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☆第65回 焼き物の里信楽の窯元見学・街並み散策と
湖南の名所を巡る旅

2014(平成26)年529()

参加者50

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風薫る五月の旅は甲賀路に サツキの大きな刈り込みが特徴の大池寺

六古窯の一つで 狸や大形焼物で有名な信楽を訪ねました


 2月の例会のあと山が笑い、そして今、山は滴っている。五月の旅は、緑の旅。清々しい旅。空も晴れ渡り気持ち良い朝だ。皆さん出足よく満席の車内に笑顔が溢れる。

嬉しや前回と同じ運転手さんだ。今回も出発前に安全運転や車内環境への心くばりの挨拶。全員拍手喝采。定刻10分前に出発!

いつものように、世話役から、大勢参加してくれ、申込み後のキャンセルが一人もなかったことへの感謝、会員動静報告、配布資料の説明。添乗員さんからは、本日のスケジュールと見どころ、車内や訪問先での諸注意。

名神高速のリフレッシュ工事の渋滞が思ったほどではなく、バスは新名神高速を経て、最初の訪問地「大池寺」に着いた。


【大池寺】

大池寺(だいちじ)の起源は奈良時代末期、諸国行脚の高僧・行基(ぎょうき)が日照りに悩む農民のため、心という字の形に4つの池を掘り、その中央に寺を建て、一彫りごとに三拝したという「一刀三礼(いっとうさんらい)の釈迦如来丈六坐像」を安置したことに始まるそうだ。

1577(天正5)年、兵火に遭(あ)い、境内全域が焼き払われ、一時荒廃したが、1667(寛文7)年、丈巖慈航(じょうがんじこう)禅師によって再興された。


  門前の案内板                        大池寺山門 (☆) 

ここは、小堀遠州が寛永年間(162444)につくったとされるサツキの大きな刈込みの「観賞式枯山水庭園」と、幸い戦火を免れた「釈迦如来丈六坐像」が有名である。

青葉輝き、初夏の陽光を浴び、にこやかに記念撮影 (◇)

 
     蓬莱庭園の由来や作庭意図などの説明を聴きながら観賞 (◇)  
 
水口城築城記念としてつくられた「蓬莱庭園」    茶菓を頂きながら庭園を愛でる (☆) 

万緑の線条美わし名庭かな(◆)

 
      釈迦如来丈六坐像 (☆)          本堂での説明と法話を熱心に聴く 

緑さす如来坐像に手を合わす(◆)

 蓬莱庭園は、サツキの線条が大海の大波小波をあらわし、白砂の水面上に宝船を浮べ、中に七つの石と小さな刈り込みで七宝と七福神を象徴しているという。

今は緑ずくめの中にサツキの花が幾つか紅を散らしているが、秋には背景の紅葉に彩られ、冬は華やぐものが消え閑寂となることだろう。四季ごとに趣が変わっても、刈り込まれたサツキはそれぞれの季節の大海を描く。まさに「静中の動」とも言うべき庭園で、そこに小堀遠州の作庭意図を窺うと大池寺のパンフレットにある。

本堂は禅宗建築における仏殿様式で、床は瓦敷きになっている。本尊釈迦如来は、丈六(16尺)の坐像で、八尺(約2.4m)の高みから慈眼(じげん)を注いでくれている。案内してくれた住職の詳しく丁寧なお話で感動のひと時を過ごした。


JAグリーン花野果市】

 大池寺から15分ほどの所にある、JA直営の花野果市(はなやかいち)に寄る。 ここは「エブリデイフレッシュ 毎日が旬」を合言葉に、地元特産品の米、茶、四季折々の農産物を始め、その農産物を素材にした加工品、乳製品、食肉、卵などを販売している。 とっても新鮮で、加工品も魅力的な品が豊富だ。さて、どれにしようか。
        

新鮮な野菜や竹の子、淡竹(はちく)もある           豊富な加工品

青々と花野果市(はなやかいち)の莢豌豆(さやえんどう) (◆)


【昼食 レストラン「山びこ」】

 花野果市を後に本日の食事場所、朝宮(あさみや)地区へ向う。40分ほどでレストラン「山びこ」に着いた。なんと、「定休日」の札が掛かっている。我々だけを迎えるためのご好意なのか? 今回も新会員3名の紹介と挨拶。歓声と拍手で歓迎。続いて恒例の乾杯! 賑やかな宴の始まり…。

