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雛祭りの由来

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 日本の暦の年中行事として五節句の行事があります。節句は中国の陰陽五行説に由来し日本に定着したと言われています。
 雛祭りの漢名は「上巳(じょうし)節句」と言い、和名は「桃の節句または雛祭」と言います。節句料理として菱餅や白酒などを食べます。菱餅の色にも意味があり、下から緑白桃です、雪の下の新芽が芽吹き、桃の花が咲いている春の情景を表現しています。

 中国では「季節の変わり目は災いをもたらす邪気が入りやすい」と考えられ、3月最初の(巳の日)上巳に水辺で禊(みそぎ)や「曲水の宴」を行う風習がありました。その風習が遣唐使によって日本に伝えられ、禊の神事と結びつき、やがて平安時代には宮中行事へと変化し、男女の区別なく“健康と厄除”を願った「上巳の祓(はら)い」として「曲水の宴」を催したり、自分の体を撫でて穢(けがれ)を人形に移し、川や海へ流す儀式が行われました。これが後世の「流し雛」になったと言われています。

 女子の祭りとなるのは平和な江戸時代からで、幕府によって五節句が定められ「端午の節句」が男子の節句に対し「上巳節句」が女子の節句となりました。また祓いの儀式から徐々に形を変え、女性の成長やよい結婚に恵まれ幸福を願う行事となり、民間に定着して現在に至っています。


城南宮行事「曲水の宴」(ヤフーフリー画像より)

2016年3月5日
江守 敏雄


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