川西を歩こうシリーズNo2
          加茂地区の「桃の花見」に行ってまいりました   2018.4.5 中村位三郎  

 川西市加茂地区に住む知り合いの方から、桃の花が見頃でそろそろ花摘みが行われると聞き「桃の花見」に行ってまいり
ました。加茂地区の桃は早生(わせ)」で開花時期も早いようです。併せて近隣にある加茂遺跡、鴨神社、川西市文化財資料
館なども見学してまいりました。
 
JR川西能勢口駅を南下すると加茂地区に入ります。加茂地区の桃は、イチジクとならぶ川西市の特産品の一つで、通常7
月頃に採れる桃よりも一月早く収穫できる早生で、阪神間の市場で大変人気があります。桃の交配は人の手で行われており
ましたが、現在は自家授粉する品種に変わっています。

 加茂遺跡は旧石器時代から平安時代にかけての遺跡で、平成12年(2000年)に国の史跡指定を受けました。標高約40m
の台地にあり、多数の弥生土器や石器が見つかりました。発掘調査の結果、東西
800m、南北400m(約20ha)の大規模集
落です。最盛期には500人程度が住んでいたと考えられます。東部は数条の環濠に囲まれた居住区、中央は大型の建物が
あり、西部は環濠外居住区と墓地で構成されていますが、現在鴨神社を除きほとんどが住宅地となっております。

 鴨神社は「延喜式(えんきしき)」という今から1000年以上昔(施行は康保4[967]とされています)に作られた書物の摂津
国川辺郡の項に記載されていることから、創立年代は相当古いと思われます。しかし、古文書など歴史を探る資料は全く残され
ていません。京都 上賀茂神社と同じ「別雷命(わけいかづちのみこと)」をお祀りしています。
 また、平成46月には、社殿の裏手より、古代小国家の首長の館跡と思われるものや、防御施設とする土塁や柵跡が発掘
されました。

 川西市文化財資料館は、市内の遺跡から出土した文化財の整理、収蔵を行うとともに展示室なども備えた施設で、加茂遺跡
内に平成
5年(1993年)に開館しました。展示室には出土品が時代ごとに分けて展示されています。主な展示品には、弥生時代
の祭りに使用されたと思われる「栄根銅鐸」のレプリカ(実物は
東京国立博物館にあります)、古墳時代後期に造られた勝福寺
古墳出土の「画文帯同向式神獣鏡」、栄根遺跡で出土した奈良時代の「墨壺」などがあります。

 その後、宮川雄逸氏によって多数の弥生式土器と石器の採集が行われ、昭和11年に開館された「宮川石器館」を通り帰路
につきました。

                                         201845日 中村位三郎

川西能勢口駅前の花時計

川西能勢口駅前の源満仲像

加茂地域の桃の花1

加茂地域の桃の花2

加茂台地のふもとを流れる
最明寺川

加茂遺跡看板
 

加茂遺跡の説明版
 

鴨神社内の加茂遺跡址石碑
 

鴨神社鳥居

鴨神社本殿

川西市文化財資料館

栄根銅鐸のレプリカ

展示室全景1

展示室全景2

出土した石鏃(矢先)など

宮川石器館