椅子席にくつろぎ、元気に乾杯! (◇)

レストラン「山びこ」自慢の陶板付き会席膳

 胡麻豆腐とイクラ、鯛・鮪・ハマチの造り、鯛・茄子・山芋煮、茶碗蒸し、サワラの味噌焼、和牛の陶板焼き、アサリの赤出し、シメジの炊込み御飯に香の物、デザートは抹茶のムース。

 陶板焼きのためか肉が柔らかい。茸をふんだんに使った料理が山里の風情。炊込み御飯は何人も御代りした。

朝宮は日本五大銘茶(朝宮・狭山・宇治・静岡・大和)の一つに数えられている茶所なので、朝宮抹茶のムースは、ソフトな舌触りで酷(こく)が深い。 そして、なにより、料理が盛られた信楽焼の器がいい。舌と目で賞味堪能した。

至福なり陶板ステーキ風薫る(◆)


【信楽陶苑 たぬき村】

 信楽は、奈良時代に紫香楽宮(しがらきのみや)が造営され、鎌倉時代に始まった信楽焼は日本六古窯(常滑・瀬戸・信楽・越前・丹波・備前)の一つに数えられ、地場産業として盛んである。「信楽陶苑 たぬき村」に着くと、雲つくような大狸が迎えてくれた。

 巨大タヌキの前で全員の記念撮影 (◇)

信楽焼の特徴は、陶土の特性をいかした大物造りであり、焼成時に炎や灰によってつくられる「火色(ひいろ)」・「ビードロ(青緑色・黄色)」・「焦げ」と呼ばれる独特の色や風合(ふうあい)だという。

 信楽で本格的な焼物の生産が始まったのは鎌倉中期以降で、甕(かめ)・擂鉢(すりばち)・壺(つぼ)などを生産していた。室町末期から茶の湯(茶道)の流行で、素朴な風合が茶道具として人気を集めるが、主な生産品は昔も今も生活用品である。

現在は、花器・食器・盆栽鉢・庭園用品・建築用材・飾り物など多彩。信楽焼といえばタヌキの置物が頭に浮かぶが、現在のようなタヌキが生産されるようになったのは、昭和になってからで、ことに、昭和26年の昭和天皇行幸の際、日の丸を持ったタヌキを沿道に並べ歓迎した様子がマスコミに取り上げられ、信楽タヌキが一躍有名になり、全国から注文がくるようになったそうだ。

 

    素焼きの湯呑に6色の絵の具で          真剣に世界で一つの湯呑を作る

絵付け風景 壮観なり (☆)

 たぬき村絵付け楽しむ五月尽(ごがつじん) (◆)

絵付けを楽しんだあと、村内自由行動。登り窯見学は店員さんが案内してくれた。多くの人は売店でお買い物。基本の八相縁起の狸をアレンジして、福々狸・満願成就狸・近江商人狸・フクロウ付福狸・福熊手狸、忍者狸など種類も価格もいろいろ。値段交渉も楽しめる買物でした。

緑さす信楽狸相(顔)撰ぶ (◆)


【寿長生の郷】

 帰途、瀬田川南郷洗堰近くの丘陵地に63千坪の敷地を有する、「叶匠壽庵(かのうしょうじゅあん) 寿長生の郷(すないのさと)」に寄った。古民家の案内所で小休止し、お茶菓子の接待を受けて売店や展示物のある三徳苑へ向う。滴るみどりが旅の疲れを癒してくれる。

   

   総合案内所でちょっと一服 (☆)        長屋門前で寿長生の郷の説明を聴く (☆) 

   

   三徳苑の一室 (☆)                     八代池 (☆)

広大な敷地には、梅林・柚子畑・池・山羊農園・川床テラスカフェなど、見どころ、楽しみどころがあるが、今日は観てまわる時間がない。有名な和菓子店なので、思い思いに銘菓を求める。

 すべての観光を終え、一路高槻をめざす。渋滞もなく予定より20分も早く無事高槻に。運転手さん・添乗員さんに感謝の拍手。 終日好天に恵まれ、身も心も緑に染まるいい旅でした。



<俳句>桐山俊子(◆)

<写真>竹内一朗(◇)  見城好豊(☆)  永野晴朗(無印)

<文>永野晴朗