講師: 田辺 眞人(たなべ まこと)先生 ・・・ 園田学園女子大学名誉教授・歴史学者
講演会 拝聴の様子
講演中の田辺先生
この日は、参加の53名が「源氏・平家と摂津の国 ―大河ドラマ「平清盛」によせて― 」を学びました
講演
*趣旨
今回は、大河ドラマ「平清盛」に因んで、平安時代末期の源氏・平家勃興の歴史について学ぶ
*内容
第1章:武士の発生
・律令制の動揺(800年代〜):地方混乱⇒国府の役人、荘園の荘官、有力農民など
自警のため若者・従者を武装化→もののふ集団→広域化し象徴的代表の棟梁が発生
地方に来往した皇族・藤原一門が豪族と姻戚し土着、これが源氏/平氏の起源
・貴族が盗賊/反乱鎮圧、都の治安/警護に武士を利用⇒侍は貴族の侮蔑的言葉が起源
ハベル(侍る)→ハベリ→サブライ→サムライ⇒これが集団化し一門一家を形成
第2章:武士の実力発揮
・当時の地方制: 国司ー郡司ー里(郷)
・高望王:桓武天皇の曾孫⇒「平」姓の起源、上総介の後、東国武士団の棟梁(桓武平氏)
・経基王:清和天皇の孫⇒「源」姓の起源、足立郡司と対立し帰京、機内に土着(清和源氏)
・承平/天慶の乱(935〜941):西国では藤原純友の乱で源経基らが鎮定
東国では平将門の乱(内紛)で平貞盛/藤原秀郷が鎮定
第3章:清和源氏と桓武平家
・摂津で源氏の発展:源満仲(源経基の子、912〜997)⇒摂津多田ノ荘を経営(多田源氏)
長男 頼光: 国守歴任、藤原道長に密着し経済力/政治力を持つ(摂津源氏)
三男 頼信: 国守歴任、鎮守府将軍。藤原道長に仕え清和源氏基盤確立(河内源氏)
・平安中期の東国(将門の乱後も平氏発展⇒平氏暴走→源氏が鎮定
源 頼信: 「平忠常の乱1028〜」甲斐守となり追討し不戦勝⇒頼信の下に関東武士集結
源 頼義: 「前九年の役」⇒源義家「後三年の役」⇒源氏東北まで進出
・西国の平氏:平維衡が伊勢守となり伊勢へ進出(伊勢平氏)・・・平氏の西国進出の始まり
*感想
田辺先生のお話は、大変わかり易く楽しい内容で、あっという間に75分の時間が過ぎました。
時間超過のため、平氏が院と結びつき発展していくお話が聞けなかったが、武士の起源や
多くの地名/言葉の由来を教えて頂き大変勉強になりました。
田辺先生の再講演を熱望する声が多かったので、次回以降その方向で検討したい。