山背(やましろ)古道散策(JR玉水駅~JR棚倉駅)

第161回くらわん会 2009/10/6
HR
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集合場所の玉川堤
参加者到着
いざ出発
黄金色の絨毯
小野小町塚
ランチタイム
午後の部開始
高倉神社
一本道
蟹満寺
不動川
JR棚倉駅(解散)

<行程> JR玉水駅 ⇒ 玉川堤 ⇒ 小野小町塚 ⇒ まちづくりセンター『椿坂』(昼食)⇒ 似仁王御墓・高倉神社 ⇒ 綺原神社・蟹満寺 ⇒ JR棚倉駅(解散)
<距離> 8Km  <参加者> 58名

 京都・奈良に都があった古の時代から人が往来したと言われている山背古道(命名は1995年)は枚方市から直線距離にして僅か15km程の目と鼻の先。交通の便が良くなったとはいえ今回の集合地点「JR玉水駅」まで1~2回乗換え約1時間もかかる。

 前夜は雨。秋雨前線か今日もしとしと雨模様。その影響かそれとも交通の不便さか、おまけにJR学園都市線の遅れも手伝い健脚の集まりが極めて悪い。恒例の朝会は定刻より15分程遅らせ行うことに決定。場所は交通量の多い玉川駅前を避け、駅から数分歩いた玉川の堤となった。なんとその玉川の下をJR奈良線が通っている。「天井川」である。この辺りは日本有数の天井川地帯と言われている。この玉川は「平成の名水百選」にも選ばれ、また日本の六玉川の1つで古典文学にも登場する。桜・ヤマブキが特に有名である。

 いつもよりこじんまりした朝会が始まった。リーダーから天候による今日のコース変更更にはこれからの雨次第ではスケジュールが変更されるとの話も出た。が、折角遠出してきたのでこれ以上雨脚が強くなってほしくない。

 いざ出発。玉川沿いを少し進んだと思ったらすぐに左折。急な登り坂を進むと府道321号線に出た。右折してすぐ左折。道路沿いの主役が住宅からたわわに実る黄金色の稲穂の田園に代わってきた。阿弥陀寺から右折した途端右手の視界は一気に広がり階段状に遥か遠くまで黄金色の絨毯が続く。『これぞ日本の秋!』どのくらい昔からこの原風景があるのだろうか。暫く進んだ後公園で休憩。身体に感じない程度の雨と歩くには丁度良い気温。この休憩を利用して雨合羽や傘を畳んだりする人が多い。

 再出発してすぐ小集落に入る。先頭が道路に埋め込まれている「山背古道の道しるべ」を発見。これは地域の子供たちが作った陶板製山背古道マークでいろいろな表情がある。遂に山背古道に合流した。小野小町塚に向かう。小町は晩年この近くの井堤寺に住んでいたと伝わる。その先には京都円山公園のしだれ桜と親木同士が姉妹木といわれ1727年に植樹された桜の大木で有名な地蔵禅院や、創建が6世紀まで遡る玉津岡神社、末社には奈良時代の官人であった橘諸兄を祀った橘神社もある。この橘左大臣は玉川の堤に「山吹」を植えた人とも伝えられているが、朝会で玉津岡神社まで急な坂道が続き、更にこの雨で滑る危険があるため行かないことにした。

  少し引き返して山背古道に戻り、府道321号線を横切り田んぼの中の小道に進んでいくと比較的新しい建物「井手まちづくりセンター椿坂」が見えてきた。火・金曜日は休館日であるが、今日は我々くらわん会のために特別に開館してくれた。

 12時には随分早いが今日はここで昼食をとる。テーブル席、囲炉裏や畳がある部屋など全て占領し早速弁当を広げる。茶の無料の提供といい雨宿りも出来る最高の昼食場所だ。一角には井手町特産コーナーがあり売上げに貢献しようとPRしている律儀な世話役もいる。お陰で売り切れ続出。場所提供の恩返し?が出来たようで結構だ。

 お腹を満たし再出発。すぐに橋本橋を渡る。流れる川は朝会を行った玉川だ。車は殆ど通らないので歩行ピッチが上ってきた。暫くして渋川沿いの道に入り休憩場所の似仁王御墓・高倉神社に向かう。休憩もそこそこに次の目的地へ。道は田んぼの中をくねくねと曲がっているが一本道なので迷うことはない。隊列が随分縦長になってきた。天神橋を左折し綺原神社、続いて蟹の恩返し伝説で知られ創建が7世紀後半白鳳時代といわれる蟹満寺に到着。依然雨はしとしと降っている。

 皆、小休憩より先に進みたいようですぐに再出発。更に歩くピッチが増したようだ。小集落の中を縫うように細い道が続く。次第にJR奈良線と並行して進んでいることに気づいた。と思ったら突然警報機が鳴りだした。踏切だ。この無人踏切の南数100m先に今日の終着点「棚倉駅」が見える。その手前はトンネルでその上を不動川が流れている。この川も天井川だ。注意深く踏切を横断し左手に進路を取り不動川の堤に出た。不動中橋を渡った所で最後の休憩となったが、雨で座る場所もなく、最終地点が目と鼻の先でもあり出発を急がす者もいるが、団体行動ゆえの規律を守り最後尾の到着を暫く待った。
 
 ここから田園風景とさよならを告げ、漸く街らしい通りに入ったが歩いている人は殆どいない。約7分でJR棚倉駅に到着した。この駅から1分のところに古代農耕民に崇拝された有名な湧出宮あるが、そこまで行く人はいなかった。 本当にお疲れさま。

<取材担当:勝川康正 橋口善和>

会長挨拶・朝会
農道を往く
井手の細道
まちづくりせんたー『椿坂』
井手特産コーナー
渋川沿いウオーク
似仁王御墓
綺原神社
踏切横断
山背古道秋彩

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