過去8回とくらわん会の例会紀行では、最大人気の穂谷川緑道をいく山田池ツアーを今年も開催した。しかし過去の例会は、山田池の花菖蒲がお目当てで6月が半数を占める。秋のもみじと梅の花の季節もあるが、5月例会で緑を楽しむのは始めてである。
寒くて桜の満開が長続きした春を受けて、ゴールデンウイークに入り夏日が続いている。いきなり冬から初夏への転換でいささか体のほうがついて行きかねているが、今日はみどりの日の休日、絶好の天候に恵まれた。幸い途中から緑の風が吹き込んで、さわやかな一日を歩くことになった。
牧野駅の穂谷川沿いにある小さな公園の、緑したたる桜の木陰に集まった会員は、8人の新入会員もあり146人と大盛況である。
朝会の後、本日のリーダー高橋さんを先頭に、穂谷川左岸を阪今池公園に向かう。近くのおばさんから「どこまで行くの?」と声をかけられた。「山田池から藤阪まで」と答えると「へぇ~、暑いのに、ご苦労様ですね。」あきれられた。
公園で初めてのトイレ休憩、広葉樹の新緑が紫外線で輝きまぶしい。大きな藤棚は一面の藤すだれで、散り始めた花びらを小さい女の子とお母さんが、おもちゃのバケツに一杯集めていた。「ハンカチを染めたら、きれいな色になるよ。」と声をかけると「ふ~ん」と返事が帰ってきた。
片鉾橋の手前から関西電力の鉄塔の下に、「こぐま緑道」が始まるが、この道は、淀川河川敷のウサギ緑道から津田の枚方変電所のリス緑道まで高圧送電線の下を利用した8つの緑道を結ぶひとつのようだ。
黄金野の町から二千年橋を渡り、スーパーサンコーの手前から穂谷川緑道に入る。歩きなれた道だが、今日は河川敷に栽培されている花々が彩りを添えてくれる。途中の河川敷広場で給水休憩を取りながら進む。このあたりからは、旧関西外大を改装した中央図書館や教育委員会や防災センターがある「きらら」が対岸に見える。
主力の新工場が上流に誕生し、ゆとりの出来た穂谷川清掃工場前の穂谷川橋を渡り国道一号線の下をくぐって東高野街道に入る。この道は、洞ヶ峠から河内平野を横切る枚方に残る数少ない旧道のひとつだ。すぐに市駅から家具団地を経由長尾抜ける道に出て、右に曲がり少し坂を上っていくと、山田池公園北入口に到着する。
森の木々に覆われた外周道を春日橋を渡って西口に向う。釣り客でにぎわう観月堤の手前の東屋の休憩所で休む、ここから見た山田池は、深い緑に覆われた神秘的な様相を見せる。西入口に建設中の「かわせみ橋」の手前を左に折れて周回道をいくと西花壇、クイーンズランド庭園と花々が咲き誇る道があり、鑑賞しながらゆったりと歩む。やがて竹林横の展望広場に到着、山田池を見下ろしながらの昼食休憩に入った。
いつもながら、くらわん会の昼食風景は様々、仲間で豪華昼食を持ち寄って開催する宴会を例会の恒例行事にして楽しむグループ、愛妻弁当を会話を交わしながら味わうグループ、弁当を作る手間を省いて、ご夫婦でコンビニ弁当を仲良く食べる姿など、くつろぐ姿はそれぞれだ。
近くには家族連れも多い。お父さんとボール遊びに戯れる子ども、おばあちゃんとシャボン玉を飛ばす幼児、シャボン玉は緑の風に乗って、ふわふわと流れけっこう遠くまで飛んで、童話の世界を演出していた。
山田池横の水辺広場の隣にある、いつもの定番の花菖蒲園は今年の寒さのせいかまだやっと緑が生え揃った所で、蕾すら見当たらず5月末から始まるという菖蒲祭りが危ぶまれた。
昼食後は、山田池に向かって下り、浮見堂を左に見ながら花木園に広がる濃いオレンジの皐月を見て弥生橋を渡り、緑のもみじ谷に向かう。上り詰めたところで東入口を左手に見ながら、南公園に入る。
やっと整備が8割がた完了した南公園、「池せせらぎ」にそって、木製の観察デッキを渉る。この道は初めての道だ。右手に出来上がった巨大な石舞台を見ながら、バーベキュー広場の下をラベンダーの花畑に沿って進みパークセンターに到着、この建物には山田池公園を材題にした写真や絵の作品が展示されていた。すぐ裏にはコテージガーデンというこじんまりした公園がある。途中には北公園西入口とバリアフリーに結ぶ巨大な橋が建設中だった。
南公園は、緑に惹かれて駆けつけた家族連れで大賑わい。バーベキュー広場には無数のテントで焼かれたバーベキューの匂いが公園全体に漂い、焼肉ハウスに来たような香りだった。いつもの芝生の丘に登頂したが、今日ばかりは若さあふれる枚方市と感じて、国の少子化、人口減少も大丈夫かなと頼もしく感じた。くらわん会老兵集団はそれでも元気に、南入口で解散、大半がJR藤阪駅に向かった。
<取材担当>中野外志彦・冨田朝己
<写真協力>橋口善和・安井重仁・吉川 亨