栗東の神社と祭り
 

〜小槻大社と小杖祭り〜

 

滋賀県栗東市の南西部に小槻大社(おつきたいしゃ)という古い神社があります。
一間社流造、屋根檜皮葺きの本殿は国の重要文化財で、棟札写に永正16年(1519)と記されており、この時期に建立されたものと考えられています。
神域には古墳も残っています。境内には常緑針葉樹で、たたみかけの傘のような形をした杉の大木があります。栗東市の名木に指定されていて、太い幹に天狗が静かに座っていても不思議ではないような風格のある木です。

創祀の年代は明らかではないですが「延喜式神名帳」にも名を残している古社です。栗太郡衛の長官、郡司を務めた小槻氏の祖、於知別命が祀られています。
小槻氏は、奈良時代宮廷に采女を貢進し、平安時代から明治の親政に至るまで一千年に近い歳月に亘り宮廷社会に官務家として確固たる地位を維持しました。鎌倉時代、小槻氏に変わって近江の守護佐々木氏の分流が青地庄に居を構え地名を氏としました。
青地氏は、小槻大社の氏子村に一人ずつ家臣を配し祭祀を執り行わせるようにしました。

毎年5月5日に「小槻祭り」があり本番では恵比寿さん、大黒さんに扮した幼い男児が鯛を釣ったり、槌を振るったりする所作を行います。
造花で飾った花笠をかぶり、振袖に袴をつけた男児が太鼓をたたく中、ひょうきんな格好をした大人が唄を歌い、大きな花笠を振る「花笠踊り」は大変な人気です。
子ども達のかわいいらしい姿に惹かれて毎年多くの見物客が「小杖祭り=小槻祭り」に集まります。

資料:「まつり・祭り・祭礼」栗東歴史民俗博物館発行
   「小杖祭りの祭礼芸能」小杖祭り保存会発行   

所在地:滋賀県栗東市下戸山1212
アクセス:・名神高速栗東ICから車で10分または
     ・JR琵琶湖線草津駅東口から近江鉄道バス下戸山経由「トレーニングセンター」行き
      「下戸山」下車、徒歩約15分

お問い合わせ先:小槻大社 TEL:077-552-3190

取材 2007年2月 皆見恵美子