2014年2月
             守山市在住 松本 優さん
 
◆バイクとの出逢い 

    私とバイクとの出逢いは53歳の時です。ある日 突然娘が自分でバイクを買って家に乗って帰って
    来るではありませんか、もうびっくり仰天。アメリカンタイプの中型バイクでした。
    前年、私は勤続30周年記念で妻と北海道に4泊5日の旅行に出かけました。旭川空港から車で美瑛
    、富良野、札幌、小樽、洞爺湖、函館のドライブでした。
    娘のバイクを眺めているとむしょうに、もう一度バイクで北の大地の道を走りたくなりました。
    それがきっかけで、現役時代から含めると北海道のバイクツーリングは8回目となります。
    今回も、娘のバイクを借りて行って来ました。 
◆出発 7月1日 自宅~敦賀 70km 
    今日は昼までアルバイト。朝 家の神棚と仏壇に旅の無事と安全祈願をする。奥さんに
    「行って来ます」の挨拶をして、いざ出発。地元の神社でも安全を祈願。神社で老人会が
    清掃をしておられた。 気を付けてと励まされる。仕事終了後、敦賀港へ自宅から約70 キロ。
    フェリーの乗船時間は夜の12時。時間はかなり早いが、夜バイクで走るの危険がいっぱい
    なので昼間に走行する。途中、びわこ大橋の道の駅で昼食。161号線、8号線を経由して
    17:00に敦賀港に到着乗船時間まで時間をつぶす。

新日本海フェリー「すいせん」(新造船)

いろんなバイクがあるもんだ。
いよいよ乗船、緊張の時だ。
  約20名ぐらのライダーがいる。

私のバイク
チエーンとロープで固定される
◆2日目 7月2日  フェリー→苫小牧東港~鵡川 10km

ツーリストS寝台(個室)


 
フェリーの中では、暇なのでお酒と寝る


日本海は凪で快晴

    約19時間の航海を経て、20:00に苫小牧東港に到着。北の大地の風が気持ち良い。
    今夜は「道の駅 鵡川」でテントを張ってキャンプ。コンビニ弁当とビールを飲んで早めに就寝。
    *鵡川町:ししゃもの産地、女子スピードスケートの田畑真紀選手の出身地。

◆3日目7月3日  鵡川~美瑛 170km

朝6時に起床。素早くをして荷造りをして出発。途中 コンビニで簡単な朝食
(おにぎり・玉子・チーズ・お茶)。
   
一路 富良野・美瑛を目指しアクセルを握る。日高峠を越え、富良野ヘ。
本日の宿舎は予約しておいた馴染み美瑛の民宿。
10人程の宿泊客の内、日本人は私を含め2名で、その他は台湾と中国のお客様。

富良野の「ファーム富田」
ラベンダーは少し早かった

道の駅「南ふらの」で富良野メロン
を食べる美味かった




民宿のおかみさんと娘さん 長い付き合い
おかみさんは倍賞千恵子にソックリ
娘さんは美人

お手伝いさんのドイツ人
宿泊と食事は無料らしい 昨年は台湾人



娘さんは一昨年結婚、
昨年出産、今年は


◆4日目 7月4日 美瑛~初三別 220km
  昨夜は久しぶりに出会った民宿の親子と楽しい会話が進み、
美味しい食事とお酒が楽しめた。
ここ数年は、外国のお客さんが多いと、オカミさんが言っていた。
昨日も富良野の冨田ファームで中国・台湾系の観光客を多く見かけた。

本日の行程は旭川を通過して日本海のオロロン街道を目指す。
旭川は北海道で第二の都市。通過するのに苦労した。
バイクで走っていると時々、ライダーに出会う。
その時は、お決まりの「ピースサイン」が北海道では定番。

幌加内(ほろかない)を通過して日本海側の町「苫前(とままえ)
に到着。いよいよ「オロロン街道」の入り口。
オロロンとは、この辺に生殖する鳥の名前らしい。 
本日の宿泊は「道の駅ロマン街道 初山別」(しょさんべつ)の
キャンプサイト。
 
   
マイルドセブンの丘   一泊/2食で5000円お酒持込OK

約100基の
風力発電用のプロペラ~高さ90m


東京から電動自転車で来た
おじさんと出会う


ガードレール・横断歩道・信号なしの
直線道路。ライダー人気NOー1の道
 
 綺麗な芝生のキャンプサイト
夕食は焼肉とビールと焼酎
日本海に沈む夕日 感動的 
◆5日目 7月5日  初山別~稚内 120km

オロロン街道をさらに北上して、今日は稚内へ。宿泊はレッドバロンの
バイクステーション。レッドバロン稚内バイクステーションは7月~9月
の夏場だけ営業。部屋は2段ベッド。

