『 草津市 若草 』

           
◆ はじめに

  「若草」はJR南草津駅からバスで湖南丘陵側に15分ほどのところに立地する住宅地です。
   滋賀県の「びわ湖文化公園計画」の「住まいゾーン」として草津市・大津市にかけて5千戸・2万人の街として
  開発された自然環境に調和し緑豊かでゆとりと憩いのあるまちで、「グリーンヒル」と呼ばれています。
  「若草地区」は1983年秋から分譲が開始されました。現在は、若草1丁目から若草8丁目と隣接する
  岡本西を加えて9町で構成 され、世帯数は1043戸、 人口2668人 (2015年3月)のまちです。
  「追分南9町」を加えた新しい小学校区に再編されました。また、地域活動の運営も平成26年度から小学校
  区を単位とした活動になり、全体としては若草地区・追分南地区合わせて6000人のまち(地域)へと変遷し
  てきています。分譲開始当初は「陸の孤島」の様相で不便な地域でしたが、山手幹線の開通・JR南草津駅の
  新設・かがやき通りの開通で便利になりました。ただ近年交通量も多くなり朝夕の渋滞が少し気になるように
  なってきました。

 
現在の町並(遠景)

 
団地造成時の様子(1983年飛島都市開発 販売パンフレットより)
 
朝は渋滞(ほとんど通過車両)

◆自然環境

  湖南丘陵を切り開いて造成したため自然の緑が多く、西には立命館大学と境を接する小山の稜線に
  沿って草津側(若草)から大津側(青山)につづくアップダウンのある「りょうぶの道」、その先につながる
  標高221m(実質登攀高さ90mほど)の 「牟礼山」と適度な運動が楽しめるコースがあります。
  牟礼山山頂からは北に草津市街・琵琶湖・比叡山を眺望することができ、晴れた日には爽快な気分を
  味わわせてくれます。
  東には、街路を下ったところに桐生からの伯母川(おばがわ)のせせらぎが琵琶湖まで流れています。
  伯母川沿いは平たんなコースで桐生に向かって緩やかに上がっており、散歩される方も多く見受け
  られます。きれいなせせらぎで6月には「ホタル」を観察することができます。周辺には貸農園があり、
  農園を借りて「自家用菜園」を楽しむ方もおられます。ご自分の健康と新鮮な野菜と魅力いっぱいです。

 
若草をとりまく自然(りょうぶの道~牟礼山、伯母川) 牟礼山は「草津市唯一の山」です
 
 
牟礼山自然遊歩道案内


りょうぶの道への登り口・・・春には桜
 
 
りょうぶの道

 
牟礼山頂上付近・・・松が丘へ

 
「牟礼山に住む野鳥案内」春には鶯の声が・・・

牟礼山頂上展望台より眼下に若草を望む

 
しょうぶ池(松が丘)

しょうぶ池にはカモが遊泳
 
 
伯母川沿いには貸農園もあります

伯母川では6月にホタルを観察することができます
 
◆ 町内の施設

  少し大き目の公園が三カ所あります。中央公園は全体行事(夏祭り・防災訓練・グラウンドゴルフ等)の開催、 
  こどもの遊び場、花壇等もあり皆さんの憩いの場となっています。西公園、東公園とそれぞれ特徴ある公園
  となっています。
  中央公園と並びで医療ビルがあり、若草診療所(総合診療)・耳鼻咽喉医・眼科医が入居し地域医療を担って
  いただいています。志津南市民センター(公民館) には、地域活動の拠点として「まちづくり協議会事務所」も
  併設されています。
  地区内には、志津南小学校のほかに若草くるみ保育園、郵便局、滋賀銀行、CATV(ZTV)もあります。
  小学校は若草の児童は少なく、数年前より追分南地区の開発が進みその地域からの児童がとても多くなって
  います。この地域は30年前の若草の状況と同じです。
 
 ◆町内環境基準

  当初から建築協定・緑化協定が締結されていて、「緑化率15%」が設定され各住戸の境界は生垣で緑に囲ま
  れた美しい外観が維持されています。住民の高齢化が急速に進行する中で、良好な環境を維持していくため
  地域協力によるお手伝い等支援活動が進められています。

