『 岩間寺を訪ねて 』 |
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私の家の二階からはパラボラアンテナが設置されている山が見える。 それが岩間寺がある岩間山である。 岩間寺は西国第十二番の霊場(西国霊場は三十三ヵ所ある)であり、ちなみに紫式部で有名な石山寺は西国第十三番の霊場である。 石山寺は観光バスや自家用車で訪れることが容易なので、訪れる方は多いのだが、岩間寺は毎月十七の日だけのバス運行なので目的地に行くには、車に頼らざるを得ない。 岩間寺は山上にある為、普段では訪れる人は少ない。が、そんな場所だからこそ新しい発見があるのではないかと期待し、訪れた。
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現在修復中の岩間寺本堂 |
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まずは岩間寺の由来を説明しなければならないと思います。 今から凡そ、千二百六十年前、奈良朝養老六年、時の帝 元正天皇が、ご病気にかかられた時、泰澄大師にお祈りさせ、忽ちお癒りになりました。 帝は大変お喜びになって勅願所として創建させられた名刹が、岩間山正法寺です。 ご本尊は元正帝 御齢32歳の前厄の時、印度から勧請され、大厄を除かれた千手観世音菩薩です。 岩間山のご本尊として安置されて以来、「厄除け開運の観音」、「汗かき観音」、「雷除観音」と呼ばれ、霊験あらたかな観世音菩薩です。 ■それでは岩間寺の中を紹介しましょう■ |
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岩間寺の展望台にある絵図 |
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■ 名所めぐり ■ ◇ 古池 境内にはめずらしい史跡がある。それは松尾芭蕉の俳句で誰もがよく知っている“古池や蛙飛び込む水の音”で有名なその古池があります。 |
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本堂の横にある古い池 (松尾芭蕉の俳句に詠まれた池) |
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池 のそばに建つ歌碑 |
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◇ 岩間寺の名水 自動車が走る表参道の途中にある祠。 この祠の横にある筒状の管から地下水が流れ出ている。 |
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◇ 雷神霊泉 その昔、泰澄大師が、ここ岩間山にお堂を建立しようとするとたびたび雷が落ち、大師を困らせた。 |
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霊泉の井戸 |
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霊泉の横の碑 |
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■ 岩間寺の巨木めぐり ■
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◇ その1 桂 岩間寺本堂から北へ少し行った所に ある巨木である。高さは10m以上は あると思われる。周囲は原生林であ り、あまり人の目につかなかったよう だが、現在は周囲が整地され祠も建 てられている。 |
◇ その2 大銀杏 岩間寺本堂の前に位置して立ってい る。銀杏の木の側には説明用の立札が あり説明されているが、注意しないと 見過ごしてしまう事がある。 |
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◇ その3 双幹桂 本堂の横に双幹の桂が立っている。 泰澄が千手陀羅尼を感じた霊木が もともとこの位置にそびえていた。 昭和36年(1961)の第二室戸台風で 二代目の桂が倒朽したが、そのひこ ばえから現在の双幹桂は生長したと いう。 双幹桂は又の名を夫婦桂と も呼ばれる。 |
◇ その4 樅の木 岩間寺の表参道ににそびえる樅の 大木である。 周りの樹木より高い為、見た瞬間に 圧倒される。 |
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■ 岩間寺からの景観 ■ 岩間山は標高443メートルでそんなに高い山ではないが、坂の勾配は結構きつい傾斜がある。 その山から見る景色はさぞかし絶景だろうと期待しながら写真におさめた。 石山側からの参道から撮影した琵琶湖である。 瀬田川越しに近江大橋や松湖荘がある湖岸が望める。 |
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琵琶湖方面 |
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田上方面から守山方面が一望に見渡すことができる最高のロケーションである。 画面の中央あたりに三上山が見える。 これを撮影した場所は岩間寺より少し離れた所にある、奥宮神社の展望台から撮影した。 |
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湖南方面 |
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こちら側の展望台から見えるのは、笠取、内畑方面でゴルフ場などが多い所である。 東海道自然歩道があり、上醍醐からの登山道がある。 |
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笠取、内畑方面 |
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■ 最後に ■ 今回、岩間山を訪れて感じたことは、岩間寺が西国三十三霊場の一つであったことは知っていたが、古い歴史や大自然が今も残っているとは訪れるまで全く知らなかった。 |
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【 アクセス 】 JR石山駅下車〜京阪バス 中千町下車〜徒歩50分 (毎月:17日は山上まで直通バスあり)
2008年8月
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