『 小 野 の 里 』
〜 小野妹子と小野道風 〜
<小野妹子>

小野妹子は、滋賀県大津市(旧:滋賀郡志賀町小野)出身とされ、遣隋使として有名である。
「日本書紀」によれば、推古天皇の摂政を務めていた聖徳太子の命により、西暦607年に国書を携えて中国の隋に渡ったと記載されています。「日出ずる処の天使、書を日没する処の天使に致す。恙無きや。」 は、国書文として良く知られています。平成19年は、小野妹子遣隋使派遣1400年に当たりますので「小野地区」を中心に地域の紹介を致します。

◆唐臼山古墳と小野妹子公園
 小野妹子が埋葬されていると伝えられる「唐臼山古墳」は、「小野妹子公園」内にあります。
 この古墳は、箱型石棺上の石室であり、大和朝廷の官人層だけが造堂できると言われています。

唐臼山古墳

氏神様

小野妹子公園

神社鳥居

小野妹子神社

小野妹子神社からの眺望
◆小野妹子遣隋使派遣1400年祭を開催
 平成19年は、小野妹子が遣隋使として派遣されてから1400年を迎え、これを記念して11月3日に遣隋使を模擬した
 小野妹子行列が行われました。

聖徳太子と小野妹子(中央)

遣隋船に乗る小野妹子

遣隋船を引く行列
<小野道風>
「小野道風」は、平安時代の代表的な書道家であり、小野妹子の子孫と言われています。
それまでの中国的な書風から脱皮し、和様仕様の基礎を築いた人物と評され、「三蹟」の一人に数えられています。
また、蛙が柳の枝に何度も飛びつこうとする様を見て、諦めずに努力する事の大切さを学び書道に専念したと言う
逸話は有名である。
◆小野道風神社
 「小野道風神社」は、暦応4年(1341年)に建立されました。 社殿は、「切妻造」に向拝を設けた珍しい形式であ
  り、国の重要文化財に認定されています。

小野道風神社

神社鳥居
◆小野篁神社と篁の歌碑
 「小野篁」は、小野道風の祖父に当たり、平安初期の代表的歌人であり、「古今集」以降の勅撰和歌集にも採録さ
  れています。
(小野篁の歌碑)

 『 わたの原  八十島かけて  漕ぎ出でぬと  人にはつげよ  海人のつり船 』
 また、「小野篁神社」は、小野道風神社と同様に国の重要文化財に認定されています。

小野篁神社

神社鳥居

小野篁の歌碑
 
〜あとがき〜
 
今回ご紹介しました小野妹子神社や小野道風神社は、今でも地元の人々の心の拠り所として敬い祭られています。
飛鳥時代から脈々と受け継がれてきた神社や遺跡を一度訪ねて「古の風」を感じて見ませんか。 
 
【交通アクセス】

 ●小野妹子遺跡、小野道風神社へは、JR湖西線小野駅から徒歩約15分

 ●小野篁神社へは、JR湖西線和邇駅から徒歩約15分

(資料提供)     大津市教育委員会
       小野妹子記念事業委員会

 
(取材) 堀井好巳   2007年11月