『枚方市水道局 中宮浄水場 』       (枚方の施設 第7回)
2007/10/4取材  

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水道事業の概要 
  中宮団地の一角に枚方市民約40万人の82%の水道水をまかなう枚方市水道局中宮浄水場があります。この浄水場は、昭和25年に旧陸軍から枚方市へ移管され今日に至っています。
枚方市水道局は、公営企業として134名の職員で運営され年間収入約85億円で運営されています。
市の年間水道使用量は5100万立方メートル、1日平均使用量は14万立方メートル、1日一人当たり使用量は350リットルになります。 中宮浄水場からは、年間約4200万立方メートルを給水し、大阪府村野浄水場から900万立方メートルを受水し給水しています。これは、緊急時や災害時の対応を考えると2水源化されていることになります。

取水から給水の処理工程 】
1.取水
水源は淀川で天の川河口から1km上流の磯島取水場から取水し沈砂池で粗い砂やごみを取り除き中宮浄水場へポンプで送水します。

2.処理工程
中宮浄水場の処理工程は、凝集、沈殿、濾過、高度浄水処理などの工程で行われます。凝集、沈殿、濾過工程はメンテや槽内の清掃を考え第1浄水場(能力9万立方メートル)と第2浄水場(能力4万立方メートル)の2系列になっています。

★沈殿工程は、取水場から送られて来た水に凝集剤を加え沈殿池に入ります。凝集剤により濁りやごみを固め沈殿させます。沈殿した汚泥は濃縮、加圧脱水され土の塊にした後産業廃棄物として埋立て等に使われます。1日3〜4トン処理されます。

★濾過工程は、急速濾過池で砂を通してさらにきれいな水にされます。

★高度浄化処理工程は、オゾン接触池と粒状活性炭吸着池でカビ臭やトリハロメタンの除去を行います。この設備は平成10年に導入され水道水が飛躍的に美味しくなりました。

★最終工程は、送水中の消毒のため塩素剤を、水のPH調整のため苛性ソーダが加えられ送水ポンプで送り出されます。

配水 】
配水の系統は大きく3つに分かれています。1つは田口配水場から主に北部、中部方面、2つ目は春日受水場(村野浄水場から1部受水)から主に東部方面、3つ目は香里受水場(100%大阪府営水道から受水)から主に南部方面です。
なお、 配水は、主に自然流下方式(高い所から低い所へ流す)で行っており、浄水場から1〜2日で各家庭に届きます。

安定した水の供給 】
水はライフラインの中でも最も重要であり、浄水場の設備や配水管の耐震化、更新に毎年25億円程度の投資を行い安定した水道水の供給に取組んでいます。
さらに、緊急時の貯水量は現在1.2万立方メートルですが3.3万立方メートルに増やすように取り組み中です。

安心して飲める水の供給 】
50項目の水質基準が定められており、これら全ての項目が検査されています。またホームページにその結果が公表されています。

水道料金 】
大阪府は42市町村に分かれて水道の供給が行われています。1ケ月に一般用水道水を20立方メートル使用した場合の料金を比較した場合、安い方から1位大阪市、2位吹田市、3位守口市、4位枚方市であり、大阪府下では比較的安い料金で水が供給されていると言えます。

取材後の感想
 20年も前でしょうか。当時とすればかなり高価な「台所浄水器」を購入し、その後何の疑問も持たず、買い替えたりフィルタを取り替えたりしながら、現在も使い続けています。今回、中宮浄水場で平成10年から稼動している「高度浄水処理施設」を見学し、これらが全く不要である事を実感しました。
 水道は絶対必要なライフラインです。常に安全で安心してしかも廉価に利用できる空気のような存在になっています。しかし、地球上に水道が整備されていない地域がたくさん存在しています。その水を24時間365日休むことなく供給し維持・向上管理していただいてる水道局の皆様に改めて「有難う」と感謝の気持ちを捧げます。

施設の見学は浄水管理室の中村様に御案内頂き、見学後に水道総務課・給水管理課・水道工務課の方々から詳しい説明を頂き深く御礼申し上げます。

枚方水道局のホームページに詳しい内容があります。
http://www.city.hirakata.osaka.jp/freepage/gyousei/suidou/work/jigyou.htm

取水場のパイプ

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