（第26回）

「礼に始まり礼に終る」人間形成と人づくり

枚方市長尾谷町在住　吉田公三さん 2011年6月10日 取材

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取材中にポーズを取る吉田公三さん	日本拳法六段允許状(いんきょじょう)

１．取材趣旨 　青年時代から武道・日本拳法を続けられて四十有余年、六段・師範の吉田公三さん６３歳が今回の夢中人です。目下、ご自宅近くの菅原生涯学習市民センターで、自らの経験をベースにして現代人向けに吉田さんが考案した「シェイプアップ拳法教室」を、地域の方々に分り易く教えておられるます。 　また、2008年3月AVC社を定年退職されましたが、現在も引き続き現役時代に自ら創部した、パナソニックで唯一の「日本拳法部」の師範として、引き続き後輩の指導通いにも余念がありません。そして日本拳法全日本実業団連盟の副会長としてもご活躍中です。 シェイプアップ拳法を楽しむ 地域で募集中のポスター 吉田公三さんと拳法教室メンバー ２．動機と概況 　吉田公三さんは、大阪市阿倍野区のご出身、19歳で日本拳法洪游（こうゆう）会本部道場に入門”男らしく強くなりたい”との思いから始められたとの事です。 　22歳で松下電器・ラジオ事業部（当時）に入社し購買課勤務の傍ら拳法同好会を発足させ、その後苦労の末に、1978年に当時既にあった野球部、バレー部等の各部と同格で、社内唯一の「松下電器日本拳法部」を立ち上げ、自らも選手として率先垂範競技に出場されると共に、以降33年間監督・師範として後輩の育成並びに部の運営・発展に尽力されています。 　日本拳法は総合格闘技で、突く・蹴る・投げる・絞める・寝技・逆技と攻撃に制約が無く、人間本来が持つ闘争心を満足できる武道であり、怪我を防止するため面・胴・胴当・股当・グローブの各防具を使用することにより、選手が自由に力一杯に戦い、気力・体力・持久力・精神力の修練を通じて人間形成をめざすものだとのことです。 自ら命名の道場 「素直修養館」にて　 拳法部員の皆さんと道場にて サンドバッグでトレーニング中 前蹴りのトレーニング中 全日本選手権大会の試合�T 全日本選手権大会の試合�U 　パナソニックAVC社の道場「素直修養館」では、社会人実業団連盟に加盟した男性15人、女性11人の部員が在籍し、日常は男女8〜9名の部員が引き締まった表情と俊敏な動きで畳を滑る小気味良い足音、息切れも無く続く練習に気持ちのいい汗を流しています。”困難を乗り切る肉体と精神力が付いた”、”運動不足解消とストレス発散になる”、”交流の幅が広がった”などの効果があるとのことです。これまでの活動の様子は、以前の社内報や組合機関紙（meuing）、けんぽニュースなどで紹介されました。 拳と足の当てどころの種類�T 日本拳法八要の紋章 拳と足の当てどころの種類�U 　また、はじめにも紹介しましたが、現在、居住地域の方々に音楽も取り入れた「シェイプアップ拳法教室」を開設し、毎週土曜日に41〜70歳までの男性3人・女性8人の講習生に分り易く教えておられ、また本年中に部員数を15名にすべく募集にも力を注いでおられます。シェイプアップ拳法教室に対する基本的なお考えは、転倒時の受身・護身・シェイプアップを目的に、体操６割・拳法の基本の形4割で構成、工夫された「優しい拳法」で地域の方々と共に楽しく汗を流すことだそうです。 ３．今後の活動 　現在社会では、青少年の生活環境は、学級崩壊、いじめ、落ちこぼれ、暴力、一般社会でも、勝ち組み・負け組み、自殺、格差社会と無秩序な世の中であると言えます。この為、国の方針として、2012年度から小・中学校義務教育の中で武道の正課導入が計画されるなど、武道の持つ精神指導の必要性が社会に改めてスポットライトを浴びようとしています。 　今後は地域での「拳法教室」をさらに充実させ、「キッズ教室」開催にも夢を持ち、地域社会や実業団で「日本拳法」の活動を主宰される、吉田公三さんの内に秘めた積極果敢な強い精神力と、無から有を生み出す行動力が、取材を通じて随所にうかがえました。今後のご活躍を大いに期待する次第です。

取材：鬼頭、梅原、吉川、大熊、倉橋、石田、HP作成：大熊、倉橋

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