京阪三条駅 |
乙未のお正月、京都に30センチもの積雪があった元旦から1週間、今日は今年初めての本格的な雨になった。初詣の雨はくらわん会史上でもほとんど記憶に無い。今年が災害もなく豊壌豊作の兆しであってくれれば、この雨も吉と言えるかもしれない。
戦後70年、阪神淡路大震災から20年の歴史的節目の年である。今年は時代をつなぎ、人の心をつなぐ年にしたいものだ。
集合予定の三条河原は、この風と雨では吹きさらしのため、駅構内の比較的人通りのない中2階?に集合場所を変更、それでも75名の仲間が集まり、早速に新年のごあいさつが交わされている。今年初の朝会では新しい世話役、葛城新副会長、進藤弘司世話役、岩爪正夫世話役が紹介された。
雨を避け川端通沿いの一番北の12番出口まで地下道を歩き、川端通りの歩道を鴻東疎水沿いの冷泉通りの遊歩道に右折、降りしきる雨の中を平安神宮に向かう。途中の夷川発電所に建つ疏水建設に尽力した北垣国道元京都府知事の銅像もこの氷雨の中で寂しく佇んでいる。
疎水にそって右折し橋を渡った西参道バス駐車場の前に、優美な京都市美術館別館に並んで、2016年1月オープン予定のロームシアター京都(京都会館)建設現場に無粋とも言える巨大なクレーンが立っている。
この建物は、京都市音楽芸術文化振興財団がよそおいを一新したロームシアター京都として、オペラ、バレエ、ミュージカルなど、本格的な総合舞台芸術に応えられるメインホール、演劇、ダンス、伝統芸能などに適したサウスホール、小規模公演や他ホールのリハーサルにも活用できるノースホールなどを建設している。ただ現状では無骨で巨大な建設用の鉄骨がそびえている。
平安神宮もお正月とはいえこの雨で、参拝の観光客はまばらで、外人観光客がチラホラと見かけられる。いつもの初詣風景とは様変わりの光景だ。応天門の周りや太極殿には先日の積雪が屋根から滑り落ち負傷するのを防ぐため、バリケードを張り中央部分は通れなくしてある。
手水舎で清めて雨に烟る太極殿(拝殿)に、この一年の無事を祈願しお参りする。神社仏閣には珍しく喫煙場所と灰皿を備えてあり、数少なくなり、日頃は喫煙を虐げられている愛煙家にとっては大人気だった。約30分の小休憩参拝後、伏見酒の奉納酒樽前に集合し表参道(神宮道)を進む。
大鳥居に向かって左に京都市美術館を見ながら仁王門通を横切る。三条通を越えて青蓮院門跡に向かうと、まだ道路脇には元旦の積雪が固まって残っている。この辺りにはマンションも多いが、歴史的風土特別保存地区の指定に合わせた凝った外装で、集合住宅とは思えない緻密な工夫が凝らされている。
左手に見えてくる古木に囲まれた青蓮院門跡は、天台宗の五箇室、妙法院門跡、三千院門跡、曼殊院門跡、毘沙門堂門跡とならぶ門跡寺院(門主が皇室或いは摂関家後桜町上皇の仮御所)となった。「青蓮院旧仮御所」として、国の史跡にも指定されている。
すぐとなりには、浄土宗の総本山知恩院がある。徳川家の加護により大伽藍となった。京都における徳川家の拠点とすることで、徳川家の威勢を誇示し、朝廷を牽制することといった、政治的な背景もあったと言われている。法然上人を祀る国宝の本堂(御影堂)が2012年(平成24年)から大修理に入り2019年(平成31年)までかかる予定で、すっぽりと防護壁に包まれている。
京都の観光名所でもある、国宝の三門は東大寺南大門より大きく、現存する日本の寺院の三門(山門)のなかで最大の二階二重門である。昨年原因不明の瓦の破損落下事故があり、大規模な修復作業に入っている。
休憩所を出て宝仏殿裏の石段を上がった小高い場所に立つ大鐘楼は日本有数の大梵鐘で毎年の「行く年来る年」に聞こえてくる除夜の鐘で馴染みが深い。
そこから南に下ってゆくと小さい公園を経てすぐに円山公園の上に出る。さすがに今日はこの雨の中、通る人もまばらだ。円山公園の枝垂れ桜の前で今日の例会は途中解散、それぞれに雨宿りと昼食場所を見つけながら、八坂神社に詣でて祇園四条駅に出ることにした。
雨のため当初予定の高台寺、霊山観音までは目前にして断念したが、雨の中の初詣を苦にもせずに集まっていただいたくらわん会メンバーの皆さんに、今年も幸多かれと願いつつ今日の行程を終えた。
取材:小郷、冨田 HP作成:冨田 |
朝会で新世話役の紹介 |