鹿跳渓谷
 

◆びわ湖は四方山に囲まれ、120本の川が流れ込んでいます。出て行く川は瀬田川だけです。
 南郷洗堰からの緩やかな瀬田川の流れは、田上関津町(たなかみせきつまち)を過ぎた辺りから急に激しくなり
 カヌー・ カヤック競技、水遊びが盛んに行われています。
 両岸に山が迫り川幅が狭く、川面には奇岩があちこち顔を出し、水はこの岩間を水しぶきをあげながら
 流れています。
 この辺りは、 鹿跳渓谷(ししとびけいこく)と呼ばれ瀬田川景勝地の一つでもあります。また岩の多いところか
 ら「石良の瀬(いしらのせ)」とも呼ばれています。

◆ 鹿跳渓谷は田上関津町地先より、大石中町の佐々奈神社付近までを指しています。
  鹿跳の名称は、弘法大師が瀬田川の急流を渡りあぐねていたところ、 白鹿が現れ大師を背に乗せて
   川中の岩を飛び渡ったところから名付けられたといわれています。
   鹿跳の岩々には水瓶のような小さな窪みが見られます。この窪みの形が鹿の足跡に似ているところか
   ら鹿跳びと名付けられました。窪みといっても大きなもので、径2メートル、深さ2メートルもあり、中に
  小石が多く入っていたり、穴の中を水が渦巻く姿が、米を洗うのに似ているため「米かし岩」とも呼ばれ
  ています。
◆瀬田川の石は、真黒のものや、虎石など愛石家を賑わしています。
 近くを通りかかった時は是非見ていただきたいと思います。

取材 2005年11月 村上一男