レッドバロンのバイクステーションは、北海道に13箇所あるが、宿泊施設
があるのは稚内・北見・釧路の3箇所。
レッドバロン稚内のバイクステーションは、1泊2100円(会員)。 

ノシャップ岬 利尻富士が見える

  三色丼
(いくら・うに・ホタテ・2千円) 
  ご飯のおかわりをした。美味い!!


昨年テントを張った巨大な防波堤ドーム 
 ビデオ(事)のOBに出会いお世話になった

 
                この裏にテント200張り出来る芝生のキャンプサイトがある。
                8月の最盛期には500人位のライダーが集結するらしい。
               
この女性は、長野県の介護士で夏場
だけライダ-のお世話をしている
ボランテイア。 宿泊は無料。
 
◆6日目 7月6日 宿舎~稚内港 8km  礼文・利尻島

昨夜は宿泊しているライダーでミイーテング。
殆んどが私と同年代の中高年で、この時期に長い休暇を取って北海道に
来るのは、現役のサラーリマンでは到底無理な話。

宴会で利尻島と礼文島の話で盛り上がりました。長野の介護師の女性が
松本さん、ここまで来たら是非とも利尻・礼文へ行くべき!後悔するよ」
と言われ、明日は礼文・利尻に行く事に決めました。

朝8時に起床してバイクで稚内港へ。礼文・利尻周遊のフェリーチケットを購入。
 
礼文島

 
礼文島は50ccのレンタルバイクで島観光
礼文最北端のスコトン岬 海の色が綺麗
晴れた日には、サハリンが見えるらしい。
 
利尻富士


昼食に、礼文の港で本場の、うに丼 (2500円)と ビールを頂く。
美味かったがビール2本飲んだのが悪かった。礼文から利尻に向う船の中で
船酔いだ。利尻島は観光せず、フェリーターミナルの 待合室で昼寝。
ぐっすり昼寝をした後、喉が渇いたので、フエリーターミナル前の食堂へ。
又、ビールと焼酎を飲む。

食堂のおかみさんとお話。利尻島の人口は約5000人程。観光客の半分は、
日本百名山利尻富士」への登山客らしい。稚内港行きのフェリーに乗船。
17:00に到着。本日の宿もレッドバロン稚内バイクステーショ-ン 三連泊だ。

    今夜もミーテイグ(宴会)。みんなでお金を出し合い、ジンギスカンだ。
    色んな人がいる。大阪のバス会社のOB・設備会社社長・元高校の教師・東京のフリータで
    会社を辞めて北海道へ来た人等々。
    目的は同じだから、話はすぐに盛り上がる。旅の情報・バイクの事・・・。
    ほとんどが一人のソロツーリングだ。

レッドバロン稚内バイクステーショ-ンに
三連泊し、夜はライダーたちの宴会


◆7日目 7月7日 稚内~紋別 300km

レッドバロン稚内を後にして、日本最北端の宗谷岬を目指す。昨夜、酒を酌み
交わしたライダーが旅の無事を祈って見送ってくれた。

宗谷岬に到着。ここでも、中国系の旅行客が多い。ロード用の自転車に乗って
いる人を見かける。車に自転車を積込み北海道の観光地を自転車で巡るツアー。
中国・台湾人に人気のツアーらしい。
そらそうだろう。こんな景色は中国・台湾には無いと思う。

本日の最終目的地はオホーツクの紋別。オホーツク海を南下するのは
平凡なコース。面白くないので、白鳥で有名なクッチヤロ湖のある
浜頓別(はまとんべつ)から内陸地に入り、音威子府(おといねっぷ)、
美深(びふか)を経由して名寄(なよろ)から紋別を目指すことにした。

それにしても、北海道の地名の読み方はむずかしいわ。
こんな読み方の地名があります。新冠(にいかっぷ)、占冠(しむかっぷ)
、弟子屈(てしかが)

