9月とは言え、気象観測が始まって以来の猛暑が続く今年の夏、歩く事の多い今回の社会見学会は、熱中症が心配される中「奈良薬師寺」と「平城宮跡」の平城遷都1300年「まほろばを巡るツアー」を実施しました。
枚方北支部会員の皆さんの日頃の行いが良いのか、朝出発時は快晴、そして昨日までの猛暑も影を潜め、見学地では最高の曇空となりました。
★実施日 2010年9月14日(火) 晴れ時々曇り
★行き先 奈良薬師寺、奈良ホテル、平城宮跡
★参加人員 会員及び会員の配偶者を合せて 71名
午前8時、京阪枚方市駅・空港バス乗り場の奥に集合、2台のバスに分乗し8時15分に出発しました。今年の3月に完成した、第二京阪道路から近畿自動車道、阪奈有料道路を通って、最初の目的地「奈良薬師寺」へ向いました。バスの中では、幹事の熱心な調査に基づく、詳細な概要説明を受け、見学に充分生かせたことは良かったと思います。
○ 奈良薬師寺
まず最初に、全員”東僧坊”の畳に座って、僧侶の法話を聞きました。法話の内容は、白鳳文化の象徴である薬師寺の歴史、建築物や仏像についてお聞きしました。薬師寺は「法相宗」(ほっそうしゅう)の大本山で、天武天皇によって発願され、持統天皇によって本尊開眼、文武天皇の御代に至り、飛鳥の地に堂宇を完成、その後平城遷都に伴い現在地に移されたもので、平成10年にユネスコ世界遺産に登録されました。
そして、法話の中で印象に残ったのは「旅行客が猿沢の池(奈良にある池)の旅館で手を打ったなら、旅館の人はお客が呼んでいると思い、鳥は鉄砲で撃たれたと思い、池の鯉は餌がもらえると思って集まってくる」、ひとつの音でもこのように受け取り方が違ってくると言うお話でした。十人居れば十人の世界がある、受け取り方も違う、一人ひとり別々の世界がある。その複雑難解の中でそれをいとも巧みに論理の筋道を立てて、説明がなされているのが、この宗の教理の特徴であるとのことでした。
○ 「奈良ホテル」昼食懇親会
「奈良ホテル」は創業100年の歴史があります。第二次世界大戦前には国営(鉄道院→鉄道省直営)の時代が長く、関西において国賓・皇族の宿泊する迎賓館に準ずる施設としての役割を担っていました。このため「西の迎賓館」とも呼ばれています。今でも多くの著名人や、皇族方が奈良での宿泊施設として利用されることで有名です。そのホテルのシックな一室で、華やかな雰囲気の中にも落ち着いた和やかな昼食懇親会となりました。今回の見学会にはご婦人同伴が多く、大半の方は「奈良ホテル」での昼食を期待してご参加頂いたと聞いております。昼食後は、創業100年の歴史がある木造2階建て瓦葺き建築で創業当時のままの本館前で記念撮影をされる方が多く見られました。
○ 平城遷都1300年祭の「平城宮跡」見学
平城宮跡のエントランス広場に到着し、大変広い会場を見て少し暑さを心配しましたが、曇空で心配した程のことなく安心して見学出来ました。大半の方は第一次大極殿、朱雀門、平城京歴史館、遣唐使船復原展等を見学されたと思います。
特に平城京歴史館では、中国大陸、朝鮮半島をはじめ大陸との交流により発展した平城京を往時の壮麗・壮大な都の姿や華やかな文化をバーチャルリアリティー技術を使った映像で、我が国の国づくりの歴史として再現されており印象に残りました。その中で紹介されていたことですが歴史上の人物”安倍仲麻呂”は、遣唐使として唐に渡り、その後唐の官僚になり一度帰国しようとするが、帰国の途中遭難し再度唐に戻り、唐の”都督”にまで出世した人物で「天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山に出でし月かも」と歌われた歌は帰国時に、故郷を思って歌った和歌だそうです。この話を聞き少し歴史に詳しくなった気分になりバスに戻りました。
そして予定時間にエントランス広場を出発帰途に付き、枚方市に予定より30分ほど早く無事到着しました。
写真撮影協力者:安井、井須、倉橋
記事作成担当:大熊 |
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