講師: 佐々木 文之(ささきふみゆき)氏。
現職 野村證券株式会社投資情報部グローバル情報課課長/シニアエコノミスト。
場所: 高槻市総合市民交流センター 第6会議室
参加者: 46名の参加がありました。
講演の趣旨:
国際政治は各国間で様々な緊張が高まっている。このような情勢の中で日本を含む経済や政治は
どのような方向に進んで行くか。また私たちの生活にどのような影響を及ぼし、私達はどのような対応を
していったらいいのか、などを分かり易く話していただくことに趣旨を置いた。
講演の要旨:
◆配布説明資料をもとに、13:30〜15:00まで講演。その後約30分の質疑応答とした。
◆政治情勢
・11月4日のアメリカの中間選挙で共和党が勝利し上院、下院とも共和党が過半数を獲得し、ねじれ
現象が解消したが、オバマ政権は苦境となった。ウクライナ情勢によるロシア経済に混乱が起こり
これは、ロシアの天然ガスへの依存度が大きい欧州各国に大きな影響を与え、世界経済へも多大
な影響となる。イラク・シリアの内政混乱に乗じて、武装勢力「イスラム国」の台頭と、世界各地
でテロが頻発。さらには香港の行政長官の普通選挙を事実上排除したことによる民主派の抗議
デモの長期化で経済への影響が派生。
◆経済の見通し
・このような政治情勢の中で、世界(日本)経済の実質成長率/GDP、前年比は、世界では2013年
3.0(日本1.5)%、2014年3.1(同0.9)%、2015年3.6(同1.5)%の見通し。10月31日に日銀は追加金融
緩和を実施したがこれに世界経済が反応し株価が急上昇。日銀は今後も株価、地方地価を上げる
と言っているが見通しは不明。
・野村が予測する日本経済(実質GDP)は、2014年0.7%程度、2015年1.8%程度とみられる。
日本企業の日経平均株価とEPSは今後も上昇していくとみている。
・グローバル分散投資(国内株式、国内債券、外国株式、外国債券)については、日本の消費者物価が
プラスに転じたことで実質預金金利はマイナスとなっている。リスクを伴う投資はリターンも得られるが
よく考えての投資が必要。脱デフレが現実となりつつある中で、今後、NISAなどの制度活用が進む
ことで、家計資産も他の先進国同様に一段とグローバル分散投資が進むとみられる。
◆質疑では、今後の日本経済や貯蓄・投資などの質問があった。
◆反省点では、「世界という視点・切り口」から政治と経済について話されたが、それが「私たちの生活に
どのように影響し、家庭経済はどう変化していくか、どのような対応が必要か」、などについて
「示唆・見通し・予測など」が少なく、物足りなかったように思う。
以上