宗谷岬 写真を撮るのは順番
 
                        樺太を発見した間宮林蔵
    浜頓別手前の道の駅で、自転車で北海道を回っている(チャリダー)大阪の女性に出会った。
    25歳ぐらいの美人。会社を辞めて6月に飛行機で北海道へ、自転車はバラバラにして宅急便で送り
    、北海道で組立てたと言う。自転車で1日の走行距離を聞くと、100キロがいいところで
    向い風・坂が多いと60~70キロの時もあるらしい。 
    今日は、クッチヤロ湖でキャンプ予定 別れ際に笑顔で手を振ってくれた。クッチヤロ湖まで30キロ
    ガンバレ 
 


道の駅で適当に休憩しながら走行する。交通量が少ない。
2時間ぐらい 一人旅が続く時がある。
17:00頃 紋別に到着

宿舎は飛び込みで「紋別プリンスホテル」。
予約していないので、夕食はない。コンビニで弁当とビール
と焼酎を買う。

ホテル内の温泉「紋別美人の湯」で疲れを癒す。
部屋からオホーツク海に沈む夕日を見ながら、
ビールと焼酎を飲む。

心地よい疲れと酔いだ!! 奥さんに電話で現在位置と
旅の状況を報告。
それと、畑に植えた夏野菜(ナスビ、トマト、キュウリ)の収穫をお願いした。
◆8日目 7月8日 紋別~知床 230km
 
ホテルの朝食バイキングをしっかり食べて出発。
オホーツクを、さらに南下して知床を目指す。

天気は最高。ライダーにとって一番嫌なのは雨。
3年ほど前の事、2週間北海道を巡るうち10日間が雨。
あれは辛かった。
今回は最高。本日は温度25度・快晴、
絶好のツーリング日和。

いよいよ知床、世界遺産だ。ウトロから羅臼への
「知床横断道路」を走る。何だこの道は、絶景だ!!
思わず「知床旅情」を口ずさみながら走ると、
前方に国後島がうっすら見える。
こんなに近いのに、なぜあの島はロシア領かと思う。
 
網走刑務所を見学。ここの囚人は、主に 旭川から北見につながる道路建設に従事したらしい。

    知床五胡から徒歩約30分で、「カムイワッカの湯」がある。秘湯の湯で滝つぼが温泉。
  来年はぜひとも行きたい。
  今夜の宿泊は、飛び込みで羅臼の民宿。国後を見ながら 温泉につかり、疲れを癒す。
    部屋でビールと焼酎を飲みながら奥さんにTEL。

羅臼岳



知床横断道路

◆9日目 7月9日 知床~北見 200km


今日も天気は快晴。知床半島を南下して、中標津(なかしべつ)に入り、摩周湖、
美幌峠から、北見のレッドバロンを目指す。途中、ホクレンでガソリンを給油する。
北海道の道は直線が多く信号が少ないので、ガソリンは実によく伸びる。
リッター40キロ近く走る。

ついに来た。開陽台北19号 ライダーの聖地と呼ばれている道。
直線で道がうねっている。2年前、この近くの道を走っていた時、
20m前方を熊が道を横切った事を思い出した。
その時は、ビックリ!!


   開陽台に到着。地平線が綺麗だ
 

昼過ぎに摩周湖に到着。それにしても暑い
 7月というのに30℃以上ある。 


美幌峠(びほろ)からクッシャロ湖を望む。
   
奈良のライダーは砂金専用の鍬
をバイクに積んでいる。


16:00頃、北見のレッドバロンバイクステーションに
到着。シャワーと洗濯をして、近くのコンビニへ買出し。
ビール・ 焼酎・ツマミと弁当を買う。

このようなバイクステーションはライダ-にとって、安価で
便利につきる。もっと、北海道に増設して欲しいと思う。

宿泊しているライダーは私を含め4人。三重・奈良・群馬
・滋賀の人。

・三重のライダーは、1年前に脳梗塞で倒れる。右足に
 後遺症。
・群馬のライダーは、夕食時、500mmのアサヒスーパ
 ドライを6本飲む。よく飲むな
・奈良のライダーは、毎年、砂金を採りに来ている。
 専用の鍬をバイクに積んでいる。今年は、利尻富士を
 登山したらしい。
◆10日目 7月10日 北見~上富良野 280km


今日も天気は快晴。本日のルートは三国峠を南下、上士幌(かみしほろ)、
鹿追、新得、狩勝峠を経由して富良野の日の出公園を目指す。
北海道の中央、酪農地帯へのツーリング。

いよいよ十勝平野へ。この辺は酪農地帯で牧場がたくさん点在している。
牧場が近くづくと、牛の独特な臭い。北の大地の臭い。
それにしても、真直ぐな直線道路が、いつまでも続く。
しかも、交通量は極端に少ない。1時間走って、10分休憩。
新得町は蕎麦の産地。国道沿いの蕎麦屋で、ニシン蕎麦を食べる。
美味かった。

狩勝峠を越えて、富良野へ道の駅で富良野メロンを頂く。

三国峠。写真愛好家の人々(60歳以上?)