 
若草中央児童公園
 
若草中央児童公園 遊具

 
各公園には花壇もあり季節の花を鑑賞でできます

若草中央児童公園の運動場

 
志津南市民センター(各種催し、講座)

 
若草医療ビル(若草診療所、眼科、耳鼻咽喉科)
 
CATV(ZTV)、歯科、郵便局、滋賀銀行

 
志津南小学校
 
若草東児童公園、若草くるみ保育園
 
若草西児童公園・・・ストレッチ用具も整備

 
若草の町並(緑化協定により境界は生垣)

若草の町並(バス通路)
 
 ◆超高齢化の加速と地域高齢者福祉の取組み

  住宅は1983年秋から分譲、早い人は本年で入居以来32年を迎えることになります。団塊の世代の方を
  中心に働き盛りの方々が一斉に家を購入され30年以上経過し現在にいたっています。子育ても終わり、
  年金生活に入られる方が急速に増加し若草の人口動態は超高齢化に突入しています。
  地域の高齢化の状況と高齢化に対する地域支援活動の取組みを紹介します。

  高齢化率(65歳以上の割合)は2015年で30%、2022年には42%まで上昇することが推計されています。
  完成した分譲住宅地で、新たに若い人向けの住宅が建築される余地はなく、高齢者に若い人が入れ替わる
  ことでのみ高齢化の進行を抑制される状況です。多世代同居も住宅規模からあまり期待できず当面はひたすら
  高齢化率が上昇するということになり隣近所での「見守り・助け合い」ということが大切になってきています。


 
 ◆ふれあいハウス“絆”

  地域の社会福祉会協議会が集会所を活用し、地域支え合い活動の拠点「ふれあいハウス“絆”」を2012年
  2月に開所しました。ふれあいハウスの運営は多くのボランティアの方の協力を得て金曜日を除く毎日10時
  から16時まで開いており、「ふれあい喫茶の運営」「多世代交流」「高齢者の方への支援活動」等を行っています。
  支援するボランティアの方も会社を定年されたり、子育てを終えられた方々が中心となっています。

   
   



コーヒー(お菓子付で100円)  麻雀風景(電動式)   垣根剪定ボランティア(有償))
     
 ◆送迎支援活動

  草津市では2014年度より、高齢者などの方でお出かけ移動に困っている方を対象とした「地域支え合い
  運送支援事業」が始まりました。
  志津南学区ではこの制度を利用して、安心して暮らせるまちづくりの一環として、送迎用自動車を借り受けて
  地域のボランティアが主体となって行う「地域支え合い送迎支援活動」がスタートしました。(2014年9月~)
  高齢者の通院、地域活動への参加、お買い物等に送迎をお手伝いする取り組みです。


 

 
◆ 安心のバトン 利用活動

  生命にかかわるような万一に備え、救急・医療情報キッド「命のバトン」の導入が各地で広がっています。
  これは現場に駆け付けた救急隊の方に医療情報や緊急連絡先などを知らせ、的確な救急活動をして
  もらうための仕組みです。65歳以上のご家庭を中心に利用活動がスタートしました。(2014年5月~)

   
   
 ◆地域緑化・花ボランティア活動

  緑に囲まれた住みよい町づくりをめざし地域の児童公園・緑道・緑地を常に安心して使用できるよう、
  公園に花を植え、手入れされているボランティアの方々もおられます。 



 公園の下草刈り(ビフォー) (アフター)  定期的に手入れ実施 
     
 ◆おわりに

  平成25年簡易生命表によると男性の平均寿命は80.21年、女性は86.61年です。団塊世代65歳の
  平均余命は、男性で19.08年、女性は23.97年となります。結構長い年月です。
  これからの地域での生き方、地域とのかかわり方をしっかりと考えていかなければならないと思います。
  「明るく元気で、安心して、楽しくすごす」ことをベースにして。
 2015年 5月                
<投稿者>                    
草津市在住 松崎大次郎