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☆第70回 奈良 明日香 心の旅 |
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2015(平成27)年9月24日(木) |
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参加者48名 |
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初秋9月は 心のふるさと 明日香の旅
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4ヶ月ぶりの例会で皆さん出足よく予定より10分早い出発となった。発車前には運転手さんから、安全走行や車内環境などへの配慮の挨拶を頂く。挨拶がなくても心配はしないが、やはり、この一言はうれしい。 出発後、代表から、ずっと50名前後の多数の方の参加を頂き、その中には、ご夫妻など家族ぐるみの参加や、今年最初の例会で現支部長、今回は初代支部長が参加してくださるなど、北摂文芸クラブの広がりに感謝しているとのお話。 |
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続いて、例会参加案内書作成の世話役から、訪問先や70回を記念した昼食の話。添乗員さんから、本日のスケジュールと諸注意。資料作成世話役から、前回の旅を綴った「作品集」、今回の訪問先について書いた「徒然話」について説明。 |
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バスは時折降る秋雨のなか一路飛鳥路へ。ほどなく、「JAならけんファーマーズマーケットまほろばキッチン」に着く。 ここは、全国最大級の売り場面積を有する農産物直売所を中心に産直レストラン、フレンチレストランなどで構成されている。野菜・果物・鮮魚・精肉・花卉(かき)、もちろん美味しい新米もある。9時営業から30分ぐらいなので、みんな新鮮で瑞々(みずみず)しい。私は、かねてから食べてみたいと思っていた「ホワイト トウモロコシ」を買った。 |
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今年米作り手名入りまほろば市 (◆) |
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【明日香村埋蔵文化財展示室・飛鳥水落遺跡】 |
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20分ほど走って、「明日香村埋蔵文化財展示室」と「飛鳥水落(みずおち)遺跡」に着く。 |
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さあ古代明日香の扉を叩こう! |
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明日香川(あすかがわ)行(ゆ)く瀬(せ)を早(はや)み 早けむと |
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待つらむ妹(いも)を この日暮らしつ |
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明日香川の瀬の流れが速いように、早く来てくれるだろうと(わたしのことを)待っているあの娘を |
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おおらかに恋を謳歌(おうか)した飛鳥時代から、白鳳(はくほう)時代へかけての権謀術数(けんぼう じゅっすう)に鎬(しのぎ)を削った世界を覗(のぞ)きましょう。 |
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まず、埋蔵文化財展示室へ。建物は旧飛鳥小学校を利用していてレトロな雰囲気。それに無料なのが嬉しい。 日本という国がつくられていく過程には、様々な出来事があったが、それを掘り起こす方法に、遺跡研究と文献研究がある。それらの成果をパネルやレプリカで解りやすく展示している。年代を追ったパネルと解説、出土品を実物大に再現した模型などに見入る。 |
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淳祐(じゅんゆう)天文図拓本(中国南宋1247年) |
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飛鳥美人 石人(せきじん)像 | ||
淳祐天文図は世界最古の星図。中国蘇州に現存しているそうだ。 |
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石人像は、年老いた男女の姿が彫られた石像物で、飛鳥時代の庭園を飾っていた噴水と考えられている。 石像の内部に水が通る細い穴が開けられていて、底から取り入れた水が男性の持つ盃と女性の口からあふれ出る仕組みになっている。明治37年、飛鳥石神遺跡の水田から出土した。 |
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飛鳥水落遺跡の説明盤 |
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興味は尽きないが次の石舞台古墳を目指す。田圃(たんぼ)の畔道(あぜみち)や土手に彼岸花が咲き揃い、稲の緑をふちどり小雨に濡(ぬ)れている。これぞ日本の原風景だ。 |
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窓外の畔に赤きや曼珠沙華 (◆) |
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飛鳥路風景 (★) |
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目を癒(いや)しながらのドライブ。10分ほどで石舞台古墳に着いた。 |
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【石舞台古墳】 |
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石舞台古墳は日本最大級の横穴式石室で、飛鳥を代表する古墳の一つ。築造は7世紀の初め頃と推定されている。 元々は一辺約55メートルの方墳(ほうふん)だったが、早い時期に古墳上部の盛土が失われ、現在のように巨大な石室が露出した。その形状から、いつの頃からか「石舞台」と呼ばれるようになったと言われている。 |
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一番大きい石が約77トン、総重量は2,300トンと推定されている。 埋葬者は誰か?に興味が沸く。明日香村観光マップによると、敏達(びだつ)天皇から推古(すいこ)天皇まで4代の天皇に仕え、蘇我氏の全盛時代を築いた蘇我馬子(そがのうまこ)の可能性が高いそうだ。 | ||
石舞台古墳入り口の萩 紅白の彼岸花が石舞台墳丘外堤に |
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飛鳥川(あすかがわ) 行(ゆ)き廻(み)る丘(おか)の 秋萩(あきはぎ)は |
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飛鳥川の流れがゆきめぐって流れている雷丘(いかづちのおか)には、今、秋萩の花が咲き乱れています。その美しい花も、今日降っている雨に散ってしまうのでしょうか。 (万葉集巻8-1557) |
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(注)聖武天皇につかえた天平時代の歌人・丹比真人国人(たぢひの まひと くにひと)の歌。 |
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秋の七草の一つ「萩」は、万葉集で一番多く詠まれている花。 花は小さく、強い香りもないが、それゆえに楚々(そそ)たる風情を万葉人は愛でたのだろう。今は満開前なので、この雨は萩にとってはご馳走かも…。 |
