上賀茂(賀茂別雷神社)の初詣

第212回 くらわん会例会 2014/1/7(火)

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行程〉京都地下鉄・北大路駅(VIVRE集合)⇒ 鴨川右岸遊歩道 ⇒ 御薗橋 ⇒ 上賀茂神社 ⇒ 二葉神社
  ⇒ 大田神社 ⇒ 深泥池(昼食)⇒ 岩倉緑地遊歩道 ⇒ グランドプリンスH ⇒ 国立京都国際会館
  ⇒ 地下鉄・国際会館駅(解散)
距離〉7Km  〈参加者〉143名
新年の挨拶

 厳しい寒さで明けた甲午新春、快晴の空に恵まれ北大路駅隣のVIVRE2階広場に集合した会員は143人。比叡山雄姿が見下ろす広場のあちらこちらで、新年のご挨拶が始まる。

 野口会長あいさつ、コース説明、新世話役の紹介などの後、ストレッチ体操で体をほぐし北大路通をスタート。すぐに左折して烏丸通の北端まで行って賀茂川右岸の遊歩道に出る。向こう岸には京都植物園の森が広がる。

 朝日を背にいっぱい浴びて、さわやかな気持ちで北山大橋に向かう。広い遊歩道では、ジョギングする人、犬の散歩でくつろぐ人、小さなお子さんを遊ばせる母親など寒さを忘れて伸びやかに朝を過ごされている。大橋をくぐっても上賀茂橋までは、まだ広い緑道が続いている。

 上賀茂橋から御薗橋までは、一気に道が狭くなり、上賀茂中学校を超えた辺りにサークルKが見えてきて、お弁当と新春を祝う命の水の買出しに走る会員が十数名、しんがり担当リーダが誘導する。

 御薗橋の狭い歩道を渡ると右角に千代鶴酒屋があり、信号のない6叉路を渡ると一の鳥居前の「みそぎ茶屋」に出て、名物のやき餅のいい香りがする。広い参道を二の鳥居に向かって進むと、手前に神馬舎があり、白馬(青馬)神山号に会えた。

 1月7日は、白馬奏覧神事(はくばそうらんじんじ)の日、年の始めに白馬(青馬)を見ると一年の邪気が祓われるという故事に則った宮中の儀式である白馬節会(あおうまのせちえ)を神事化し、当日は神前に七草粥を供え、神馬を曳いて大豆を与える儀式が行われていた。

 二の鳥居をくぐると、細殿の前に円錐形の2つの砂の山、立砂が祀られている。これは神体である神山を模したもので、鬼門に撒く浄めの砂の起源とされる。祝橋を渡ると玉橋の向こうにきらびやかな楼門がそびえる。

 通称「上賀茂神社」、賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)は、古代氏族の賀茂氏の氏神を祀る神社で、賀茂御祖神社(かもおみやじんじゃ)通称「下鴨神社」と合わせて賀茂社と呼ばれ、賀茂祭(通称 葵祭)は、春日大社の春日祭・石清水八幡宮の石清水祭と共に日本三勅祭の一つとして有名だ。御祭神は賀茂別雷大神で、秀峰神山に御降臨にあり天武天皇の時代(678年)に社殿が造営されたという。

 雷(いかづち)のご神威により厄除け明神・落雷除け・電気産業の守護神として信仰されている。桓武天皇の平安遷都以来、皇城鎮護の神、鬼門の守り神として方除祈願が多い。

 それぞれにお参りを済ませ、御手洗川を渡ると賀茂曲水宴で有名な渉渓園が左手にある。そこから少し行くと丘に登る階段があり、そこに二葉姫稲荷神社の石碑が立っている。

 上賀茂神社の第一摂社である片岡社の守護として神宮寺が設けられたが、明治の神仏分離・廃仏毀釈の中で神宮寺は本堂をここから少し離れた北白川にある浄土宗霊芝山乗願院に譲り、この地には二葉姫稲荷神社だけが残された。

 登ってゆくと境内から見下ろす上賀茂の街並みが美しい。もちろんご祭神は倉稲魂命(うかのみたまのみこと)尻尾に火焔宝珠を載せたお狐さまが片手を挙げておられる。

 そのまま丘から降りて、上賀茂の瀟洒な邸宅と細い路地道を抜けてゆくと、上賀茂の場外第三摂社大田神社がある。参道横の大田の沢の「かきつばた」が有名で、4月10日には大田神社春祭として境内に終日氏子の方の生け花が奉納され、終日御祈祷が行われます。また無形民俗文化財の「里神楽(ちゃんぽん神楽)」が奉納される。

 山裾をしばらくゆく「愛染倉」というレストラン等があり、やがて鞍馬街道を横切ると深泥池に到着する。深泥池(みぞろがいけ)は,京都盆地の北にある周囲1.5km、面積9haの小さな池で、この池には,西日本の平坦地では珍しい浮島があります。また、氷河期以来の動植物が今も生き続けるとともに多くの水生植物,昆虫,魚類,野鳥等がいて、昭和2年に国の天然記念物に指定されている。

 深泥池には浮島があり、池の中央の1/3の面積を占めている。浮島は有機物の分解が遅く、植物の遺体が分解されずに堆積し、その上にミズゴケや種々の植物が生育し、季節により上下に変動、夏には浮かび上り、冬は沈んで冠水する。この池の横にある小さな公園で昼食休憩、新年ともあってお神酒を交わす数グループ見受けられた。

 昼食後この公園から地下鉄の北山駅への短縮コースを設けて一次解散とした。残りのメンバーは歩道の殆ど無い危険な鞍馬街道を一列縦隊で進み、峠を超えて拡がった道を横切り岩倉緑道に出ると、晴れ渡った比叡山に向かって歩む心地良い行程がしばらく続く。川向うの右手の森は京都グランドプリンスホテルの庭園である。

 高野川の支流、長代川を渡りホテルの入り口に入る。門前の宝ヶ池通の横断歩道の向こうに国立京都国際会館の雄姿が比叡山をバックに立っている。敷地面積156,000㎡の建築物は、日本人建築家・大谷幸夫の設計、1966年に竣工したこの会館は、初代理事長は故松下幸之助氏。

 日本の主要国際会議場として、京都議定書を採択した「地球温暖化防止京都会議」や国連軍縮会議、国際電気通信連合全権委員会議、国際捕鯨委員会科学委員会及び総会、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)締約国会議、ユネスコ世界遺産委員会、アジア欧州会合 (ASEM) など、重要な国際会議が行われている。

 隣接する宝ヶ池公園に面した庭園を一周し、イベントホール横から地下鉄国際会館駅に向かってで解散した。

<取材:冨田、永井、吉川 HP作成:冨田>

朝会で会長あいさつ
ストレッチ体操 北大路駅を出発を出発
賀茂川右岸の遊歩道 朝日を浴びて北山大橋に向かう
椋の木は見守ってきた 賀茂別雷神社一の鳥居
二の鳥居に向かう 白馬(青馬)神山号
御細殿の前立砂 賀茂別雷神社楼門
賀茂別雷神社楼門 賀茂別雷神社拝殿
草粥のふるまい お参りを済ませ、御手洗川を渡る
二葉姫稲荷神社に登る階段 二葉姫稲荷神社
上賀茂の街並み 土壁の狭い路地
第三摂社大田神社 創造の大田の沢の「かきつばた」
深泥池 昼食風景宴会1
昼食風景宴会2 鞍馬街道を一列縦隊
岩倉緑道 京都グランドプリンスホテル
国立京都国際会館 国際会館庭園
国際会館駅から比叡山 地下鉄国際会館駅
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