渡船場巡り(甚兵衛渡船場、落合上渡船場)

第246回 くらわん会例会 2016/11/1(火)

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〈行程〉:JR大阪環状線・弁天町駅 ⇒ 磯路中央公園(集合)⇒
港区役所 ⇒ 甚兵衛渡船場 ⇒ 泉尾高校横・泉尾公園 ⇒ 泉尾東小学校 ⇒
千島ガーデンモール ⇒ 落合上渡船場 ⇒ JR大阪環状線・今宮駅(解散)
〈距離〉:6km 〈参加者〉:117名


☆弁天町駅から磯路公園に集合
 夏のような秋もようやく影を潜め、すっかり清々しい秋本番の例会日よりになりました。
 JR大阪環状線 弁天町駅で下車するとまず眼前にそびえる大阪ベイタワー(ORC200)が立ち塞がります。駅前の地上からの視界は、阪神高速、JR環状線、地下鉄の各線と一般道路が交錯し周囲の景色が全く見えません。
 ORC200を見上げながら地下道をくぐり、阪神高速道・西大阪線を潜り抜けると、地上三階を地下鉄が走っています。更に阪神高速大阪港線下を渡り右折し、スーパー”ライフ”を過ぎると三社神社が見えてきます。
 集合場所の磯路公園は、無線班案内なしでは遠くて迷う場所でした。恒例の朝会、多数回表彰、新会員紹介、次回例会案内、準備体操の後に甚兵衛渡船場を目指して出発です。

☆甚兵衛渡船場から泉尾公園に向かう
 公園を出ると昔市電が走っていた、みなと通りと交差します。港区役所前を通過し一帯を眺めつつ直進すると青色の特徴ある半円形の水門が目に入ります。程なく甚兵衛渡船場に到着し、渡し船を待つ間に見える雄大な水門、これが尻無川水門です。
 主水門のアーチ型ゲート(幅57m)と副水門のスイングゲート(幅15m)からできています。総重量650トンを誇ります。主用途は、尻無川下流域、中流域を大阪湾からの高潮をせき止める役割を担っています。主水門の閉鎖には、約30分の所要時間を必要としています。

 昔、尻無川の堤は紅葉の名所であったそうです。「摂津名所図会大成」に『大河の支流にして江之子じまの北より西南に流れて(中略)騒人墨客うちむれて風流をたのしみ酒宴に興じて常にあらざる賑ひなり 河下に甚兵衛の小屋とて茶店あり年久しき茅屋にして世に名高し』とあり、甚兵衛によって設けられた渡しにある茶店は「蛤小屋」と呼ばれて名物の蜆、蛤を賞味する人が絶えなかったという。これが甚兵衛渡船場のいわれのようです。

 渡船は2隻が常時、待機しています。同じ場所には、大型船の水先案内人を担当するタグボートが停泊していることも多い様です。渡船の運行は、15分間隔ですが、本日は大阪市の渡船場運行部署にお願いしてピストン輸送をお願いしました。
 各船とも定員46名で近隣の乗客は、自転車で乗り込みますので3回はピストン輸送が必要にります。大阪市さん有難うございました。
 因みにここの渡船は、1500人/日の活用だそうです。これを平均とすると8ヶ所全体で7500人/日と結構な規模になります。年間では208万人の利用者になります。無事渡船が完了し昼食場所の泉尾公園へ向かいます。
 この泉尾公園の隣に大阪市立泉尾工業高校が有ります。この学校は、松下電器3代目社長の山下俊彦氏の母校です。山下氏は、1977年に取締役から社長に大抜擢され「25人抜き」や「山下跳び」などと当時話題になったことを思いだします。
 泉尾公園は、かなり大きく、グランドや遊歩道も整い、緑豊かな公園でした。そんな泉尾公園で各自思い思いの昼食を楽しみ、午後のウォーキングを再開します。

