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<2019年度例会記録です>

<第45回例会>「桑子卓」を使ったお点前

2019.12.11(水)
 令和元年最後の例会は桑子卓(くわこじょく)を使った炉の薄茶点前と濃茶点前です。茶道具の棚には棚と卓の2種類あり、それぞれ「真・行・草」の格付けがあるようです。
 桑子卓は細い四本柱の棚で、天板と中板の荘(かざ)り方に特徴があり、一番下の棚には高さの低い平建水(ひらけんすい)を置くようになっています。桑子卓は縦長なので、細水指を用います。
 まず、桑子卓の天板中央に薄茶器、中段に細水指を荘っておきます。薄茶点前では茶碗を持ち出した際、荘っておいた薄茶器を棚前に茶器と置きあわせ、その後建水を持ち出して平点前が進行していきます。
 お点前の後、右の写真のように柄杓は卓の勝手付側の2本の柱に斜めに立てて荘ります。水をつぐときは蓋置きを下段の平建水を置く所に下ろし、水指しも中板から下ろして行います。

 お点前の2回目は茶碗も荘りました。濃茶点前も、薄茶点前とほぼ同じですが、濃茶では脱がせた仕覆を卓に荘ってお点前をします。卓は大きさや形の種類がたくさんありますが、まずは基本の平点前をしっかり修得することが肝要というところでしょうか。

 床の間の花入れや敷板にも「真・行・草」があり、素材やしつらえにより使い分けや取り合わせがされるそうです。
 いくつかの美しい敷板を見せていただきましたが、難しくて名前が覚えられません。亭主の心づかいや趣向を汲み取ることにも知識をもっと深める必要がありそうです。

今月のお花とお菓子です。
玄関のお花:赤ドラセナ、アルストロメリア
茶室のお花:オカトラノオ、ホトトギス、ミヤコワスレ
主 菓 子:雪(薯蕷饅頭)、椿
干 菓 子:余情残心(式亭):麩焼き煎餅、有平糖(アルヘイ糖)



<第44回例会>「千歳盆」を使ったお点前

2019.11.13(水)
 今回は千歳盆(ちとせぼん)のお点前です。先月の成田山での献茶式の副席で行われたこの点前を見て、稽古をしてみたいとリクエストして大友さんが応えてくれました。
 千歳盆とは茶櫃(ちゃびつ)のような円形で、蓋や櫃の淵の形は花形で蓋の内側には裏千家の銀杏の紋が入っている漆器です。このお点前は裏千家14代淡々斎の還暦のお祝いに夫人が考案されたものです。

 お茶を習い始めて道具の清め方など一通りの扱いを学ぶと、手軽なお点前として千歳盆点前や盆略点前を習います。棗と茶巾、茶筌、茶杓を仕組んだ茶碗を入れた千歳盆を持ち出してお点前をするので、茶室に限らず場所を選ぶことなくお茶を楽しむことができます。
 千歳盆手前はその蓋を裏返し、そこにお道具を出してお茶を点てます。お湯は釜で沸かすことなく鉄瓶などでもできるので、より簡便にできます。その鉄瓶の扱いも勉強になりました。

 その後、炉を開いて続きお薄のお稽古を行いました。11月からは畳の一角に炉を切った仕様に変わります。
 続きお薄の点前は、茶事では濃茶、後炭(ごずみ)、薄茶と続きますが、お点前の時間を短縮したい場合に後炭を省略して濃茶の後すぐに薄茶を出す点前です。

 来月からは炉の濃茶と薄茶の平点前からお稽古します。座る位置や柄杓の扱いなど風炉との違いがありますので、半年前を思い出しながらになると思います。

今月のお花とお菓子です。
玄関のお花:カセンソウ?(歌仙草)
茶室のお花:ススキ、ノボタン、ミズヒキ、ツワブキ
主 菓 子:和モンブラン(七條甘春堂)
干 菓 子:くり(河籐)、ふのやき(式亭:裏千家お好み菓子)




