百済寺跡の東塔基壇が復元されました


復元された東塔

 大阪城と共に国の特別史跡である百済寺跡は、長い間整備工事が行われていました。今回、東塔の発掘調査後の整備工事が実施され、百済寺建立当時の荘厳な姿が実感できるよう、切石による「壇正積」基壇が復元されました。同時に中門や西側回廊なども 復元されています。

 整備事業の前には事前発掘調査(第16次)が実施されましたが、基壇東側に川原石や瓦の小片を敷き詰めた雨落ち状の遺構が見つかっております。(ひらかた文化財だより・114号より)
 基壇とは、瓦葺の重量のある建築物を支え、水の侵入を防ぐ土台の部分になります。古代の日本建築(宮殿など)ではこの基壇という部分が無く、地面に穴を掘って直接柱を設置していましたが、飛鳥時代に中国大陸から基壇の上に建築する手法が伝わり、寺院や神社の建築法として普及したとされています。

 基壇の作り方には「壇正積」「石垣積」「乱積(不揃いの自然石をそのまま積んだもの)」等があるようです。今回復元された「壇正積」は、均一かつ直角に加工された石を整然と積み上げたもので、非常に美しく優美に見えます。奈良の法隆寺・五重塔などにも、この基壇を見ることができます。(写真)

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整備後の全体イメージ図

復元された中門から見た全景

復元前の東塔(02年頃)

東塔と同様な基壇の法隆寺

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 (写真撮影:2018年9月) HP作成:坂本  

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