容器包装プラスチックのマテリアルリサイクル事業
『㈱リサイクル・アンド・イコール』

(枚方の施設 第10回続き)
 2008/5/29取材

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㈱リサイクル・アンド・イコール
㈱リサイクル・アンド・
イコール

 前回取材の北河内4市リサイクル施設組合(「かざぐるま」)は廃プラリサイクルの第一段階で選別梱包まででしたが、今回取材の「㈱リサイクル・アンド・イコール」は各市が分別収集した「廃容器包装プラスチック」を材料にした物流用のパレットに再商品化する民間の事業者です。
  パレットとは、工場やトラック、コンテナ、倉庫などでの荷役作業を扱いやすくするための台で、運搬の際には台上に荷物を載せ、穴になった部分にフォークリフトやハンドリフトの爪を差し込み持ち上げ運搬して使うものです。
  この事業は循環型社会構築の「大阪エコエリア構想」の参画モデル事業として、大阪府から承認されてスタートしました。
  5月29日(木)㈱リサイクル・アンド・イコールの池埜取締役様と北井広報担当MG様にお話を伺いました。

【事業施設概要】
  ・名称     「株式会社リサイクル・アンド・イコール」
  ・所在地     寝屋川市太秦高塚町12番1号
  ・生産品目   物流用のパレット
  ・生産能力   1日約1,000枚(3シフト24時間稼動、65名体制)
  ・廃プラ活用  1日 約43~45トン
  ・事業開始   2005年4月

【リサイクルパレット生産工程】
① 材料の廃容器包装プラスチック(ベール)を自治体から調達します。
② ベールを解砕機に投入し、解梱された廃プラがコンベアに乗ります。
③ コンベアの先では手選別工程となり異物を取り除きます。
④ 自動選別機に時速30kmで移動し、検出器とエアーノズルで軽量類
(PP/PE)と重量類(PS/EPS及び残さ)に選別されます。
※PS/EPSはPSインゴット機で製品化し販売されます(全体の約1~3%)
※残さは圧縮梱包処理され燃料として利用されます(全体の約3~4割)
⑤ パレットの材料となるPP/PE(全体の約5~6割)が破砕機に移動します。
⑥ 次は洗浄機⇒比重分離機⇒脱水機⇒フラフサイロの工程を自動的に移動して製品化前の減容ペレットミルになります。
⑦ 減容ペレットミルは、ペレット計量装置を経て減容品サイロから最終工程のパレット成型機に送られ製品のパレットになります。
⑧ 成型機から自動的に出てきたパレットは手作業でバリ取りし、外観検査後に5枚単位に梱包されます。
⑨ 完成品置き場に置かれて出荷待ちとなります。
以上のパレット生産工程の概略図は こちら です。
※PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)

【環境保全対策】
  工場内は機械の運転音はするが、粉塵・悪臭は極めて少ない。工場の入り口左右に入荷したベールが積み上げてあり、それが臭う程度である。生産工程では乾燥機とパレット成型機が高温の機械であるが、燃焼機関ではないので外気にダイオキシンやCO2が拡散される事も無く概ねクリーンな工場である。
  2005年、2006年、2007年と外部の調査機関が環境調査をしたが「人の健康を害するような化学物質は排出されてない」との結果でした。

【廃容器包装プラスチックの調達】
  容器包装リサイクル法に基づき、自治体が分別収集した廃プラは「容器包装リサイクル協会」を経てリサイクル商品化事業者に引き渡される。但し、事業者は毎年「容リ協会」に入札をして、落札しなければ調達はできない。
【参考】
  ※マテリアルリサイクルとは
  廃プラスチックを燃やすことなく、プラスチックのまま原料にして新しい製品を作る技術で、材料リサイクルとも呼ばれます。プラスチックのリサイクルには大きく3つのリサイクルがあり、マテリアルリサイクルの他にはケミカルリサイクル、サーマルリサイクルがありますが、焼却も行なう他の2つの技術に比べ、マテリアルリサイクルが最も優先順位が高いものとされています。
(一般社団法人 プラスチック循環利用協会:
  http://www.pwmi.or.jp/
  ※容器包装リサイクル協会とは
  容器包装ごみのリサイクルを推進するために、1996年に作られた団体です。容器包装のメーカーはこの協会にお金を払ってリサイクルを委託し、協会はリサイクル業者の認定を行なった上で、リサイクル業務の再委託を行ないます。また、マテリアルリサイクルは他のリサイクル技術よりも優先されることがガイドラインで決められています。
(公益法人 日本容器包装リサイクル協会:
  http://www.jcpra.or.jp/

【見学取材を終えて】
 我々の生活に絶対的に必要なインフラ施設に関して取材をしてきたが、循環型社会が形成されつつあり、全国の市町村での分別収集実施率は缶・ビン及びPETボトルはほぼ100%。紙製容器包装は一般ゴミとして廃棄され実施率は30%と低い。8品目の単純平均で80%(平成17年:環境省)。
 プラスチック製容器包装は63%で分別収集されても商品化の材料として更にその60%しか使えない。その最大の要因は家庭での分別が適切でない事である。我々としては先ず日常生活においてきっちりと正しい分別を励行することがエコライフに繋がると確信しました。(レポーター・金箱)
  ※㈱リサイクル・アンド・イコール URL
     http://www.dinsgr.co.jp/rae/

⑥洗浄機⇒比重分離機
⑥洗浄機⇒比重分離機
①自治体から搬入のベール
①自治体から搬入のベール
⑥乾燥機
⑥乾燥機
①自治体の判別表示
①自治体の判別表示
⑥PP・PEフラフサイロ
⑥PP・PEフラフサイロ
②ベールの解砕機
ベールの解砕機
⑦PP・PE減容品サイロ
⑦PP・PE減容品サイロ
廃プラを中二階へ運搬
②廃プラを中二階へ運搬
⑧成形品のパレットバリ取り
⑧成形品のパレット
バリ取り
③手選別作業
③手選別作業
⑧パレット成形機と作業工程
⑧パレット成形機と
作業工程
④自動選別コンベアー
④自動選別コンベアー
製品化したパレット
製品化したパレット
④自動選別機
④自動選別機  
工場の概要説明を聞く
工場の概要説明を聞く
④残さの圧縮梱包処理機
④残さの圧縮梱包処理機
会社の概要説明を聞く
会社の概要説明を聞く
⑤PP/PEの破砕機
⑤PP/PEの破砕機
リサイクルパレット生産工程の概略図
リサイクルパレット生産工程の概略図
リサイクルフロー図
リサイクルフロー図

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