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京阪電車からいつも見ているお馴染みの淀城址、てっきりあの淀君の淀城とばかり考えていたが、あにはからんやこれは春日の局ゆかりの稲葉氏10万石の城で、江戸時代末まで栄えていたということをボランテアのおじさんが訥々と話してくれた。本当の淀城はここから500mほどのところにあったが、徳川氏に跡形もなく壊されている。この淀城公園に集まった。
やっと桂川のサイクリングロードに出た。天気もよくなってきて、とうとうと流れる桂川と広い河川敷には京野菜の畑が広がっており、彼方には本来見えるはずの愛宕山と比叡山はあいにくと雲を被っているが、伸びやかな風景が我々を楽しませる。これから約10キロの長丁場を伏見稲荷駅まで歩くことになる。
どこかの高校生が耐寒マラソンをやっており、後から勢いよく追い抜いていく。中には太ったお姉さん、お兄さんがよたよたもたもたとまだ反対側に走っている。お陰でいつもなら道一杯になってゆらゆらと歩く我がくらわん会軍団も、今日は何となく整然とおとなしやかである。何でも川を下ってまた戻ってくる19キロを走るそうである。
このコースはトイレが全くなく、下見の時に目に付いたお寺のものを借りようと、先行したリーダーの勝川さんが本堂に上がりこみ阿弥陀様を拝みお布施をお供えしていると、上品な奥さんが現れどうぞお使いくださいということに。お陰で我慢していた人たちの長蛇の列ができる。一念寺という。桂川から分かれた鴨川の土手を歩くようになる。川の中に大きな石がゴロンゴロンと転がっており、これは鳥羽の大石というそうで、二条城の修復の際に運んでいた石垣が舟の転覆で沈んでしまったものらしい。
やがて鳥羽離宮跡公園にくる。丁度12時になっておりここで弁当を食べる。皆思い思いに散らばり、一人だけでもくもくと食べる人、数人でおしゃべりをしながらの人、10人以上も輪になってお酒を酌み交わすグループ、やはりくらわん会ではこの時間が一番楽しいひと時でもある。
再び鴨川の河川敷を歩く。ここは京、大阪の交通の要衝で、何本もの橋がかかっており、いつも近鉄で京都に入るときは何気なく見ている風景が、こうして鴨川の流れから見るとまた違った京の雰囲気があり興味深い。勧進橋で鴨川に別れを告げ、車の多い街中を歩く。あの有名なラグビーの伏見工業高校もあり、真直ぐ進むと伏見稲荷駅に着いた。
<取材担当 : 石田、小郷>
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