萩 の 玉 川
「野路の玉川」は草津市の南東部に位置し瀬田丘陵と呼ばれる丘陵からその西方の平地に広がり比較的温暖な湖南地方に属します。

 
◆旧東海道沿いの「萩の玉川」は、日本六玉川の一つといわれております。
”日本六玉川”とは以下の六つの玉川をいいます。

 高野の玉川 ‥‥  紀伊(毒水)     和歌山県高野山

 卯花の玉川 ‥‥  摂津(卯花)     大阪府高槻市

 井出の玉川 ‥‥  山城(山吹)     京都府綴喜郡井手町

 野田の玉川 ‥‥  陸奥(千鳥)     宮城県多賀城市

 調布の玉川 ‥‥  武蔵(調布)     東京都調布市

 野路の玉川 ‥‥  近江(萩)       滋賀県草津市野路町

この野路の玉川は、平安時代末から有名になった歌所で玉のような清水が湧き出たという故事から古来、歌に詠まれ、また萩の名所として「萩の玉川」とも言われ浮世絵名所絵図などに伝えられる。
現在はその面影はないが広さ40uが地元の人達の手で整備され、池の周りに萩も植えられている。

◆高野の玉川を除けばいずれも清澄な美しい水が流れている川で、歌によく詠まれたところである。

◆野路はまた鎌倉時代には有名な宿駅でもあった。

◆日本六玉川のうち、東海道のような幹道に沿うのは「野路の玉川」だけで八百年余の歴史を刻むこの地方は、今後も語り伝えていかなければならない貴重な史跡でもある。
 
◆玉川は現在の十禅寺川と見られ、平安時代には堤防もなく平地を自由に流れ、萩が広く生えていたようである。
(現在の十禅寺川は、小堤防の中を流れている)

<1975年頃の萩の群生>

<現在の萩の群生>

<十禅寺川の起点標>
◆毎年秋には、地域住民がふれあいを通じて地域への愛着心を育み、心かよう地域づくりを目的とした「萩まつり」が行われております。
 
<昨年の「萩まつり」の様子>
・参考資料:「野路のくらしの歩み」 草津市野路町内会発行
        「地域パートナー情報 玉川」  草津市玉川市民センター発行
取材 2007年1月 真野正宣