☆第33回  関宿 & 松阪

〔 平成17年8月5日(金) 〕

街道は人と物 そして 情報を運び 宿場町は文化を育む

そこに刻まれたものを訪ねました

参加者35名


関宿 (国の重要伝統的建物保存地区・日本の道百選)

  東海道五十三次、江戸から47番目の宿場町。

東西の追分から伊勢別街道、大和街道へつながる交通の要衝。

  1.8kmにわたる街並みには1本の電柱もなく、連子格子・白壁塗

籠・幕板・漆喰細工etc. 江戸時代の宿場町の面影を留めながら

日々の生活が静かに営まれている。


「関宿旅篭玉屋歴史資料館」と「関まちなみ資料館」では、江戸時代の

旅篭建築様式・家具類・旅に関する資料・浮世絵・
関町の文化財・歴史

資料・町並みの移り変わりなど興味をそそる。じっくり見学したい所だ。

◆関宿は 古代三関(さんげん) の土地

天智(てんじ)朝に設置とされる三関の一つ鈴鹿関が置かれたことが地名の由来。 

 ◆関宿は 「関の山(なし得る限度)」 の語源由来地

関の山の山車のことで、二つの説がある。

関町の山車は、これ以上の贅沢はできないほど互いに

華美を競いあったことによる説。

関町は道幅が狭く、これ以上は大きく出来ないギリギリの

大きさの山車を造ったことによる説。                          

地蔵院の鐘楼 ( 国重文 )
銀行も町並みに馴染む 庵看板
字は京都側が漢字、江戸側が平仮名
旅人が方向を間違えない工夫という
松阪

◆松阪は 商人の町

戦国末期、城主蒲生氏郷は参宮道を取り込む城下町を

つくり、商人の町としての基礎を築く。やがて
松阪木綿

一大産地となる。

◆松阪は 国学発信の町

江戸中・後期の国学者本居宣長の生誕地。           

宣長は京都に遊学後は松阪に身を置き、日本古来の      

精神を明らかにする『古事記伝』を三十余年かけて著し、    

儒仏を排し古道に帰るべきと説く。

また、古典や古語を文献的に研究するなかで「もののあわれ」

文学評論を展開し国文学上の功績も残した。

松阪木綿手織りセンター
各種製品の展示販売
機織り体験もできる



◆松阪は 松阪牛の町

  松阪牛とは「血統正しい但馬地方の雌仔牛を、

松阪牛個体識別管理システム対象地区
で肥育した

処女黒毛和牛」と定義。

  藁・大麦・ふすま・大豆粕などの飼料、食欲増進

のビール、 
血行及び毛並み良化のマッサージ、快眠の

ため頻繁な敷き藁
交換と、正に手塩にかけた肥育という。

本居宣長旧宅跡

◆老舗「牛銀」でスキヤキ昼食

  霜降り極上松阪牛肉を一人150g頂く。

とろける旨さ口中に広がり、満座は恵比須顔。

最高の暑気払いでした。



    生活の音静かに流れ

 町並み保存に努める関宿

       地元ガイドによる

 逸話を織り込んだ案内の松阪

 蝉も鳴きやむ炎天下 汗だくの旅




スケッチ提供: 正延善彦   写真提供: 桐山俊子   文・写真提供: 永野晴朗