2007/7月 台湾・新店市移動運用の記録 写真集(Slide show)へ
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移動大好き三人組

JR3PIO,JF3EFL,JA3FWUの3人グループは、昨年は2度に亘るJA9福井県三方上中郡および小浜市への移動、厳寒の2月の奈良コンテストには昨年は添上郡神野山、今年は高市郡明日香村へと、主に2mを中心に旅行やコンテストの機会に国内移動運用を行なってきた「移動大好き三人組」です。

初の海外移動へ

グループは旭区のレストランで昼食会を不定期に行なっていますが本年5月、今度はぜひ海外での移動運用を実行しようと言う無鉄砲な提案が誰からともなく出てきました。

JR3PIO/関森さんよりHAMフェスティバルに来日した際に知り合った何人かの台湾のHAMの話や、数十年来の知り合いで、東南アジア各国に広く事業を展開され、その傍ら現地のHAMとの交流を熱心にやってこられたJA3AQM/佐々木さんの話を照会され、一度相談してみようと言うことになりました。

後日、都島区京橋の国道一号線沿いのビル4階にあるJA3AQM・佐々木さんのシャックを訪問し、経緯をお話したところ快く承諾をいただき、運用するシャックの準備および、運用するための台湾のアマチュア無線ライセンスの取得などを台北のHAMBV2NT/李さんにお願いすることになり、さっそく「SKYPE」を通じて李さんとの打ち合わせをしていただいた結果、台北のHAMグループの「溜まり場」として、各局がいつも集まる台北郊外の新店市の高台にあるBU2AQ/呉さんの別荘地をお借りすることが決まりました。

海外運用の準備

いよいよ実行の日取りを「日本国内全国移動通信日」の7/21(土)に決め準備に取り掛かりました。台湾のアマチュア無線局免許申請には本人の@パスポート A無線従事者免許証 B無線局免許状の3点セットのコピーが必要であり、ほぼ毎年海外へ行っている局はまだしも,永年にわたり海外渡航経験のない局はまず、パスポートの申請からとそれぞれ準備の段取りに差はあるものの、遅くとも運用日の1.5ヶ月前に台湾の電監へ提出が必要であり逆算して月5日がタイムリミットとなりました。

通常ならこの段階で現地へ持ち込むリグやアンテナの準備が必要となるのですが幸いにも今回は現地のBU2AQ/呉さんのご好意ですべての準備が整っているため。実行日の721日へ向けて、はつらつとしているが意外にご高齢のJR3PIO局、身体の各所に持病があり定期検査と投薬を欠かせないJF3EFL局、わずかながら職業を持ち日程のやりくりが難しいJA3FWU局とそれぞれの事情に応じた準備をしながら移動運用の成功への期待を込めた日々を送りました。

台湾の無線局ライセンス

台湾では無線従事者免許のクラスによってコールサインのプリフィックスが決められているようで、日本からの移動局には日本のコールサインの前に台湾のプリフィックスがつけられます。
ちなみに関森さんは
BW2JR3PIO、中橋さんはBM2JF3EFLわたしは、BW2/JA3FWUというような具合です。

今回は台北のBV2NT/李さんに大変なご尽力を頂き、申請したのが65日と必要な1.5ヶ月にギリギリで心配したのですが渡航日の前日720日付でやっとライセンスを得ることが出来ました。

  免許の有効期間は、第1回目の申請者には1週間で、申請回数が増えるにつれて免  許の有効期間は長くなるそうです。

いよいよ台湾へ

721日関西空港を1000発のJAA便で出発することになり、早朝の関空国際線ロビーに集合しました。台北の桃園国際空港までは約3時間の滞空時間ですが日本との時差が1時間あるので現地には12時頃に到着、高速バスで1時間ほどで台北市内へ到着しました。到着した現地は気温37湿度85%いきなりの蒸し暑さには閉口しました、市内でBV2NT/李さんの車に乗ってBU2AQ/呉さんの高級別荘地へ向かいました。この別荘地は「華城特区」といい途中に検問所が3箇所もあって一般の人は立ち入り禁止です。

台湾での運用場所は前述のようにBU2AQ/呉さんの標高560mの山頂にある別荘で約600坪の敷地にはプールもあって、敷地の4隅にはタワーが建てられ、HFからVUHFまでのアンテナが準備されています。また今回は50MHz帯の運用をお願いしたところこの日のためにわざわざ台北のHAM各局が集まって来られ、HB9CVのアンテナを準備し、タワーの上に設置してくださいました。
(台湾の電波法では50MHz帯は50.11050.1225MHzと大変帯域が狭い)

