下鴨神社から上賀茂神社へ京都初詣

第188回 くらわん会例会 2012/1/10(火)


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〈行程〉京阪 出町柳駅⇒葵公園(集合)⇒糺の森⇒下鴨神社⇒出雲路橋・賀茂川左岸⇒植物園(昼食)⇒
     北山大橋・賀茂川左岸⇒御薗橋⇒上賀茂神社(解散)⇒ 京都地下鉄(北山駅)
〈歩行距離〉7Km  〈参加者〉140名
野口新会長あいさつ

 一昨年(伏見稲荷大社)、昨年(平安神宮・八坂神社・清水寺)に続き、今年も京都が『くらわん会』歩き初めの舞台。しかも今回のコースには世界遺産(古都京都の文化財として17箇所が登録)が2箇所含まれている。世界遺産が極く身近にあり、しかも普段着で本拠地枚方から1時間弱で行けるとはなんと幸せなことであろうか。

  “今年の健康と安全 そして幸せ”を祈願し 沢山のご利益を頂こうと、リックを背負い寒さ対策万全で京阪出町柳駅で降り、高野川に架かる河合橋を渡ってすぐの葵公園(鴨川公園葵地区)に集まった元気印は140名。

 たった1ヵ月ぶりの再会とはいえ、新しい年を迎えたことで、仲間を見つけてはそこかしこで新年の挨拶が交わされている。朝礼が始まった。新入会員の紹介はなんと7人『1年の計は元旦(春)にあり』か。続いて多数回表彰。更に石田前会長退任の挨拶、野口新会長の就任挨拶、本当にご苦労さまでした。今回は試みとして、参加者が多いため2グループに分かれての時差出発となった。

 今年の一歩は下鴨神社(正式名:賀茂御租神社【かもみおやじんじゃ】)への参道。公園横の大鳥居をくぐったると広大な森が広がる。ここ糺の森【ただすのもり】は、賀茂川と高野川の合流地点の三角州に発達した原生林で、樹齢200年~600年の木が約600本もあり、街なかにありながら太古の原生林の姿をそのまま残し、“神聖な場所”として崇められている。全域が国の史跡として指定を受け、平成6年(1994年)には下鴨神社全域が世界遺産に登録された。

  鬱蒼と茂る神秘的な樹木と古代の森の静けさの中に続く参道、心が洗われる雰囲気で、古代の祭祀跡が発掘されている。ここでは葵祭(5/15)の祭事に先立ち、5月3日には流鏑馬【やぶさめ】の神事(狩装束姿の射手が3つの的を鏑矢で射抜く)が執り行われる。森には御手洗川、泉川、奈良の小川、瀬見の小川と四つの小川があり、湧きだす清水と高野川から引き込まれた水が豊かな緑の森を育てている。

 糺の森の参道を奥へと進むと、鮮やかな朱色の鳥居があり、世界遺産として名高く、葵祭でも知られている下鴨神社が見えてきた。京都三大祭のひとつ葵祭は、平安朝の優雅な古典行列が平安貴族そのままの姿で列をつくり、京都御所を出発、下鴨神社を経て、上賀茂神社へ向かい御祭文や御幣物、舞などを奉納、平安時代から、国家的な行事として行われてきた。

  山城の国一宮、京都の守護神として古代に創建された下鴨神社は、正一位で伊勢神宮に次ぐ地位を与えられた格式の高い神社、庶民からは、厄除、縁結、安産、子育、交通安全など人々の暮らしを守る神さまとして崇められている。
  鮮やかな朱色の楼門、舞殿、中門の内側には、言社【ことしゃ】(干支を祀る七つの小さい社)、幣殿の奥に国宝の東本殿(玉依媛命【たまよりひめのみこと】を祀る)、西本殿(賀茂建角身命【かもたけつぬみのみこと】を祀る)があるが全体像は見えない。
  また、楼門前の左側に「縁結びの御神木」があり、相生社【あいおいのやしろ】縁結びの神さまが祀られている。境内右奥の御手洗社【みたらししゃ】は井戸の上に建てられ、葵祭の時には斎王が御手洗川で禊を行うことや、土用丑の日には、この川に足を入れ厄除け、病除けを祈るという「足つけ行事」が行われる。
  ここでお参りの時間を確保するため、1回目の休憩をとった。それぞれに身を清めて、干支の社や、弊社などに参拝していた。その後神社の新年ならではの展示物を見入っている。

