川西を歩こうシリーズNo2 |
川西市加茂地区に住む知り合いの方から、桃の花が見頃でそろそろ花摘みが行われると聞き「桃の花見」に行ってまいり ました。加茂地区の桃は早生(わせ)」で開花時期も早いようです。併せて近隣にある加茂遺跡、鴨神社、川西市文化財資料 館なども見学してまいりました。 JR川西能勢口駅を南下すると加茂地区に入ります。加茂地区の桃は、イチジクとならぶ川西市の特産品の一つで、通常7 月頃に採れる桃よりも一月早く収穫できる早生で、阪神間の市場で大変人気があります。桃の交配は人の手で行われており ましたが、現在は自家授粉する品種に変わっています。 加茂遺跡は旧石器時代から平安時代にかけての遺跡で、平成12年(2000年)に国の史跡指定を受けました。標高約40m の台地にあり、多数の弥生土器や石器が見つかりました。発掘調査の結果、東西800m、南北400m(約20ha)の大規模集 落です。最盛期には500人程度が住んでいたと考えられます。東部は数条の環濠に囲まれた居住区、中央は大型の建物が あり、西部は環濠外居住区と墓地で構成されていますが、現在鴨神社を除きほとんどが住宅地となっております。 鴨神社は「延喜式(えんきしき)」という今から1000年以上昔(施行は康保4年[967年]とされています)に作られた書物の摂津 国川辺郡の項に記載されていることから、創立年代は相当古いと思われます。しかし、古文書など歴史を探る資料は全く残され ていません。京都 上賀茂神社と同じ「別雷命(わけいかづちのみこと)」をお祀りしています。 また、平成4年6月には、社殿の裏手より、古代小国家の首長の館跡と思われるものや、防御施設とする土塁や柵跡が発掘 されました。 川西市文化財資料館は、市内の遺跡から出土した文化財の整理、収蔵を行うとともに展示室なども備えた施設で、加茂遺跡 内に平成5年(1993年)に開館しました。展示室には出土品が時代ごとに分けて展示されています。主な展示品には、弥生時代 の祭りに使用されたと思われる「栄根銅鐸」のレプリカ(実物は東京国立博物館にあります)、古墳時代後期に造られた勝福寺 古墳出土の「画文帯同向式神獣鏡」、栄根遺跡で出土した奈良時代の「墨壺」などがあります。 その後、宮川雄逸氏によって多数の弥生式土器と石器の採集が行われ、昭和11年に開館された「宮川石器館」を通り帰路 につきました。 2018年4月5日 中村位三郎 |