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石舞台全景 (★) 羨道(せんどう)から玄室(げんしつ)を望む |
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雄大な石舞台を背景にして (◇) |
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石舞台飛鳥の旅は秋の雨 (◆) |
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【昼食 和風レストランあすか野】 |
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本日の食事処は石舞台古墳近くの「和風レストランあすか野」。 2階の大広間へ。座敷に絨毯(じゅうたん)を敷いた椅子(いす)席。年寄りへの心遣いが有難い。窓を開けると靄(もや)にけむる風景が一幅の絵画を見るようだ。 |
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食事処「あすか野」からの眺め |
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今回も3名の方が入会され代表から紹介。 3名の方、それぞれユーモアをまじえた挨拶に全員歓声と拍手で歓迎。 続いて晴れやかに声を揃えて乾杯! 和やかに宴がはじまった。 |
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笑顔満開の乾杯! (◇) |
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豪華幕の内「飛鳥川」 |
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「創作古代食」と銘打った昼食は、天魚(あまご)の塩焼き、新鮮でとろけるようなお造り、海と季節の野山の幸の天麩羅や煮物、山菜、グラタンには古代チーズ「蘇(そ)」が入っているのかも? とろろ汁に柿の葉寿司、笹の葉餅、極めつけは古代米のご飯。 |
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至福のあとの笑顔 (◇) |
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今回は、北摂文芸クラブ発足以来70回目の記念例会。平成9年から18年間続けてこられたのは会員の皆さんのおかげ、アルコール党、ノンアルコール党、それぞれに飲み物を配り、じっくり、ゆったり歓談し、身も心も満たされた。 |
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【飛鳥寺(飛鳥大仏)】 |
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飛鳥寺は崇峻(すしゅん)天皇元年(588)に百済(くだら)から仏舎利(ぶっしゃり)が献上されたことにより、蘇我馬子が寺院建立を発願(ほつがん)し、推古(すいこ)天皇4年(596)に創建された日本最初の寺であることと、推古天皇17年(609)に中国からの渡来人で仏師の鞍作鳥/鞍作止利(くらつくりのとり)によって造られた日本最古の仏像、「飛鳥大仏」で有名。 |
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飛鳥寺入り口と飛鳥大仏 |
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飛鳥大仏と通称される「銅造釈迦如来坐像」は、像高は275,2cm、銅15トン、黄金30kgを用いて造られたそうで、昭和15年に国の重要文化財に指定されている。 |
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萩しぐれエキゾチックな如来像 (◆) |
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興味深い飛鳥寺の縁起などについてのお話を熱心に聴く (◇) |
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飛鳥寺話聞き入る今朝の秋 (◆) |
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昭和31年から32年の発掘調査で、創建当時の飛鳥寺の全貌(ぜんぼう)が明らかになった。伽藍(がらん)は南大門、中門、塔、中金堂(ちゅうこんどう)、講堂と一直線に並び、さらに塔の東西に金堂を配する「一塔三金堂式伽藍」であったことが判明した。寺域は東西約200m、南北300mもあったそうだ。 |
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興味をそそられるのは、寺の正門である南門より西門が大きかったこと。その理由は、飛鳥寺の西には飛鳥の象徴ともいえる「槻の樹広場」があったためだろうと推定されている。 |
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雨も止み晴れやかに記念写真 (◇) |
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スタートから18年になる北摂文芸クラブは、東は名古屋、西は岡山、南は和歌山、北は金沢と巡ったが、明日香村を訪ねたのは今回が初めて。 |
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やはり来てよかった。明日香には、いわゆる絶景や城、大寺院などはないが、穏やかな空気がただよい、母のふところに帰ったような懐かしさがある。その根底は「やさしさ」ではないだろうか…。 そう思わせる「蘇我入鹿の首塚」を見た。 |
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首塚や秋立(あきた)つ雨に傘もなく (◆) |
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供花が絶えない蘇我入鹿の首塚 |
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中大兄皇子(なか の おおえのおうじ)・後の天智(てんち)天皇と、中臣鎌足(なかとみ
の かまたり)・後の藤原鎌足(ふじわら の かまたり))が、飛鳥寺西隣りの槻の樹での蹴鞠(けまり)で出会い、それを機縁に、政治改革を企て、宮中で蘇我入鹿を暗殺する「乙巳の変(いっし の へん)」を起こし、大化の改新と呼ばれる改革を行い、天皇中心の国家が形成されたわけで、入鹿は歴史的には悪者とされているが、乙巳の変でここまで飛んできたと言い伝えられる入鹿の首塚には、年中供花が絶えないそうだ。死者には鞭(むち)打たない日本人のやさしい心根をみる思いだ。 |
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初めての明日香の旅は、訪問先も食事も素敵であった。明日香にはまだまだ観たいところが多い。いつの日にかまた訪ねたい。 | ||
帰途、柿の葉寿司の名店に寄る。土産に、夕食に、と量の多寡(たか)を選びお買い物。渋滞もなく順調に高槻へ向かう。いつものように、世話役から、次回例会のPR、添乗員さん、ドライバーさんへ楽しく安全な旅ができたことへの感謝。添乗員さんからの挨拶を受け、予定時刻より早く高槻に無事帰着。 時折の小雨であったが、ホットないい旅でした。 |
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<俳句>桐山俊子(◆) | ||
<写真>竹内一朗(◇) 下田紘一(★) 永野晴朗(無印) | ||
<文>永野晴朗 |
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