『 伊勢遺跡祭』  

 
私が住んでいる守山市伊勢町には、弥生時代後期の遺跡・伊勢遺跡が
あります。
「伊勢遺跡は東西約750m、南北約450m、面積約30haに及ぶ大規模な
遺跡で、弥生時代後期の集落遺跡としては国内最大級です。
さまざまな形式の大型建物が計13棟も発見されており、『國(クニ)』の成
り立ちを知る上で、全国的に見ても非常に貴重であることから平成24年
1月24日付で国史跡に指定されました。」(パンフレットより抜粋)
なお、「伊勢遺跡」の命名は昭和55年に最初に発見された伊勢町の
地名によるものです。

このような大規模な遺跡の発見とその後の調査からは、ロマンに満ちた
さまざまな仮説と想像が発生しました。

  ・「弥生時代後期のクニの中枢部ではないか」
  ・「伊勢神宮のルーツではないか」
  ・「魏志倭人伝に出てくる邪馬台国こそ伊勢遺跡ではないか」
  ・「ここに卑弥呼がいたのではないか」等々

邪馬台国の存在場所は今日まで九州説や近畿説など色々な主張が
なされていますが、いずれも決定的な証拠がありません。それだけに
邪馬台国に関する魅力と浪漫はさらに膨らみ、「邪馬台国 近江説」
すなわち「邪馬台国は守山にあった」とする著作も次々と出版されて
います。



  
 伊勢遺跡マップ
 
遺跡建物のジオラマ1 右端は楼観
 
邪馬台国近江説の本

 
  伊勢遺跡祭は、このような地元の盛り上がりの中で、伊勢町、阿村町両自治会、並びに伊勢遺跡保存会が
  共催し、守山市教育委員会の後援で開催されます。
  平成26年(2014年)の第一回に続き、平成27年(2015年)10月31日~11月1日にも第二回が盛大に開催され
  ました。
  平成27年の一日目は、自治会館を会場にして町民の文化作品展示と併せてNPO守山弥生遺跡研究会の
  田口理事長が伊勢遺跡についての講演を行いました。
    

文化祭1 

文化祭2
文化祭3

  
  守山市では毎年7月の守山夏祭りで「卑弥呼コンテスト」を実施し、多くの応募者の中から審査の上その年の
  「もりやま卑弥呼」さんを選びます。
  二日目のオープニングには、守山高校書道部による「邪馬台国近江説 卑弥呼が眠る里」のダイナミックな書
  をバックにして「第五代もりやま卑弥呼」さんが登場。続いて地元守山南中学校吹奏楽部による迫力ある演奏
  で、会場は大いに盛り上がりました。



第五代もりやま卑弥呼さん

 
守山南中学ブラスバンド
  伊勢遺跡の上に造成された「伊勢遺跡多目的広場」では古代の火起こし体験、古代米の再現と試食、伊勢
  遺跡のジオラマや弥生時代の竪穴式住居の体験を楽しみ、近くの神社境内では自治会の各班が担当する
  模擬店が出展し、大人も子どもも楽しい一日を過ごしました。
  


火起こし1  煙が出るまでガンバレ

 
大きな道具で火起こし2

古代の黒米づくりと試食

 
弥生時代の竪穴住居を復元
 
伊勢遺跡のジオラマ 円周上に配置された
独立棟持柱付き大型建物群

 
伊勢遺跡のジオラマ2
 
遺跡保存会会長の説明に熱心にメモを取る地元小学生

 
食券売場は長蛇の列
 
食券売場の中学生


中学生パワーは大きい
 
模擬店は班単位で役割分担

 
射的 親の方が夢中
 
ジャグリングは子供たちにも大人気

お楽しみ抽選会 いいのが当たったね
 

  祭全体を通して、新鮮な驚きを感じたのが地元の守山南中学校の生徒たちの活躍ぶり。上述した中学の
  吹奏楽部の演奏を始め、模擬店コーナーのいたるところで中学生たちが積極的に手伝うなど、若くはつらつ
  とした力が地元の祭に活気を与えてくれました。

  「住みよいまち、遺跡のまちづくり」をめざして、伊勢町は老若男女が明るく、活発に地元の魅力を作り上げて
  います。

  (参考)国史跡 伊勢遺跡に関する情報は次のホームページからご覧いただけます。
        http://ise-iseki.yayoiken.jp/

 2016年 7月                
<投稿者>                    
守山市在住 植木 龍夫