  お参りを済ませて、西出入口から下鴨本通を横切り、東鞍馬口通を更に西へ進み、出雲路橋東詰めで賀茂川の堤防から河川敷に設けられた遊歩道に下りた。ここから北に約0.7Km歩くことになるが思ったほど寒くなく風も感じない。ウオーキングや犬の散歩を楽しんでいる人が案外多い。冬の渇水期を狙ってか賀茂川には浚渫用の機械や工事車が活躍中だ。

 北大路橋を潜り抜けた地点から堤防に上った途端、大きなモニュメントが現れた。地球温暖化防止京都会議の記念モニュメントだ。そこから200M程進んで京都府立植物園に到着。今日はここが昼食場所。入園料はといえば60歳以上は無料。京都府の粋な計らいである。他府県人の我々に対してでも同じで、しかもこの植物園の中にある『観覧温室』の観覧料も無料。我々と同世代のグループや外人の姿も見かける。入口近くで100個ほどのハンギングバスケットが出迎えてくれた。
 今年最初の昼食であり、輪になって新年の?酒盛りをしているグループもある。昼食時間をたっぷりとったので、その時間を利用して『観覧温室』を見学するメンバーもいる。

  植物園北山口から北山通りを西に進み、『北山大橋』から再び河川敷の遊歩道に入った。前方正面西賀茂船山山麓に五大送り火で有名な「舟形」が更に大きく見えるようになった。暖かいせいかこの辺りにも散歩を楽しむ人が多く、ランニングをしている学生の姿もある。川面には沢山のカモメや鴨、アオサギなどが羽を休めていた。 御薗西橋手前から再び堤に出るが、道路が狭く専用歩道もないのでリーダの指示で隊列を1列に整えた。信号のない五叉路を渡るとみそぎ茶屋のある一の鳥居前に出る。

 上賀茂神社(正式名:賀茂別雷神社【かもわけいかづちのおおかみ】)だ。鳥居を潜り参道へ、左右は広々とした芝生の広場で、一の鳥居から二の鳥居までは、競馬などの五穀豊穣の神事が行われる開放的な芝生となっている。二の鳥居を入ると一番最初に目に入るのが円錐形に整えられた立砂【たてずな】だ。立砂は細殿前に作られ、神様が最初に降臨された上賀茂神社の北2kmにある神山を模して作られたと言われ、鬼門や裏鬼門に砂や塩をまき清めるのはこの「立砂」が起源とされている。

 上賀茂神社は厄除け 雷のご神威により あらゆる災難を除く厄除けの守護神として信仰されている。楼門を入るとすぐに高倉殿があり一般の参拝者はここから国宝の本殿や権殿を参拝する。楼門から右手に行くと片山御子神社(片岡社)があり、「縁結びの神様」として古来から有名で、紫式部が何度もお参りしたことでも知られている。紫式部は、片岡社にちなんでこんな和歌を詠んでいる。
 ほととぎす 声まつほどは 片岡の もりのしづくに 立ちやぬれまし
  (新古今和歌集):ホトトギス(将来の結婚相手の声)を待ちわびる間、片岡社の木の下に立ち、 朝露に濡れていましょう。

 右手の山沿いに行くと渉渓園という庭園があり、木々の間に小川が流れている。昭和35年、皇族浩宮親王ご誕生を祝い、かつて上賀茂神社で行われていた曲水宴を復活するため平安時代の庭園を模して造られたもので、和歌を流すせせらぎが通っている。上賀茂神社でも、くらわん会のメンバーも再び真剣な面持ちで参拝していた。
 今日は上賀茂神社が解散場所。植物園北山口前にあった地下鉄北山駅や、更に足を延ばして出町柳までそれぞれに帰路につきました。

<取材 勝川、吉川、冨田>
新入会紹介
葵公園を出発
賀茂御租神社の参道へ
糺の森参道へ
世界遺産に登録
糺の森
ご神水で禊
下鴨神社正面鳥居
下鴨神社楼門
御手洗社
下鴨神社中門
下鴨神社舞殿
縁結びの御神木
西出入口カら加茂川へ
東鞍馬口通を行く
加茂川左岸遊歩道
地球温暖化防止京都会議の記念モニュメント
府立京都植物園正門花壇
観覧温室入り口
観覧温室を見学
加茂川にはカモメが乱舞
再び加茂川左岸へ
上賀茂神社一の鳥居
上賀茂神社境内
細殿前に作られた立砂
上賀茂神社楼門
上賀茂神社高倉殿
渉渓園
叡山に向かって帰路へ
くらわん会世話役
祈 願
祈願1
祈願2
祈願3
祈願4
祈願5
祈願6
祈願7
祈願8
祈願9
祈願10
祈願11
祈願12
祈願13
祈願14
鑑賞1
鑑賞2

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