台湾へのお土産

今回日本からのお土産に何を持っていくか悩んだ末、CQ7月、8月号と日本製のTシャツ、キャップおよびトートバッグなどを持参し、台北各局に大変喜んでいただきました

144MHz帯でJAと交信したい

現地のU,VアンテナはDXには力不足を感じます。コンディションのオープン待ちの長逗留はとても無理です。本土まで2000km余りを如何に届かせるかが課題でした。
挨拶もそこそこに運用を開始。BV2KI易さんが144.110MHzで午前にJA向のコンディションをチェツクしてくれていましたが状態は良くないようでした。
144MHzのリグは屋外のテラスに設置したIC-275IC-7000でアンテナは15mHタワーに9エレ×4でケーブルは10Dを使用し、モードはSSBおよびCWで出力50Wでした。

なかでも大変困ったのは気温37の蒸し暑さもさることながら、ひどいFMのかぶりで、ロケが良いだけ強烈でその合間を縫っての受信は困難を極めました。現地の方々によると2mFMを使用する不法局が台湾国内に約2万局位いるそうです。
21日は昼よりEメールや21.230MHzでJA国内各局に連絡を取りながらコールしましたが空振りに終わりました。

22日朝になり、JR6RMZ/古堅さんと21MHzで連絡がとれた後、144MHzで昼前に沖縄からのコールサインがかすかに入感したので直ちにビームを修正し59+で聞こえた時は正直ホッとしました。古堅さんは、台風でビーム空中線を降ろしたと事前に知っていたのでマサカの思いでした。GPでこれほど強く入感するとは思いもしません、これが台湾と沖縄本土との初めての交信記録でもありまた今回の台湾移動における2mでの唯一のJA局との交信でもある貴重な収穫でした。JA本土向けはアンテナは12X4X215mHタワーと標高500m以上最低50Wは必要でしょう。それでも本土の福岡までは1.400kmあり届くかどうか?EスポやダクトあるいはFAI等を試すのが今後の課題と思います。

JR6RMZ/古堅 政尚さんよりのコメント

関森さん他各局

台湾との交信も無事終える事が出来てほっとしています。南向けのシャックは浦添市南向けに開けた山の上にあります。海抜は100m前後ですが、海が見えており視界360度です。台湾、沖縄の距離は700Km弱だと思いますが、信号はRS59++でした。台湾からJAへのビームと沖縄へのビーム角には90度近い差がありビームを向けないと取れません。前日の18:00に信号が入っていましたがRS41〜51でした。こちらから呼んでも届きません。ビーム方向の問題だったようです。沖縄と台湾は、距離的に近くスケジュールQSOはいつでも可能でしょう。メインシャックではなかったためGPアンテナに50Wでした。

その他のバンド

連絡用をかねて21MHzで台湾のBW2/JAも運用しましたが、JAから多くの方よりコールいただき感謝しています。リグはIC-7800で問題はありませんがアンテナは4基あるタワー間に張ったワイヤーでした。BU2AQ/呉さんのシャックには近々米国製の電動チューニングのオールバンドアンテナを設置の予定と聞きました。なお運用中に何度も断続し入感する家電ノイズはリグのNBも効かず何度も受信困難を来たしQSOを中断せざるを得ませんでした。ぜひこの排除が必要と感じました。

2日間の運用を終わって

台北のHAMグループは結束が堅く我々を心から歓待しお世話をしてくれました。到着してから各局が持ち寄っていただいた台湾の弁当や飲み物、また新鮮なフルーツに暑さを忘れてQSOに集中できました。またBU2AQ/呉さんの別荘でゆっくり宿泊し、翌日の英気を養うことも出来ました。運用終了後、我々がシャワーを浴びてくつろいでいる間に、見事なチームワークでシャックやアンテナの片付けを行ない元の閑静な別荘の佇まいに回復されたのにもただただ感服した次第です。
その後台北市内で豪華な四川料理のパーティも開いていただき大変ご馳走になりました。彼らが訪日した折は精一杯の御世話をさせていただくつもりです。

また.
厳しいコンディションのなか、各バンドでお相手いただいた
JA各局、またせっかく待機いただいたのに交信できなかった各局、HF帯のパイルアップの中当方の不慣れのためピックアップできなかった多くのステーションに心からのお詫びと感謝の気持ちをこの場を持ってお伝えしたいと思います。

「移動大好き3人組み」はこれからも年齢や病気に負けず楽しみながらHAMライフを続けて行きます。皆様のご参加もお待ちしております。