<第43回例会> 成田山不動尊の献茶式に参加

2019.10.16(水)

茶会式の参列券

大友さんから茶会式の案内メール
 今月の例会は成田山大阪別院の開創85周年記念の献茶式と大茶会への参加でした。献茶式とは神仏にお茶を捧げる儀式で、裏千家の千宗室家元が来られて、ご本尊不動明王のおられる本堂でお茶を点て奉納されました。
 その本堂は200人?ほどの参加者(9割以上が女性で和服姿)で埋まり、かつ全員が正座しますから、最後列で立っている人と前列に近い人を除き、座ってお茶を点てる家元のお顔やお手前はほとんど拝見できません。厳かな雰囲気を味うだけです。
 枚方茶道同好会は8人全員が参加しましたが、幸い前列に近いところにいて家元の所作を直に伺えた会員が、少し詳しくその様子を寄せてくれました。

 式はまず僧侶による短い読経があり、力強い大きな太鼓の音から始まりました。本堂前に用意された棚に白地の仕覆に入った濃茶、薄茶のお棗、お茶碗。棚の下には水差しの他に柄杓、火箸が細長い入れ物に立てて置かれていました。お点前は柄杓からお窯に注ぐ音さえも聞こえず、静かに流れて行くようでした。濃茶では、真っ白の帛紗、薄茶では紫の帛紗でした。
 身近で家元のお点前を拝見できたことは光栄でした。最後に千宗室家元のご挨拶があり、「63歳でスポーツジムに通っているが、不動明王のような身体にはまだまだです」と、冗談も交えてお話して下さり参加者の健康長寿を願ってくれました。

 本堂での献茶式の後は隣の「吉祥閣」に場所を移して大茶会です。「月輪の間」では家元の直弟子による本席、「日輪の間」と「五輪の間」で大阪支部さんからの2席があり、それぞれ美味しいお菓子とお茶をいただきました。各部屋は約50人ほどが一同に入れる大広間で、いくつかのグループに分かれてお茶をいただきました。
 亭主と正客の会話や、季節や祭時に応じたお道具の取り合わせはとても勉強になりました。大きな茶席で粗相して恥をかくまいと予習もして行きましたが、隣の人が行う所作を見ながら日頃の成果を発揮?できました。
 このように3席のお茶をいただき、最後に点心(軽い食事の意味)をいただきお開きとなりました。

 大友さん、今朝は早くからお点前に近い席を確保していただきあり難うございました。あの人数では早い席取りは欠かせませんね。本格的な茶会ではどのような事が行われるのか、どのように振る舞えばいいのか、わからないことだらけで興味津々でした。一方、次から次へと菓子とお茶が運ばれてきて少し緊張もしましたが、よい経験ができ楽しい時間を過ごせたと思います。



<第42回例会>「茶箱」の稽古

2019.9.11(水)
 今年の中秋の名月は9月13日です。古くは月を直接眺めるより、庭の池に映える月や盃の酒に映る月を愛でたとか・・・。床の掛軸は「掬水月在手」(水を掬(きく)すれば月手にあり)。水を掬えば月も掌中に宿る という禅語のようです。
 掛軸の月に因んで?、主菓子は「うさぎ」の上用饅頭でした。

 今月は一年ぶりに茶箱の稽古です。茶箱点前は、四季ごとに、春の「花」・夏の「卯の花」・秋の「月」・冬の「雪」があり、さらに「和敬点前」と「色紙点前」があります。そのうち「卯の花」「雪」「月」の3種類のお点前を習いました。

 茶箱は野外でもお茶を楽しめるようにと考えられたお点前で、部屋の中で行う平点前より道具が多くなります。茶筌や茶巾を筒に入れたり、棗、茶杓、茶碗を仕覆に包んだり・・・。それだけ扱いが複雑で順序もややこしくなります。
 予習をしてきた方は、それを思い出しながらお点前をしました。

