藤原鎌足の墓ともいわれる阿武山古墳周辺
     (搭のある建物が京都大学阿武山地震観測所)



棺内に横たわる遺骸、     
肩まで多量の金糸をまとっている

   石室内部の夾紵棺

大小数百のガラス玉を使った玉枕

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JR富田駅の北方の山に巨大な 石碑の
ように見えるのが、京都大学地震観測所
で、その近く
「阿武山古 墳」があります。



 昭和9年の春、地震計を設置す るため立坑
を掘っていますと、花崗岩の石組に突き当た
り墓室が現れました。



  中の棺にはミイラ化した男性が 葬られ、遺体
の頭から肩にか
けて金糸が散らばり、頭の下
はガラス玉を1本の銀線で綴り
合わせた玉
枕が置かれていました。

 棺は超一級の夾紵棺(きょうちょ かん)とよば
れる乾漆棺であったことなどから、「金糸を
まと
った貴人の墓」
として、当時大勢の人が見学
に詰め掛けたそうであります。


遺体は『多武峰略記(とうのみ ねりゃくき)』
に安威山に埋葬されたと言い伝えのあります、
大化1〜2年(645〜646)の「大化の改新」にお
ける功臣・藤原鎌足(ふじわらのかまたり)説
が有力で、国の史跡に指定され保存され
てい
ます。





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