☆2つ目の落合上渡船場を目指す
 泉尾公園を出発し南東に直進すると大正通り(大阪八尾線)に出ます。年間計画ではここから大正駅に向かうところですが、今日はもう少し足を延ばします。
 大正通りを少し南下しマクドナルド大正店を左折し千島(ちしま)ガーデンモールに沿って進みます。このガーデンモールの広大さには驚かされます。約500mにわたり大型店舗が軒を連ねています。この一帯だけで食事、ショッピングなど一日をここで過ごせそうです。銭湯も目に入ります。
 ここを通り過ぎると程なく「落合上渡船場」の標識が見えてきました。この渡船場も15分間隔の運行ですが、ここでもピストン運行のお願いをしました。落合上渡船場は、木津川の渡船場になります。木津川水門は、先の甚兵衛渡船場と違い、水門が間近になってから迫ってくるため大きく見えるような気がします。無事渡船を終え最終目的地である今宮を目指します。

☆最終目的地に到着
 渡船を終えて東に向かい南海・汐見橋線を渡って直進します。正面にくら寿司北津守店が見えてきます。昔この辺りは、津守村でした。商都大阪の近隣の農村でしたが、今日ではそんな面影は全くありません。
 くら寿司を左折し、なにわ通りに沿って行き阪神高速堺線の高架下をくぐりますと、東方向(右手側)にあべのハルカスの威容がはっきりと見えてきます。流石に大きいと感じます。
 すぐ正面に浪速消防署なにわ出張所があります。この手前を右折すると最後の休憩場所の浪速南公園が目の前に見えてきます。休憩を終え公園を出ると、10分程で今宮駅に到着しました。会長のハイタッチで三々五々帰宅の途につきました。本日はお疲れ様でした。

☆本日の見どころ
1.渡船場
 大阪市内に8ヶ所現存する渡船場の内、尻無川と木津川の2ヶ所を実際に乗船し体験しました。この運営は、古くから大阪市が行い無料で乗船でき、概ね1時間に4便運航されています。
◆8ヶ所の渡船場を列挙しますと
 1.天保山(てんぽうざん)渡船場
 2.甚兵衛(じんべえ)渡船場
 3.千歳(ちとせ)渡船場
 4.落合上(おちあいかみ)渡船場
 5.落合下(おちあいしも)渡船場
 6.千本松(せんぼんまつ)渡船場
 7.船町(ふなまち)渡船場
 8.木津川(きづがわ)渡船場
一度訪れてみて下さい。

2.弁天町界隈

2.1 大阪ベイタワー(ORC200)
 市が弁天町駅前に広がる3ヘクタールの市有地を開発するために公有地信託制度を導入し、弁天町駅前開発土地信託事業として1993年2月に竣工しました。駅とは連絡通路で結ばれており、名前のORCは「大阪リゾートシティ」の頭文字、200は最高部の高さが200mあることから名付けられています。
 上層部分のホテルの客室から見る市内の夜景は一見の価値ありとの評判だそうです。この景色(夜景)を見ながらのディナー目当てに観光客が多く訪れているそうです。敷地面積は3万平方メートル、バブル経済崩壊で収益は計画を大きく下回り、600億円強を支払うよう命じる裁判の判決は有名です。
2.2 弁天町駅の駅名
 開設当時の町名である大阪市港区弁天町に由来しますが、この「弁天」は市岡新田会所に弁才天が祀られていたことに由来します。またJRの高架のさらに上層に地下鉄駅が位置するという国内でもあまり例を見ない建築物が構造的特徴です。
2.3 今日の行程
 今日の港区、浪速区、大正区には近代的な高層ビルが数多く建設されています。また阪神高速道路や地上を走る地下鉄、JR、南海電鉄の 路線が交差するなど地域の発展のすごさを感じることができました。半面大型マンションと戸建て住宅が混在する中に、中小企業の町工場の光景を見ることも少なくありませんでした。我々の住む枚方市にはあまり見られない景色が印象的です。
<取材・写真提供>中溝、永井、松島、吉川、梅原 <HP作成>梅原

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