 来月は教室を離れて「献茶式に参加しましょう」と、大友さんからお誘いをいただきました。他のお客様もご一緒の茶席ですので、お菓子やお茶のいただき方の作法の再確認もしました。新たな挑戦になりそうで楽しみです。

今月のお花とお菓子です。
玄関のお花:グラジオラス、ドラセナ、キク
茶室のお花:ヤナギバルイラソウ(柳葉ルイラ草)
主 菓 子:うさぎ 上用:福壽堂秀信
干 菓 子:金平糖:緑寿庵清水、くす玉(さぬき和三盆糖):ばいこう堂



<第41回例会>「洗い茶巾」「茶碗荘」「流し点」の稽古

2019.8.21(水)
 残暑が厳しく蒸し蒸しする中、亭主は涼しさを演出し客をもてなします。床の間には『 直下三千丈』の軸が掛けられています。高所から流れ落ちる瀧の音や、ほとばしるしずくが感じられ、部屋の中に清涼感が漂います。

 今日は「洗い茶巾(あらいちゃきん)」、「茶碗荘(ちゃわんかざり)の濃茶」、「流し点(ながしだて)」の3つの稽古でした。
 「洗い茶巾」は朝顔が描かれた透明なガラスの平茶碗に水を張り、茶巾、茶筌、茶杓を仕組んで準備します。お点前で水に浸かった茶巾を絞ったり、茶碗の水を建水に捨てる際の水音の清々しさが ”ごちそう” になります。

 「茶碗荘の濃茶」は、数ヶ月前に「荘(かざり)もの」の稽古をしましたが、みなさんの記憶にあまり残っていないようです。「荘もの」独特の水差しの上に 茶巾、茶筌、茶杓が置かれているのを見て、かって稽古をしたことを思い出したかな・・・

 「流し点」は 亭主が親しい客と和やかに語り合いながら茶を点て、主客もともにくつろいで楽しむお点前です。亭主は釜の前ではなく、客の方に向かって座ってお点前をします。座る位置が変わることで道具の取り置きに戸惑い、”くつろいで楽しむ” までには時間がかかりそうです。

 来月は 昨年7,8,9月に稽古した茶箱です。茶箱は「雪」「花」「和敬」など様々なお点前がありますので、事前にどのお点前を稽古するか・・・一年前を思い出しながら

今月のお花とお菓子です。
玄関のお花:ドラセナ、ワレモコウ、ヒマワリ
茶室のお花:酔フヨウ、ワレモコウ、ナデシコ 2種、リンドウ
主 菓 子:カステラ(福砂屋)、塩味饅頭(播磨わたなべ) 
干 菓 子:ゆかり(坂角総本舗)、おちょぼ(紅白の和三盆)、押しもの


<第40回例会>「貴人点」「貴人清次」の稽古

2019.7.10(水)
 茶道の基本的なお点前ができるようになったのちに習う次のステップの点前作法を「小習事(こならいごと)」といい、裏千家では16種類あります。
 今月は小習事のうち、「貴人点(きにんだて)」の濃茶と薄茶、「貴人清次(きにんきよつぐ)」の濃茶の稽古でした。一人一碗でお茶碗は貴人台という木地の台に、お菓子も高坏(たかつき)という台の上に載せます。貴人点は皇族方などに差し上げるお点前ですから、現在では私どもがこのお点前をすることはありませんが、多くの小習事の基礎になるお点前のようです。

 貴人点は平点前の流れと基本的には変わりませんが、稽古でも高貴な方に差し上げるお点前ということで、今までできていた作法もしどろもどろになってしまいました。
 また、「半東(はんとう)」という給仕役が控えていて、亭主と客との茶碗や道具の取り次ぎを行います。この半東は場をスムーズに進めるための重要な役目であり、半東の稽古は道具の扱いや全体の流れの勉強につながります。
 高貴な方にお伴の方がいる場合に、お伴にもお茶を差し上げる点前が「貴人清次」で、”清” は貴人、”次” はお伴という意味です。お伴には貴人とは別の道具を準備し、茶筅は煤竹(すすたけ)、茶巾は千鳥茶巾(ちどりちゃきん)にたたむなど区別します。

