国選択 無形民俗文化財
東近江大凧まつり」と「世界凧博物館・東近江大凧会館

 2012年東近江大凧まつり飛翔
「100畳敷大凧」



・名称  「心身 健やか」 
(判じもん) 上部左右に2頭の辰(辰辰・・心身)の絵
を描き、下部に「健」の文字が描かれてい
ます。
併せて、「心身 健やか」となります。
 
・大きさ  縦13m 横12m 重量約700kg
・使用青竹  6寸竹 約50本
・使用和紙  特製手すき美濃和紙 360枚
・使用のり  18L
・制作日数  約1カ月(延べ人数約600人) 
・揚げ綱  太さ20mm 長さ400m
・つり糸  50本
・飛翔人数
 
 約100人(約1畳に一人)
 
*100畳敷大凧は、3年毎につくり替えられます。
  「心身 健やか」大凧は2011年〜2013年の
  「大凧まつり」で揚げられます。
 
 東近江(旧 八日市)大凧は、江戸時代の中頃、子供の出生を祝って、5月の節句に揚げられたのが、始まりと言われています。
 最初は小さな凧でしたが、その後、各村々の競い合いと、技術の進歩によって、凧は次第に大きくなりました。
 近年では、毎年5月の最終日曜日に開催される「東近江大凧まつり」で100畳敷の大凧が揚げられています。
 東近江大凧の最大の特徴は、その大きさであり、今まで揚げられた最大のものは、明治15年の240畳敷の記録が残っています。
 最近では、昭和59年に市制30周年記念として220畳敷が揚げられました。

 東近江大凧には、大きさだけではなく3つの大きな特徴があります。 
1、縦骨を抜いて、凧をロール状に巻いて運搬や
  収納を容易にする「長巻き工法」
2、風の抵抗をうまく利用するために、絵柄に
  沿って透かしを入れる「切り抜き工法」
3、上部に鳥や魚を、下部に文字を描き、図柄に
  意味を持たせる「判じもん」
です。

 大凧づくりは、各村々の秘伝として伝えられてきましたが、現在では、東近江大凧保存会のメンバーが中心となって伝承しています。
 この、「近江八日市の大凧揚げの習俗」は平成5年に国の無形民俗文化財に選ばれています。

 今年の「東近江大凧まつり」は5月27日(日)に市内を流れる愛知川の河川敷で行われました。
 当日は午前9:20からの開会式に続いて、20畳敷大凧揚げや、子供から大人までの様々な団体39チームが参加した手作りミニ大凧コンテスト、全国各地の凧の競演等が行われました。
 そして、いよいよ待ちに待った100畳敷大凧の飛翔です。
 夏を思わせる好天に恵まれたのですが、残念ながら風があまり吹かないばかりか、風向きがくるくる変わる凧揚げにとっては、最悪のコンデションでした。
 結局、この日は都合4回チャレンジし、最後の4回目に、約5mの高さまでフワリと舞い上がりました。これほど風に悩まされたのも珍しいとの声が聞が聞かれました。

 この「心身健やか」大凧は、来年も揚げる予定になっています。
 来年こそは、大空高く舞い上がって欲しいものです。
 
    この100畳敷大凧の現物が常時展示されているのが、「世界凧博物館・東近江大凧会館」です。
 

 
 合併前の八日市市では日本一の大きさを誇る八日市大凧を活かしたまちづくりを行うために「大凧とみどりのまち 八日市」のキャッチフレーズを平成2年に掲げ、シンボルマークの作成、大凧のモニュメントの設置などを行いました。

 さらに、大凧のまちづくりの拠点として、八日市大凧は勿論のこと、日本の凧、世界の凧を一堂に展示する「世界凧博物館・八日市大凧会館」が平成3年5月に開館しました。 現在では「世界凧博物館・東近江大凧会館」と名称は変わっています。

 建物は2階建で、100畳敷大凧の実物展示と国内、海外合わせて約2,600点の収蔵品があり、北海道から沖縄までの日本各地を代表する伝統凧、郷土凧、創作凧など約500点と、カラフルでユニークな世界の凧約100点を常設展示しています。
 特に1階の展示ホールは高さ約16m、4階建のビルの高さに匹敵する吹き抜けがあり、そこに100畳敷大凧の実物が展示されていて、訪れた人々を驚かせています。

 常設展示だけではなく、収蔵物である凧を中心にテーマを設定した夏と秋の大規模な企画展の開催、1月にはその年の干支を展示する「干支凧展」、2月には、節分にちなんだ、「鬼の凧展」など季節を感じる企画展も開催されています。

 大凧会館は凧を展示する場だけでなく、東近江大凧保存会と共に、伝統文化の素晴らしさを体感する100畳敷大凧づくりや、毎年、成人式に飛翔する20畳敷大凧づくりなどが行われています。又、夏休み、冬休みには子供たちを対象とした凧作り教室の開催など様々な活動を展開しています。
 皆さんも東近江にお越しの節は是非「世界凧博物館・東近江大凧会館」へお立ちより下さい。

 来年も、5月の最終日曜日に、「東近江 大凧まつり」が開催されます。「心身健やか」大凧が雄大に飛翔する姿を、是非ご覧になってください。 
  「世界凧博物館・東近江大凧会館」のご案内

     所在地:〒527−0025 滋賀県東近江市八日市東本町3−5
     TEL:0748−23−0081  FAX:0748−23−1860
     ホームページ : http://www.oodako.net
 
■交通のご案内 ■利用案内
 ・お車ご利用の場合(*無料駐車場あり)  ・入館料
  名神高速道路 八日市ICより約7分   一般300円、小中学生150円
  国道8号線友定交差点より国道421号線約20分     *20名以上は団体割引あり
 ・公共交通ご利用の場合  ・開館時間
  近江鉄道八日市駅よりちょこっとバス・近江バス約5分   午前9時〜午後5時
  名神八日市バス停より近江バス約7分     *入館は午後4時30分まで
   ・休館日
 ・徒歩の場合は、近江鉄道八日市駅より約15分   毎週水曜日、祝日の翌日
  第4火曜日、年末年始
 <写真集> 「東近江大凧まつり」
 


100畳大凧を起こします
  


ミニ大凧コンテスト 図柄審査
  

 
 

飛翔開始!
 


ミニ大凧コンテスト 飛翔審査
 
 
 


上がった!!か?
 


バッチリ! 上がった
 
 
「世界凧博物館・東近江大凧会館」



2008年〜2010年飛翔の100畳敷大凧 縦13m 横12m
 「判じもん」:「共生」・・喜(き)+鷹(よう)+生(せい)
 
 

日本の凧
 


 世界の凧

  
                       2012年11月 

                            (取材・写真)

                                          東近江市在住 山住修司