集合場所のJR星田駅は近いようで色々と乗換えがあり面倒なところである。まだ梅雨のさなかで今日も曇り空、むしむしとした日である。くらわん会では10年も前にも今日のコースを歩いているが、大多数の人たちは初めてのコースで、緑あり山の中に潜む神秘な古墳ありで中々のところである。
JRの線路に沿った田圃の畦道を歩く。もう稲も青々と育っており、前方に見える公園の緑と大きな病院の建物を目指す。まもなく広大な寝屋川公園の中に入ってくる。緑の中には野球場、陸上競技場、芝生公園、花壇などの施設が点在し、全部歩くと歩ききれないくらいである。公園に入るとすぐに休憩、もうここまでで汗ビッショリになっており、それでも涼やかな風が吹き抜ける中で思い思いに座り込む。時間はたっぷりとあるので、リーダーはできるだけ曲がりくねった道を行き、広々とした芝生広場の周回道を歩いていく。なんだかポツリとしたと思うとたちまち降ってくる。
ちょうどうまい具合に休憩所があり暫くは雨宿り。丘の上に寝屋古墳がある。緑の墳丘の下にぽっかりと穴があり、覗き込んでも何も見えずにただ闇がある。管理事務所のあるところに11時半にやってくる。1時間の食事休憩。雨はもう止んでおり、皆思い思いに散らばっていく。なんだか日も照ってきた。こういう時のビールは格別、弁当を食べサッカーがどうの参院選がどうだとかワイワイガヤガヤ。
東寝屋川駅の近くからは昔ながらの民家の細い路地を登りかげんに行く。寺の入り口に雷神石という大きな石が柵に守られておいてあり、一体どういった謂われの岩なのか。民家も途絶えて緑の茂みが見えてきた。どんつきに高良神社の鳥居と社殿がある。山の中に入って空気がひんやりとしており、静かなことこの上も無いところであるが、今日ばかりはくらわん会の面々で勢いづいている。100mも山の中に入ると、そこには世にも奇妙な石の塊があり、石の宝殿古墳という。大石を見事な技で上と左右を刳り貫いて、玄室を造っている珍しい古墳である。7世紀ごろのものといわれる。このあたりで栄えた土地の豪族のものなのか。高良神社の参道にある石碑は田伏という名がずらりと並んでおり、ここまで登ってくる時にも田伏という名の大きな家が一杯あった。ひょっとしたら田伏さんちの古墳なのか。
神社の前の小高い丘は展望台になっており、眼下に東寝屋川や大阪の町並みが見える。JR東寝屋川まで帰ってきて解散する。
<取材担当>:石田富雄、小郷伸一
(安井さんの写真を一部使わせてもらいました)
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