 一般の稽古が終わった後に大友さんが全員に薄茶を点ててくれ、さらに冷茶と梅干もいただきました。暑い夏にすっきり爽やか風のプレゼントでした。来月は「貴人清次」の薄茶の稽古です。今回の内容を忘れないようにしておきましょう。

今月のお花とお菓子です。
玄関のお花:トルコキキョウ(セレブピンク)、スノーホワイト、キノラパン
茶室のお花:ムクゲ、キンミズヒキ、ハナイカダ、ねじり花
主 菓 子:星の光(白)、風鈴草(赤)(鶴屋八幡)
干 菓 子:尾瀬の花(長蔵小屋)、花まめ甘なっとう(ありす館)、お茶事の梅(おうすの里)



<第39回例会> 濃茶と薄茶の平点前の復習

2019.6.19(水)
 今月の例会は講師の大友さんの都合で、定例日の 6/12から急遽6/19に変更されました。これで一人は参加不可、一人は遅れて参加、一人は早退ということになりました。
 稽古も新しい内容には進まず、濃茶と薄茶の平点前を時間をかけての復習となりました。とはいっても、筆者などはまだモタモタのお点前の連続です。個々の作法を割稽古としてはソコソコできますが、連続したお手前ができません。もたつく都度、大友さんは(額の汗を拭いながら)丁寧に指導してくれます。これがもう3年以上も続いています。大友さん、スミマセン!

 稽古の終わりには大友さんご自身が亭主となり、全員に薄茶を振るまってくれました。その手際のよいこと! あっという間に全員大友さんの点てた美味しいお茶が頂けました。今日は難しい内容はありませんでしたが、いつもどおりのお茶にお菓子と楽しい会話の1日になりました。

今月のお花とお菓子です。
玄関のお花:ヒマワリ、エリンジューム、ハイブリッドスターチス、ドラセナ
茶室のお花:ヤハズススキ、ナデシコ、チェッカーベリー
主 菓 子:水無月(仙太郎) 
干 菓 子:押しもの「たねや」、甘エビせんべい(桂新堂)、風雅まき(風雅)


花の名探し:チェッカーベリー
 床の間の茶花のスズランのような花の名前がわかりません。女性陣がネットや図鑑で調べますがはっきりせず、大友さんが庭に咲く花の写真を撮ってくれて「チェッカーベリー」と判明しました。別名でゴールテリアとも呼ぶようですが、庭土に這う茶花も可憐です。


<第38回例会>「茶通箱」の稽古

2019.5.15(水)
 今月の例会は床の間に皐月の節句の武者飾り、お茶席も風炉に変わりました。
 今日のメインの稽古は2種の濃茶をいただく「茶通箱(さつうばこ)」を使うお点前です。客から茶をもらったときに、亭主が用意した茶との2種類の茶を茶入れと棗に入れ、さらにこの茶通箱で運んで濃茶をいただくお点前です。
 茶通箱から茶入れを出し入れするときの箱の持ち方や蓋の扱い、1種類のお茶を出した後にもう1種のお茶を出す所作が特殊になります。お茶をいただいた客は「お茶の味が違う」と、2種類のお茶を楽しまれました。ただ、お点前の時間が少し長くなるので、座っているのがちょっと大変だったかもしれません。

 茶通箱のお点前は、以前に稽古した「唐物」と同じ四ヶ伝(しかでん)と言われる中級クラスのお点前の一種です。唐物が道具主役の点前であるのに対して、茶通箱は人の繋がりに重きをおいたお点前になります。

