定年後に再会した先輩(北大阪支部の石原さん)の「これからが人生の本番だよ」との言葉に触発され、先輩の主宰する能面工房に弟子入りした。最初の作品が予想以上の出来栄えで面白くなり、以来“能面三昧”の日々で、勉強のため能楽堂に通い、本を読み漁り、名物面を鑑賞したそうです。毎日5〜8時間は面に向き合うほど面打ちに没頭し、5年半で100種類・270以上の作品を製作し、川崎市中原区のご自宅の壁面には170以上の能面がずらりと飾られ、その数と作品の素晴らしさに感動しました。
吉川さんは中原区文化協会理事として「能楽と面」をテーマとした講演活動や地域行事で能面を展示し、川崎市の姉妹都市ドイツ・オーストリアの3都市に作品が記念品として贈呈されました。「伝統文化とは無縁であった私が能面三昧になっているのが信じられません」と微笑みながら話して頂きました。
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