まるで樹海の中を走っているようだ。
途中、鹿の死体を発見。
鹿の飛び出しに注意しなくては!


上富良野の「日の出公園キャンプ場」
十勝連邦を望む綺麗なキャンプサイト


シャワー後、スパで買ったステーキとビール
と昆布の焼酎で夕食。昆布の臭いが強烈。


東近江市から来た。カブのライダー
昨夜は、一緒に酒を飲んだ。


◆11日目 7月11日 富良野~美瑛 20km
   
    昨夜の夜、美瑛の民宿にTELで、部屋を予約。休養を兼ねて、民宿でゆっくりする事にする。
    上富良野から美瑛に行く途中、NHKドラマ「北の国から」の舞台になった、麓郷の里にある
   「拾って来た家」に立ち寄る。もう、このドラマを知っている人は少ないだろう。

「拾って来た家」


北の国からで「宮沢りえ」が入った
混浴の露天風呂「吹き上げの湯」。
お湯が熱かった。



美瑛の「青い池」、なぜ、こんな色。
ここでも中国系の外人
    昼過ぎに民宿に到着。昼飯は外へ食べに行く事にした。すると何と。大津の坂本にある「鶴喜蕎麦」
    があるではないか。滋賀の蕎麦屋が北海道に店を出しているとは驚き! てんぷら蕎麦を食べる。
    民宿で午後4時頃まで昼寝。

    夜、女将さんとお酒を飲みながらお話。今年の秋に新しく、新館を建築すると言う。
    来年は、是非新館に泊めてあげるとの事。楽しみだ。

民宿の部屋(シングル、)けっこう綺麗。
エアコンは無い、扇風機が1台。


民宿のおじいさんが、経営するお店で、
メロン(3個)を購入し家に送る。

◆12日目 7月12日 美瑛~苫小牧東港 180km

      いよいよ、北海道最終日。朝食後、休憩していると、おかみさんの
      友達が来た。一緒にお話。美瑛の冬はマイナス20~25℃まで下がる。
      暖房について聞いてみた。主流は、FF暖房と大型の石油ストーブで
      部屋の温度は25℃ぐらい。若者は半袖でビールを飲んでいるらしい。
      しかし、外出する時は、必死との事。

      新日本海フェリーの苫小牧東港~敦賀のチケットを電話予約し、
      帰り支度。11時頃、おかみさんに見送られ、美瑛を後にした。
      苫小牧を目指し、穂別(ほべつ)付近の国道を走っていると、
      コンビニに2人の女の子がいた。私のバイクを見るなり、
      飛び上がって手を振ってくれた。うれしい限り。
      私も手を振って応えた。道の駅では必ず、休憩をする。


富良野の国道沿いのメロン農家で
メロンを食べる。
今回はよくメロン食べるわ。


17:00頃 苫小牧東港に到着。ライダーが次々とターミナルに到着。
福岡県から来た65歳位のライダーと会話。
ヤマハのドッラグスター(400cc)に乗った鉄工所の社長。
行きは舞鶴から乗船して、帰りは敦賀から北陸道・名神を経由し、
ひたすら中国道を走って、福岡に帰ると言う。大変だ。 
それに比べると滋賀県の私は恵まれている。

富良野の日の出公園で一緒に酒を飲んだ、東近江のカブのライダーも来た。
20:00にフェリー「すいせん」が入港。30人程ののライダーがフェリー
から降りて来た。「安全運転」で・・と、手を振る。
12::00いよいよ乗船。
翌日の20:00に敦賀に到着。敦賀のビジネスホテルに宿泊して、
7月14日の朝、無事帰還。
◆まとめ
   
  
走行距離:約1700km
    今回の、ツーリングは天気に恵まれ又、いろんな人との出合いが楽しかった。
    「北の大地」は、言葉では言い表せない何かがあると思う。あるライダーと話をした時、
    この道を走った者しか分からないと」・・・・