 「大津袋」や「平点前の薄茶」の稽古もしました。炉と風炉で違う柄杓の扱いや、昨年7月に稽古した「大津袋」は袋から棗を出すときの手先の動きなどを、改めて思い出しながらの割稽古でした。

今月のお花とお菓子です。
玄関のお花:デルフィニウム、ガーベラ、ナルコユリ  
茶室のお花:シロバナシラン、ヒメヒオウギ、ハナイカダ
主 菓 子:深山ツツジ(鶴屋八幡)
干 菓 子:水(鶴屋八幡)、花おもい(押しもの:和三盆糖)、松葉



<第37回例会>「荘もの」3種を稽古

2019.4.10(水)
 茶道ですべてのお点前の基礎となるのが「平点前」です。その手順は、準備~道具の運び出し~道具を清める~茶を点てる~茶碗が戻る~しまう~拝見~さがる、ということになります。
 この基本の平点前のから、道具や状況に応じて少し変化を持たせた『小習(こならい)』というお点前が16種類あります。今月は小習の中の「荘(かざり)もの」3種の稽古をしました。由緒のある道具や記念に頂戴した道具などを使う場合に、その道具を床の間に荘った後にお点前に使います。

 今日の稽古は、お茶入の「茶入荘(ちゃいれかざり)」、茶杓の「茶杓荘(ちゃしゃくかざり)」の2つと、もう一つ「茶筅荘(ちゃせんかざり)」でした。ただ、茶筅荘は茶筅を荘るのではなく、水差しなどの道具を披露するお点前です。
 「荘」は「かざり」と読みます。「かざる」というと普通は「飾る」と書き、装飾するなど華やかさを加えるという意味があります。一方、「荘」という字はおごそかなさまとか、すらりと整ったさまという意味になります。

 「荘もの」の道具は古帛紗(こぶくさ)の上に載せて扱います。お点前の流れ自体は平点前と変わりませんが、道具を運び出して最初に置き合わせる位置が異なるので、全く違うお点前と思ってしまいそうです。

今月のお花とお菓子です。
玄関のお花:デルフィニューム、レースフラワー、マーガレット
茶室のお花:コデマリ、リキュウバイ
主 菓 子:山吹重(鶴屋八幡)
干 菓 子:舟(河籐)、わらび・・州浜



<第36回例会>「員茶」の稽古

2019.3.20(水)
 床の間には立ち雛の色紙の掛軸、炉には釣り釜でという春3月の室礼(しつらい)でした。(室礼:お正月やひな祭り、七夕のような四季折々の行事で飾り付けなどの手順をいう)
 釜は通常、炉の中の五徳の上に置かれますが、気候も暖かくなってくる3月は、釜を火から少しあけても湯が沸くようになるので、天井から鎖や自在で釜をつり下げます。
 釣り釜なのでお点前中もゆらゆらと揺れ、お湯を汲んだりするときに柄杓が釜の口に当たったり、お湯がこぼれたりしないようにと扱いにちょっと緊張します。
 お点前そのものは特に変わらないので、まず年長?の二人から濃茶の平点前の稽古をしました。お茶の稽古を始めて3年も経つのに、まだもたつきっ放しです・・・

 一通りの平点前の稽古が終わった後はちょっと趣向を変えて、七事式(しちじしき)の中の「員茶(かずちゃ)の稽古をしました。七事式とは茶道の精神・技術をみがくために、数人が一組になって楽しみながら修養を積むという稽古法です。
 今回の「員茶」は茶室内の人がすべてお茶を点て、お茶をいただきます。客の数だけ茶を点てるので「数茶」とも書きます。その順番を決めるのに「折据(おりすえ)」に入れた「札」を使います。この札を元に、お茶を点てる人・飲む人など順番を仕切る「札元」、これを補佐する「目附」などの役割を前以て決めておきます。

 この七事式は一種のゲーム感覚のような茶道とも言えますが、基本は全員が平点前をしっかり習得していないとなかなかスムーズに進みません。大友さんは『みなさん、平点前はできるでしょう』ということにして、「員茶」の稽古をしたのですが・・・ 楽しい3月例会になりました。

