枚方市東香里南町在住 岡 俊三様(投稿) 2006年12月15日 取材 |
3. 私の作品の紹介 | |
第1作「佛頭」 最初は入門用として、身近な人形程度と思っていたところ、いきなり阿弥陀様の佛頭を作製してみてはと先生から言われ驚きました。しかし、先生のご指導を得ながら手探りの制作に入りました。まず最初はお顔の奥行きがなかなかつかめず、また個々の目、口、鼻、それに耳の形を作るのに苦労しました。 特に頭の螺髪(ラホツ)の制作には非常な努力を要しました。 皆さんはどうして作ったのかおわかりになりますか? 答えは企業秘密ですが、一度作り方を想像してみてください。 |
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第2作「阿弥陀仏立像」 第1作で佛頭を経験したところで、いよいよ念願の阿弥陀仏立像の制作となりました。 全体の立体的バランスがわからないため、仏像の本を購入し、写真から寸法を割り出し、1尺6寸の等身大の制作図を作成し、それを基に制作を進めました。 今回は胸、腹、腰、足、それと手印に苦労しましたが、特にお衣の襞(ヒダ)の表現が思うように行かず悩みましたが、私の苦労をしている姿をみかねて、先生はご自分が制作された釈迦如来像を持参してくださいました。このお手本を見せていただき、やっと前へ進めることができました。 |
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第3作「親鸞聖人」 この作品も先生が制作された親鸞聖人旅たちの像を見せていただき、それを参考に制作をすすめました。 この作品で初めて「面」の出し方とへらのタッチを指導していただき、彫刻らしくなり始めました。 |
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第4作「遠い道」 この作品からは先生の作品の見本に頼らない、独り立ちの製作に入りました。 モデルは義母でこのときは91歳でした。年齢に応じた体系を指導していただき、和服の着こなしと皴の表現を学びました。この作品は大阪の創造美術協会の創造展に応募し、初挑戦ではからずも初入選し、天王寺にある大阪市立美術館に展示されました。 |
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第5作「愛犬ラブ」 和歌山の甥の家に行ったときのこと、甥の三女に粘土細工の話から、甥の家に飼っている犬を彼女の粘土でいたずらに作ったところ、大変喜んでくれましたので、調子に乗って本当の像を作ってあげると約束をしてしまいました。自分としてはよく店などで売っている犬の置物程度のつもりで引き受けたのですが、いざ教室で作り始めると先生から置物と芸術作品は異なると注意され、初めて安請け合いに気づきました。先生からは犬の解剖学の本のコピーをいただき、また自分なりにも犬の本を購入し、これらの資料を基に一ケ月は犬の筋肉と骨格の勉強をして制作に臨みました。おかげさまで、芸術作品制作の心がけるべき基本を体得することができました。制作では犬の毛の柔らかさを表すタッチについて習得しました。この作品も平成17年度の創造展に応募し入選させていただき、大阪市立美術館に展示されました。 |
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第6作「あっ」 当時2歳だった孫の写真を撮っていたとき、二階の窓からお友達が顔をだしたのに気づいた孫は、「あっ」といってそちらを指差した瞬間にシャッターがおりました。偶然の幼女のかわいらしいポーズが気に入り、制作に取り組むことにしましだ。幼女らしいかわいいらしさをどう表現するかで試行錯誤しました。この作品も創造展に応募し入選させていただきました。 |
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第7作「明日への希望」 孫が幼稚園でサッカー教室へ入り、そのチームが大阪代表となり、東京で開催される園児のサッカー大会へ出場しました。その時の内容が毎日新聞に掲載され、偶然孫が写真の中央に写っており、そのポーズが大変ダイナミックで面白いと感じましたので、作品にすることにしました。倒れそうな不安定なポーズと園児の筋肉でのダイナミックな表現に工夫をしました。この作品は先生のお許しがでたため、全関西美術展に応募し入選させていただき、大阪市立美術館の本会場に展示していただきました。 |
4. おわりに 私が定年をむかえたとき、ある先輩から「これからの人生を楽しく、そして充実して過ごすには、"新しく打ち込める何か"を見つけること、そしてそれを継続して行くことだ。その"なにか"を見つけ出したなら、始めるのは何歳からでもよい」ということを教わったことが記憶に残っておりました。実際に64歳からこれまでの技術から芸術というまったく違った分野へ挑戦してみましたが、毎日が新しい発見で、「知るは喜び」の充実した日々を過ごしています。もし、彫刻に興味をお持ちのかたがおられたら、お声をかけてください。 |