〈行程〉:京阪私市駅⇒星のさといわふね⇒ピトンの小屋⇒星のブランコ
⇒ やまびこ広場(昼食)⇒星田妙見宮⇒京阪私市駅(解散)
〈行程距離〉 約8km 〈参加者〉 129人
神無月に入り「寒露」というのに菊の花は咲き遅れ、夏日がつづいている。それでも朝夕はようやく過ごしやすくなり、爽やかな風に誘われ129人の参加者が、私市駅前の公園に集まった。今日は府民の森「ほしだ園地」から星降る里の守り神「星田妙見」に向かうコースを歩く。ここは古代の降星伝説や天孫降臨の地伝説の場所でもある。
ハイキングのメッカ「私市駅」から国道168号沿いに進み、国道を横切り八幡橋を渡ると「星のさといわふね」に出る。この施設は「交野市立いわふね自然の森・スポーツ・文化センター」という正式名でプラネタリウムや野外活動施設もある素晴らしいところだが今日は休館日だ。
施設沿いに天の川左岸を進む、この路は「おおさか環状自然歩道」として整備されている。そろそろ老朽化し木柵が腐りかけた道をゆくと、以前はかろうじて廻っていた風情のある小さな水車が道路脇にあり、完全に停止し「危険近寄るな!」の標識が付いていた。やがて168号の南谷橋横に整備されたほしだ園地駐車場があり、ここからは頑丈な森林鉄道風の高さ10mの歩道橋が約200mつづいている。
まもなく右手にクライミングウォール、左にピトンの小屋が見えてくる。なみはや国体(1997年)の登はん会場となったこのオーバーハング固定壁は、高さ16.5m、正面壁、左右両側面壁の3面がある登攀の本格施設だ。左端に初心者でも体験できるクライミングゾーンがあるが利用には、ピトンの小屋で開かれる講習会の受講が必要だ。ピトンの小屋は、ほしだ園地案内所で自然やハイキングルートについて展示・紹介しているが、園地の管理棟でもある。ここでゆっくりと給水休憩を取った。
目の前にそびえるクライミングウォールがある山は、哮峯(たけるがみね)と呼ばれ昔饒速日尊(にぎはやひのみこと--物部氏の祖神)が天降ったところという伝説がある。磐船神社には、天の磐船と呼ばれる20mにも達する巨大な石を御神体として信仰を集めており--『先代旧事本紀』に「饒速日尊、天神御祖の詔をうけて、天磐船に乗り、河内国河上哮峯に天降り坐す--との記述がある。
小屋から管理道をしばらく行くと、右手に「ぼうけんの路」があり健脚組はここから「星のブランコ」へ直登、本隊は管理道からやや長い登リを行く。ほしだ園地名物の吊り橋「星のブランコ」は、木床板人道吊り橋としては国内最大級で、延長280m、最高地上高50mもあり、渡り始めると横揺れが加わって空中散歩はスリル満点になる。
高所恐怖症の方は、管理道から「おねすじの路」に上る道路をゆく。おねすじの路を少し上ってゆくと、ほしだ園地最頂部にある「やまびこ広場」約1000㎡の芝生広場に到着、ここが本日の昼食場所だ。 広場の東屋でくつろぐと、気温が上がり汗ばんだ肌に涼しい風があたって気持ちが良い。木陰やウッドデッキなどそれぞれに場所を選んで昼食休憩を取った。
星田妙見へは、尾根筋を超えて、滑りやすい急坂を気を付けながら一気に下る。滝の行場を右下に見ながら下ってゆくと、林道に出て真っ赤な自販機が座った日天寺がある。ここからは緩やかな林道で谷川を渡ると右手に、妙見東の高級住宅街が見え、もうバスが走るアスファルト道だ。
健脚組は住宅街を抜けたところの小高い妙見山の階段を登る。急な階段をしばらく行くと織女石(たなばたせき)を祀った星田妙見宮の裏手に出る。平安時代に、弘法大師が交野の獅子の窟に入り、仏眼仏母尊の秘法を唱えると、天上より七曜の星(北斗七星)が降り、三ヶ所に分れて地上に落ちその一つが、「三光清岩正岩の妙見」として、祀られるようになったと言われる。
お参りを済ませて正面急階段の参道を降りてゆくと、右手に松下星田団地が展望できる。さらに急階段を下り切った境内の奥の薄暗い中に、登龍の滝があり、この滝壺が七曜星降臨縁起の隕石落下地点といわれている。境内で妙見川沿いの路へとスルーしたグループと合流する。
妙見坂小学校からほしだ幼稚園、松下団地の裏側を抜けて私市橋を渡り、たわわに実った稲穂に囲まれた天の川右岸を私市駅に向かう。日の出橋(大阪市立大学理学部附属植物園前)には、3年前に「私市水辺プラザ」として整備されたエリアがあり、交野市「天の川七夕まつり」の会場になるところだ。東へ168号線を横断し私市駅前に到着、本日の行程はここで解散となった。