 でおられます松本信義(郡津)さんをご紹介いたします。松本
さんは20103月にHA社を定年
 退職されましたが、在職中のある時、上司から聞かされた一言が今でも心に残り、それが“現在
 の地域への恩返し活動の原点”ですと言われます。その一言は「松下マンは地域貢献できてへ
 ん。そやから、定年退職したら地域に恩返しをせなあかん。それも、ボランティアやで。金もろた
 らあかん」でした。この言葉を胸に、
40年間お住いの郡津区で2011年から町委員、2015年から
 副区長として地域活動を実践されています。

  特に20144月からは「災害時避難行動要支援者支援事
 業」を
事務局長として立ち上げられ、翌年からは委員長とし
 て郡津区の大災害時に、
1人の要支援者も取り残さないた
 めの支援事業を、先頭に立って推進されています。しかし、
 この支援者事業の推進は“ゼロからの出発で試行錯誤の連
 続でした”と語られます。区民2,000世帯 5,000人の理解
 と協力は得られるだろうか?個人情報保護と支援活動のた
 めの情報開示は両立できるだろうか?など大きな課題がた
 くさんあったが、これらを克服出来たのが推進の大きなポイ
 ントだったといわれます。
  又、その推進には松下電器(Panasonic )での業務経験
 が大変役に立ったそうです。


防災マップの前で
  その解決策として作成されたのが、交野市のおりひめ支
 援者事業でも高い評価を受け、事例発表も
されておられ
 る「支援者之証」全7ページです。これは①支援者の身分
 証②担当される要支援者の紹介③支援者としての行動
 マニュアル④緊急連絡網をセットにした内容で構成され、
 支援者の方はこれを首からかけて、安否確認訓練や日
 常支援活動を行っているそうです。

 しかし、この支援者之証は毎年対象者の年齢が増え、支
 援体制も一部変更が発生したりするため、用紙の色を毎
 年変更しながら、大変な時間をかけて新年度分を作成さ
 れているそうです。


支援者の証表紙
 
安否確認訓練

 交野市おりひめ全体交流会資料
   更に、地震災害を最小限に防ぐための郡津区民マ
 ニュアルが必要と考えられ、地震への日ごろからの備
 え~地震発生時の行動~応急手当~避難所暮らしを
 時系列的にまとめられた「郡津区民のための防災マニ
 ュアル(全
37ページ)」を作成し、郡津区民全戸配布
 や、交野市の関連機関や学校などにも配布され、学
 校では教材としても活用されているそうです。そして、
 この防災マニュアルの浸透・活用を図るために、郡津
 区民サマーフェスティバル会場に特設訴求テントを
 設営し、防災の大切さを説明されたり、年4回実施の
 郡津駅前ごきげんさん挨拶運動では、自らデザインさ
 れた訴求ポケットティッシュを配布されたりと、地域へ
 の恩返し活動を大変熱く展開されています。

 
支援者の身分証とマニュアル
 
サマーフェスティバル特設訴求テント
 
ポケットテッシュ
   また、この支援者事業の推進に当たっては、毎月第1土曜日に「支援者連絡会議」を主宰さ
 れ、年間の活動計画
作成~月度の推進確認~課題と対応策立案と実行を、現役時代と同じ
 PDCA手法で取り組まれています。
 
支援者連絡会議資料
 
叡難所運営フローチャート
  今後は、年々増加する避難行動時に手助けが必要な“要支援者”と、高齢化と減少傾向の
 “
支援者”との支援体制を、現在のお互いの顔の見える1対1から、要支援者を地域で見守る
 支援体制に、どのタイミングで移行するかと、既に数年先を見据えて、今日も元気よく“地域
 への恩返し活動”を展開されています。
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