今月のお花とお菓子です。
・玄関のお花:お花の名前不詳です
・茶室のお花:アセビ(馬酔木)
・主 菓 子:桜きんとん(鶴屋八幡)
・干 菓 子:かがみ石(千本玉寿軒)、大内山えがお(千本玉寿軒)



<第35回例会>「筒茶碗」と「逆勝手」のお点前

2019.2.13(水)
 2月は一年で一番寒い季節。お客様に温かいお茶を差し上げるこの季節ならではの2つのお点前の稽古をしました。
 一つは「筒茶碗」のお点前。筒状で深い形になったお茶碗を使います。お茶を点てても冷めにくく、ほどよく温かいお茶を差し上げることができます。前準備としては、お点前の前に茶碗にお湯を入れて温めておきます。
 お茶碗の口が通常より小さいこともあり、茶巾でのお茶碗の拭き方や茶筅を振るときはちょっと厄介ですし、手が小さいと茶碗が持ちにくくなります。みんな割稽古をして、筒茶碗の扱いを教えていただきました。

 もう一つは、「逆勝手(ぎゃくがって)」のお点前。一般的なお点前は「本勝手」と呼ばれ炉の左側に座るのに対し、炉の右側に座って行うお点前を「逆勝手」と言います。
 帛紗を右側につける、足の運びは本勝手と反対側の足から、など慣れるまではちょとした頭の体操をしながらのお点前になってしまいます。
 昔の家には囲炉裏(いろり)があり、部屋は大きく暖かい団欒の場でした。そこから大きい部屋で、炉の部分も一回り大きい「大炉(だいろ)」というお点前が考案されました。そのときに点てるお点前は「逆勝手」で行います。
 「逆勝手」は大炉だけでなく、炉や風炉でも行いますが、今日は大炉に見立てて行いました。

今月のお花とお菓子です。
・玄関のお花:オンシジューム、スイトピー、トルコキキョウ
・茶室のお花:コデマリ、菜の花
・主 菓 子:花むらし(源吉兆庵)
・干 菓 子:粋甘粛(すいかんしゅく:源吉兆庵)、恋ひ舟(宇治式部興:うじしきぶのさと)、プリンセスオレンジ(エクチュア、チョコレート菓子)



<第34回例会>「唐物」のお点前

2019.1.16(水)
 お茶の歴史をたどると、鎌倉時代に僧が中国から茶葉を持ち帰り、室町時代には茶の文化が生まれ、その道具として中国や東南アジアの陶磁器が使われるようになりました。戦国時代に入ると茶の湯が武将たちの間に広まり、中国で作られた唐物(からもの)と呼ばれた茶道具は大変珍重され、唐物茶入の値は天井知らずの高騰を続け、途方もない値段で取引されたようです。
 そんな唐物茶入を使用する「唐物」というお点前があります。お点前の流れは濃茶平点前とほぼ同じですが、道具の中でも唐物茶入れは特に大切に扱います。道具の置き場所や扱い方が平点前と変わります。今日はまず、会員の上級者が唐物点前を実演して、平点前とどこが違うのかを拝見しました。初級者には違いは分かっても手順は全く覚えられませんが、その雰囲気は感じられました・・・

 さて、今月は新年初のお茶の稽古ですから、濃茶や薄茶の平点前の稽古もしました。多くの女性会員の方は着物姿で参加され、年初らしい雰囲気を茶室に醸し出してくれました。絞り値 F1.4 の高級?カメラも初登場して写真を撮りまくりました。今月のページは正月写真特集とします。

今月のお花とお菓子です。
・玄関のお花: オモト
・茶室のお花: スイセン
・主 菓 子: 花びら餅(鶴屋八幡)
・干 菓 子: 飴(鶴屋八幡)、山田屋のこきび(きび糖まんじゅう)・まろぶ



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